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桔梗色のきたじー
『あをにぶし』
海か空かは分からねど
今沈みゐるこの身かな
静けさよなほ包みてよ
世界の色を忘るるまで
あをなむにぶくなる時に
わが身の写し身を見につ
こを愛せとぞ言わむやは
見しこのひとみ何ぞある
―――――
〔口語訳〕
海になのか空になのかは分からないが
今この身は沈んでいるよ
静けさよ、もっと(私を)包んでおくれ
世界の色を忘れるくらいにまで
青が鈍くなってきたところ
私は自分の写し身を見つけた
この写し身を愛せと言おうとしているのだろうか
見つけたこのひとみ(瞳・人身)は一体何なのか(何を伝えようとしているのか)
* * * * *
ごきげんよう……〈きたじー〉です。創作大好き現役大学生です[ウインク]
詩を楽しみたく、この星に入りました。以後、お見知り置きを~[笑う]


桔梗色のきたじー
帯は緑 我孫子止まりの 前十両
行かむ寝床は 叢の先
(字余りあり)
残りぬ五両は、成田へぞ行きし。連結切り離しの瞬間とぞいふめづらしき場面に立ち会ひけるのち、冷風吹きたり。その風の幽かなるは、いとよろしくありてむ。


桔梗色のきたじー
セブに来ぬ 砂浜眩し ややあつし
晴れ空惚れる 海の碧きに
セブ島より、この星の面々に久闊を叙さむと思ふにいたれば、宿の足元なる砂浜にぞ来し。空も海も青かれど、かたみに青こそ異なりけれ。


桔梗色のきたじー
暦なら 今に秋なむ 訪れる
家守の声ぞ 暑さの中に
雲ぞ暑さを閉じ込めける。長月に入りしこと未だ七日に満たず。家守の虫を食ひたるにも、蚊は飛びぬ。蝉時雨こそ止みにけれど、蚊も早く退きなむと吾思ひしは、昼餉の後なり。

桔梗色のきたじー
つくよみの ひかる宵にて ひかるるは
げに困じ《こうじ》ける この心こそ
昨夜、見しはまどかなるつくよみ(月)なり。
(※「困ず」は口語に於ける「疲れる」の意)


桔梗色のきたじー
がらんどう こころのなかには 我もなし
おもひぬことも いづこにとびぬ
もののひとつもこころになきとき、それこころはただ清らげに水のとどまりたるにや。波なきうみの清らなるこそ、こひしきことこの上なし。

桔梗色のきたじー
母の故郷フィリピンより帰国し、一首。
この町は 恋しかりけむ 何どきも
今は静かに この家を愛づ
わが心、ここにあり。鼕々と応ふるわが心、ここにあり。
日の本にて、黄金の盈月を確と見き。や、この月こそ見なむと思ひぬもの。有り難し、有り難し。有り難し、このいのち。

桔梗色のきたじー
諦めつ 尻手より出づる 南武支線
彼は歩くや 「上を向きて」


桔梗色のきたじー
驟雨あり 浴びたしと思ふ この心
あやしかれども 孰れ《たれ》か分からむ
夏の暑きこと、いといみじきなるものぞ。されば、夕立の来たるを知りけるときの喜びこそ多けれ。
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