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風ささ

風ささ

#詩 #夕暮れる春の日に 5

だれもがくつろぐ
春の夕暮れ時なのに
うっとうしい寂しさを
振り払うことができない

こんな穏やかさにも
心をとどめる術を知らない
何に急かされて
生き急ぐのだろう 僕は
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風ささ

風ささ

#詩 #夕暮れる春の日に 4

目印にしていた
銭湯の高い煙突も
いつしか夕闇に溶け込んでゆく

子供の笑い声が遠ざかる
おなかが捩れるぐらいに
おかしかったのだろう
いつまでも続くその笑いが
耳に残って消えない
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風ささ

風ささ

#詩 #夕暮れる春の日に 3

散り急ぐ桜は
花びらを風に渡してやまない
それを燃やす夕日
背中も染めて

闇は少しずつ花を押しのけて
花壇の中で大きな顔をする

空の深みには
青白い一番星
どこにあんな光が
ひそんでいたのか
あるいはこの目には映らない
多くのものがまだ奥底に
潜んでいるのだろうか
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風ささ

風ささ

#詩 #夕暮れる春の日に 2

五線譜のような高い電線には
小さな雀の四分音符
ほのかに赤い風がその音色を奏でる

その真上には
昼間の白さを残す綿雲が
帰ろうか帰るまいか
迷って漂っている
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風ささ

風ささ

#詩 #夕暮れる春の日に 1

春風の魔法で開いた
色とりどりの花を
一つ一つ眺めだしたら
時間がとても足りないから
後ろ髪を引かれ歩く夕暮の小道

道に沿って並ぶ家々は窓を開き
白いレースのカーテンを
無防備に羽ばたかせて
お客様を歓迎するよう
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