人気

骸鳥(工作員)
暗い部屋の中から
カーテン越しにゆっくりと明るくなる窓の外を
ただ黙って見ながら
窓の外にただ黙って立っているに違いない
見すぼらしい小人の姿を想像する
そんな時には
いつもは寝ているはずのオレが
今日は起きている事に気づいて
小人は嬉しそうにケタケタと笑うのだ
騒がしく寝るはずの夜を
寝ないで騒がしく迎えた朝は
窓を挟んだこっち側とあっち側とで
決して交わる事の無い相手と交信するのだ

骸鳥(工作員)
さっきまで聴いていた音楽が
耳なし芳一のように
文字になって身体中に刻まれるようで
巻き付けていた布団を蹴飛ばさないと
暑くて耐えられなくなる
そんな時には
サウナごときで整うヤツらに
『整うより乱せ』
と中指を立ててみるのだ
騒がしく寝るはずの夜を
寝ないで騒がしく迎えた朝は
刻まれた音楽を
立てた中指でなぞって笑うのだ

骸鳥(工作員)
いつの間にか消えていたヒーターの
3時間延長ボタンが虚しく光る様を
横目で見ながら 小さな声で
『お前は光るのが仕事なんだから
そうやっておとなしく光ってろ』
と言ってやるのだ
そして
文句を言い出す前に部屋を出る
換気扇を回し煙管の先に火を点ける
タバコを吸い終えて
部屋に戻るまでおとなしく光っていたら
ご褒美にヒーターのスイッチを入れてやる
そして
『お前は部屋を暖めるのが仕事なんだから
そうやって懸命に燃えてろ』
と言ってやるのだ
関連検索ワード
