【読後感】凶悪な事件を起こす犯人がいて、殺害された被害者がいる。その都度ニュースでは加害者の精神鑑定なるものに判決が左右されている気がする。心神喪失、神経耗弱。それらはなにか、基準はなにか。それらはどこに意味をなすのか。常々引っ掛かっていたこれらに迫るルポ。犯行当時、被告は妄想に取り付かれ、犯行に及んだ。五名の住人が殺害され、二件が放火される。その犯行動機は、被告の妄想によるところが大きい。では被告が精神疾患を悪化させた要因はなにか。そこまで加味され判決を左右しているのだろうか。そして精神鑑定で判決が左右された事と遺族の苦しみ悲しみ、真実の究明は別の問題ではないか。金峰、山口県の山深い谷。そこには金峰神社がある。過疎の限界集落で起きた残忍な事件の真相を知りたい。私はそう思っている。そして死刑囚保見中(改名後は保見光成)には妄想の世界から寛解し、真実を語ってもらいたい。最後に紙型制度についての意義をもう一度考えたい。誰のための判決であるのか。妄想の中で生きる人に科す死刑の意味はあるのかを。#つけびの村 #噂が5人を殺したのか #高橋ユキ