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ろびのわーる

ろびのわーる

『幸福なラザロ』
渓谷で外の世界と隔絶されたイタリアの小さな村。村人たちは小作人として、領主に搾取されながら貧しい生活を送っていた。働き者の村民ラザロは、ある日、領主の息子が引き起こした騒動に巻き込まれることに…。

1980年代初頭にイタリアで実際にあった詐欺事件と、聖書に登場するラザロの逸話をモチーフにした物語。
たまたま年末にキリスト関連の映画を観てたおかげで、タイトルからラザロのエピソードがすぐに思い浮かんだ。

言われたことを何でも快く引き受けてしまうラザロ。そのお人好しっぷりに心が洗われるような感覚になる。でもそんなので生きて行けるのかと逆に心配にもなってくる。

「悪い子バビー」と似てるかも。ラザロもバビーも純粋で世間知らずだし、囚われていた場所から街へ放たれるという展開も一緒。結末こそ違うけれど、彼らに降りかかる出来事には多くのことを考えさせられる。

ラザロは“良い子”かもしれないけど、決して見習いたいとは思わない。いや、むしろ真似できない。
聖人のような魂と無尽蔵の体力、その両方があってこそ成せる業なのかもしれない。

タイトルの幸福とは何か。それはこの物語をどう見るかによる。それは人によっても違ってくるし、観るときの心理状態でも変わってくる。

考察を楽しむ作品。他の人の感想も聞きたくなる。また何年か経ったら観てみようかな。

#映画 #UNEXT #寓話
#幸福なラザロ
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