恋人じゃない彼のこと ~デート編~出会った頃は、「何食べたい?」「マック」「え? 遠慮しとん? 何でもいいとよ?」「んー……ハンバーグ?」「よし! めちゃくちゃおいしいハンバーグ屋、行こ!」そんなふうに始まった私たち。三年の時を重ねた今、「どこ行く?」もなく、当たり前のようにマックへ向かう。店内の席で向かい合えば、視線に気づく。――よくもまぁ三年も、変わらずかわいい目で私を見つめてくるものだ。「ん?」目を合わせると、彼は照れたように笑って、ポテトを一本、差し出す。「おいしい?」その顔は、まるで手料理の感想を待つみたいで。私は笑って、ハンバーガーをちぎり、彼の口元へ。あーんの無防備な仕草――どうしてこんなに、かわいいのだろう。時にドライブしながら。時に海辺で。私たちのデートには、いつもポテトが寄り添っている。おなかが満ちると、つい口ずさみたくなる。「タラタッタッター♪」また歌いよー。そんな目で見られているのも知ってる。マイクがわりに手を差し出せば、「歌う?」「歌わんて(笑)」あはは、と声が重なる。夜は更けて、いつもの露天風呂。並んで湯に浸かっていると――「タラタッタッター」「え?」「え?」「今、歌った?」「歌ってない(笑)」「タラッタッタター聞こえたけえど(笑)」はにかむ彼が愛おしくて、笑い声は夜空に溶けていった。デートのお供に、あつあつのポテトいかがですか?#究極の逸品#恋するポテト#私の大好物#ことばりうむの星#飯テロ玉手箱