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自分の人生を
美しくするために

仕事のために
友人のために
世の中のために

できるだけ気をつけよう

役にたとう
まめにつくそうと
心身を働かすことが
"敏"の本義である

"敏"を ひらたくいえば
いつも怠りをしないで
きびきびしている様子

その代わり
世間のくだらんことには
ずいぶんと
怠けてもよろしい


例えば 競馬の情報とか
芸能人のスキャンダルとか
そういうことばかりに
敏感というのではなく

自分自身の人生
人格を向上させる
そういうものに対して
敏感にならないと
いけないんです

敏でない人の人生は
発展していかない

だから
自分自身の人格を磨いて
くれるものに対して敏感

そういう人間にならなければ
人生は発展しない

#安岡正篤
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これからの人間は
長生きすると同時に

やはり精神をも長生き
させることが一番肝腎である

個人の…すなわち自分自身の考え
自分自身の実力などというものは
大したものではないのである

どうしてもやはり
先輩 長者 先賢 歴史というものに
学ばなければならない

刹那主義 ただ眼前の
功利主義というようなものでは
たかが知れておる

できるだけ歴史 伝統に
返らなければならない
これを研究しなければならない

そうすると
人間の内容ができてくるのだ

#安岡正篤
#人間学のすすめ
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GRAVITY48
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良い縁が
さらに良い縁を尋ねて
発展していく様は
誠に妙なるものがある

これを"縁尋機妙"
"えんじんきみょう"という

また
いい人に交わっていると
良い結果に恵まれる
それを引き寄せているのは
自ら作り出した縁である

これを"多逢聖因"
"たほうしょういん"という

縁を活かせるかどうかは
その人の心がけ次第

人は一生のうちに
多くの人と出会い
色々なことを学びます

人間はできるだけ いい機会
いい場所 いい人 そして
いい書物に会うことを
考えなければならない

#安岡正篤
GRAVITY4
GRAVITY45
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欲ほけと情欲の三毒

いかに信念が堅くても
この三毒を制御できなくては
人生の住境には入れない

貪(どん)とは気に入ったものを
何がなんでも欲しいと
執着して貪る心を言う

瞋(しん)とは 気に入らないことに
対して怒る心を指している

痴(ち)とは無明とも呼ばれ
あらゆる事物の理に迷う
愚かな心を指している

この煩悩の三つを
人間の心を毒するものとして
三毒と言うのである

人は誰でも
我田引水のところがあって
かなり制御していても
欲ぼけは顔を出してくる

だから常に自分を戒めないと
おかしなことをやっても
気がつかないことが多い

臆病さを却ける勇猛心
安易を振り捨てる冒険心を持って
力強く生きていくこと だ

信念を持って生きる人のうえに
天は希望を与えてくれる
希望がなくては酸素不足となって
理性が働かなくなってくる

三毒をどこまで振り払えるのかが
人生の修行ではないだろうか

#安岡正篤
#人間学
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とにかく人間というものは
栄えようと思ったならば
まず何よりも
根に返らなければいけない

草木でも本当に健やかに
繁茂させようと思ったならば
いたずらに枝葉を
伸ばしては駄目で

幹を逞しくし
根を深く養わなければならない
根に返ることが大事である

この根に返るということは
己を養うことでなければならない

人間にとって根本のことは
われわれが何を為すか
ということではなくて

われわれが"何であるか"
ということを発見することである

徳を養うことが大切である

#安岡正篤
#人間学のすすめ
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GRAVITY42
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木が弱り衰えるのには
五つの段階がある
これが木の五衰である

第一は"懐の蒸れ"
枝葉が茂り過ぎると
日当たりも風通しも悪くなり
木の根幹が弱ってくる

この状態が続くと
根が上がってくる
これを"裾上がり"という

そうなると
木は頭から枯れてくる
"末枯れ"である

梢が枯れてくると
"末止まり"となり
成長が止まる

この頃になると
色々な害虫がつき始める
"虫喰い"である

この五衰を避けるには
枝葉が茂ってきた段階で
刈り取ること

即ち"省くこと"であり
人間もまた同じだ

人間も貪欲 多欲になり
修養せず放置…つまり
余計を省かなくなると

風が通らず 真理や教えが
耳に入らなくなり
善語善言を学ばなくなる

人間が軽薄になり
進歩が止まってしまう

揚げ句は
つまらない人や事に関わり
取り憑かれて没落する
虫喰いである

これを人間の五衰という
雑念 妄念を心に茂らせて
いる人に花は咲かない

心の雑草を取り去り
よく手入れし調和させている人
心の力をよく知る人のみが
人間の花を咲かせるのだろう

#安岡正篤
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GRAVITY40
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人間は生ける限り
常にボケないで
有意義なことに興味を持ち
道理を尋ね
情熱を抱き続けることが
肝腎である

不老長生とは
徒に年を取ることではない

いつまでも
生きる限りボケないで
人生に興味を持ち
情熱を抱き続けて
勉強することである

老人に対し"貴老"と呼ぶ…
好い語である
老人はいつまでも
愚老になってはいけない

文字通り貴老でなければ
ならぬのである

そして 徳を養うためには
人生の辛苦を味わい
尽くさなくてはならない

年々歳々自ら徳を積み
自らを磨き上げていくのだ

年齢を加えるごとに
いぶし銀のような
徳の光が現われてくるよう
努力しなくてはならない

若者も中年も必ず老年を迎える

そのとき貴老と呼ばれるよう
今から徳を養う努力をして
いかなくてはならない

生きる喜びは
ここにあるのではないだろうか

#安岡正篤
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GRAVITY38
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人は自分を
創るために学ぶのだ

そして人生の あらゆる
艱難辛苦にあっても
動じないように
自分を為めていく

自分を創るのは
利己のためではない

世のため人のために
自分を役立てるためである

自分を役立てるには
自己の徳を大成し
自己の才能 能力を錬磨
向上させていかねばならない

それが学の本質である

成徳達材することにより
よりよき運命を
創っていくのだ

#安岡正篤
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GRAVITY36
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放置しておけば宿命的に
なってしまう問題を
豁然として新生命を開かせる

環境 状況 事柄 人事
自分の周囲にある物を開いて

すなわち開発し
あるいは変革し
あるいは打破して

自己の成すべき
務めを果たしていく

さらに言えば
自分の運命を完成させていく

それが
人生を生きる秘訣である


"開物成務"易経の言葉である
物を開き務めを成す

人間性を開拓啓発し
人としての務めを成す

ものを開発しすべての仕事を
成し遂げさせる意

人としての務めを成し
社会や世界に貢献する

次代の人材を育てるため
人間性の開拓啓発に
尽力することを心に刻み
歩んでいくのだ

#安岡正篤
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GRAVITY32
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学問を為す要は
いかに喜び いかに怒り
いかに哀しみ いかに楽しむか
というところにある

よく人は間違う
学問とか修業というと
喜怒哀楽をしなくなること
だと誤解するが
決してそうではない

それでは
学問 修業というものは
非人間的なものになってしまう

喜怒哀楽がない
ということは感情の起伏がない
ロボットと同じだ

どんなに情報や知識があろうと
まったく感情がない人を
好きになる人はいない

人間の究極の魅力は
喜怒哀楽にある

多感で、血の気の多い
燃えたぎるような熱き感性が
あるからこそそこに魅力がある

燃えることが生きること…
喜怒哀楽多き 熱き人でありたい

#安岡正篤
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