私は母に育てられたので母の教えが人生の支えとなっていますうちの地方では"麦踏み"というのがあるんですよ麦は少し背丈が伸びたら踏み倒す一週間くらいたってまた伸びてきたらまた踏み倒すそれを三回くらい繰り返すんですよ小さい頃 私はそれが不思議でならなかったある日 母に どうして何度も麦を踏み倒すのか尋ねたら…"踏まれた麦は上を向いて スクスク育っていくが 踏まれない麦は 冬に霜や 雨が降ると萎れてしまって 作物にならない "そして続けて言いました"人間も同じだよ 小さい頃や若い頃に苦労して 踏まれ踏まれて育った人間が 将来大物になるんだぞ "これらの教えが 辛い時の支えでした#小嶺忠敏