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ノールック二度見

ノールック二度見

#創作怪談  #創作不思議な話
A君が小学生の頃お父さんが亡くなりました。43歳だったらしいです。

月日は流れA君は43歳になり、会社でリストラにあって実家に帰ってきていました。
丁度お盆の時期でもあったので実家に帰ったらしいです。
縁側でくつろいでいるとこの時期にしては珍しく涼しい風が吹いてきて心地良くてウトウトと居眠りをしてしまいました。時間にして2、3分ほどで目覚めたようです。ふと横を見ると子供の頃に亡くなったはずの父親が居たらしくAさんは驚きはしたものの怖いという感覚はなかったといいます。
Aさんは懐かしくなって、父親が亡くなってから今までのことを話したり今の自分の状況などを聞いてもらったと言っていました。父親は何も答えることはなくただニッコリと笑ってうんうんと頷きながらAさんの話を最後まで聞いてあげたらしいのです。途中Aさんはキッチンへ行き麦茶をニつ入れて戻ってきて、Aさんはその麦茶を飲み干してまた話を続けました。
日も傾いてきて遠くの山に夕日がかかったときにAさんに時間の感覚が戻り我に返ったそうです。「ああ、もうこんな時間だ。」とAさんが言うと、父親は「じゃあ父さん行くけど、何があっても守ってやるからな」と言って歩いて何処かへ行ってしまったそうなのです。
Aさんは追いかけようとも思いましたが、なんか野暮なような気がして止めたそうです。
夕方の涼しい風が頬をなでたとき、縁側で居眠りをしていた事を思いだして、Aさんは「なんだ、夢だったのか…」と自覚しました。
しかし、傍らには麦茶の入ったコップが一つあり、空のコップが一つあって、Aさんは麦茶の入った方のコップをそのまま仏壇にお供えして、「不思議なこともあるものだ…」と何気なくさっきまでいた縁側を見ました。すると、親子連れの狸が庭を横切って行っらしいのです。
「狸が化かして、いい夢を見させてくれたのかな。」と思うAさんでした。

このAさん、心霊の類は全く信じていないのですが、なぜか狸が化かす事はすんなり受け入れられることに「矛盾を感じた」とのことでした。
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