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こんにちは。
読書記録です。

平安貴族とは何か
三つの日記で読む実像
倉本一宏 著
NHK出版新書

本書は平安貴族の実像を、藤原道長「御堂関白記」、藤原行成「権記」、藤原実資「小右記」という三つの日記から読み解いたもの内容となっています。
道長のエピソードで印象的だったのは、第4章の中宮彰子の懐妊祈願のために決死の金峯山詣をしたことです。雨の中、国家行事として山登りして参詣して大変な労力だったと思います。
第8章で、次期東宮をめぐる策謀を道長が展開する中で、彰子が自分の子の敦成ではなく、定子の子で定子亡き後、我が子のように育ててきた敦康を次の東宮にするべきだと考えていたのにも関わらず、自分のところに事前に相談がなかったことについて道長を怨んだエピソードは、大河ドラマの題材になるなと思いました。
千年の時を経て、古記録が現代まで伝えられているのもすごいことです。
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こんばんは。
読書しました。

平安貴族の心得
「御遺誡(ごゆいかい)」でみる権力者たちの実像
倉本一宏 著
朝日新書

「御遺誡」というのは初めて聞きましたが、まだ元気なうちに訓戒を子孫や門下などの後人に残したものだそうです。
本書では、嵯峨天皇、宇多天皇、菅原道真、醍醐天皇、藤原師輔による5つの「御遺誡」が取り上げられています。
このうち、菅原道真のものは鎌倉時代後期に書かれた仮託書の可能性が高いが、後代の人間による道真像が分かるという意味で取り上げられています。
「御遺誡」の漢文と現代語訳と著者による解説が併記されており、学術的なクオリティを保つことを心がけているように感じます。
ここに取り上げられた「御遺誡」を残した方はいずれも傍流から嫡流に成り上がった代の当主で、子孫を案じて訓戒を残し、その嫡流が祖の言葉として伝えたものであることがうかがえます。ただ、「御遺誡」の内容についてはほとんど守られなかったそうです。
ただその中でも、宇多天皇御遺誡の第7条の「天皇は異国の人間と面会してはならない」、逸文第15条「侍医は直接天皇を診察してはいけない」に関しては後代まで守られて、宮中の禁忌として朝廷を縛ったそうです。
御遺誡を通じて、当時の権力者が子孫に実行して欲しい理想的な行動原理や価値観とはなにか、当時の政治状況が垣間見えるのが面白いです。
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