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風ささ

風ささ

#詩 #夏の野に 4

ひざまずき
道のとぎれた空を見上げて
(燃え上がることもない
 焚き木にもならない体を
 持て余しながら)
心は干からびてひび割れる
枯れ果てた涙に濡れることもない

じりじりと焦げついている
肌の臭いが鼻をつく
太陽は 遠く 強く 激しく
力無き者には眩しすぎている
GRAVITY
GRAVITY1
風ささ

風ささ

#詩 #夏の野に 3

熱射病のこめかみに朦朧として
割れた足の爪
踏みしめるたびの痛みで
意識をたもつ

何度も同じ風景をめぐる
その彷徨に焦り尖った神経が
喉を震わせる 奇声を発する

その叫びに草むらから
集まる鳥たち
食い破られる心臓
血の巡らない体は
やがて機能を停止する
GRAVITY
GRAVITY5
風ささ

風ささ

#詩 #夏の野に 2

また 読みとれない
風景の奥底に隠れ
解きあかしを望む秘密が
時折は天使の羽で
舞い降りることもあるのだが
(それをはっきりと見ることができれば)
すぐに幻影と消えてしまう

砂漠の蜃気楼のオアシス
白昼夢にこびりつく印象
魂がヒリヒリとそこにゆきたい
GRAVITY
GRAVITY7
風ささ

風ささ

#詩 #夏の野に 1

誰かが頭の中で
歩くことを強要する
(いつものことだ 寝ても覚めても)

汗をかき喉の渇きに耐え
高ぶりながら歩く夏の野に
太陽は黄色 熱風をまきあげ
おし黙って僕を焦がす
強すぎる陽射しに
白く色を失う瞳
GRAVITY
GRAVITY8
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