夜がまだ夢を見ている頃 大阪の街は深い静けさに包まれている道頓堀の喧騒もどこかへ姿を消し 聞こえるのは自分の足音と 遠くにかすかに響く風のささやきだけ 深夜のこの時間帯 大阪はまるで別の街のように感じられる いつもは観光客で賑わうこの通りも 今は誰の気配もない 煌びやかなネオンも息をひそめ 空の色がじわりと群青から藍へ そして柔らかな朝の光へと移ろっていく この静けさの中で立ち止まり 深く息を吸い込む 都市の音が消えた後に残るものは 心の奥にある静かな祈りのよう 一人きりで歩く道頓堀は 不思議とやさしく どこか懐かしい 夜明けの前 世界がまだ目を覚ます前のこの瞬間が 私はとても好きだ 何もないようで すべてがある 誰もいないことで すべてに出会える この静寂が また一日を生きる力をくれる#今日の1枚#夜明け前の道頓堀