満員でもない中央線。中野を過ぎたあたりで電車が揺れた。となりに立っていた女性のピンヒールがぼくのコンバースの上に落ちた。激痛が走った。新宿で降りて謝罪を受けた。何かあった時は連絡くださいって名刺を渡された。そのひとは歌舞伎町のキャバ嬢だった。足は内出血して少しだけ腫れていた。でも連絡はしなかった。LINEとかではなくお店の名刺を渡されたことに逆に誠意を感じたから。足にはまだ痕が残っている。チャットモンチーの「8cmのピンヒール」を聴くと今でも思い出す切ない夏の記憶。踏まれた痕はコメント欄に。#切ない記憶