人気

もちこ
(たまにです)
(いつもじゃありません)
#勝手に晒してしまった
#でもたぶん喜んでる
#怒られたら消します
#最終的な着地はコメント欄に貼っときます


そう𖤣𖥧𖥣。
第一章:パンの香りのする檻
夕暮れの森。
静まり返った草むらの向こうから、ひとりの影が現れた。
バイキンマン。
かつて何度も戦ったはずの敵。
けれどこの日、彼の声にはあの頃の狂気がなかった。
それどころか——どこか、懐かしさすらあった。
「よぉ。バイ菌獣D-07。元気にしてたか?」
その響きに、チーズの内側で、
かすれた火花が散った。
「……チーズだ。ボクは、チーズだ!」
「そう呼ばれてるだけだろ?
でもオレたちと遊んでた頃は、そうじゃなかった」
その穏やかすぎる声が、何より恐ろしかった。
「忘れたか? オレの作戦に付き合って、敵地に潜り込んだこと。
最後の命令はこうだったろ——
『寝たふりして、ア○パンマンの仲間になれ』」
「やめろ……!」
チーズは耳を塞ぎ、森を駆け出した。
だが、逃げても逃げても、言葉は胸の奥で反響し続ける。
パン工場に来たときのこと。
誰に拾われたのか。
なぜ、ここにいるのか。
——思い出せない。
そしてその「空白」は、あまりにも都合がよすぎた。
まるで最初から、すべてが“仕組まれていた”かのように。
帰り道、パン工場の煙突から立ちのぼる香ばしいにおいがなぜか、焦げた鉄のにおいに似ていた。
アンパンマンがパンを差し出す。
「チーズ、いつものだよ」
震える手でそれを受け取りながら、
チーズは胸の奥で呟いた。
——ここは、本当に“家”なんだろうか?
香るパンの匂いは、優しさであり、逃げられない檻の匂いだった。
#嘘予告 #そうの思考整理
#怒られたら消します
