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みおこんぼ

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仲町六絵「霧こそ闇の」読了。

私の大好きな、物の怪の類が出てくるお話[大笑い]
第17回メディアワークス文庫賞の受賞作(そのときのタイトルは「典医の女房」)です。

作者の仲町六絵さんは、「塔」短歌会の元会員。「塔」短歌会って知名度どのくらいあるのかな…アララギ派の末裔みたいな短歌の歌誌を刊行しているところなんですけれども[ほほえむ]
短歌の世界では有名な、特に若手の歌い手の発掘に力を入れている歌誌です。ここの出身者だからなのかな…言葉の選び方に独特な艶があり、情景が浮かびやすくとても読みやすいと感じました[照れる]

時代物(舞台は天文2年)なので、最初は時代背景に慣れるまでゆっくりペースで読んでいましたが、慣れると一気に、お話の展開に引き込まれてあっという間に読了でしたよ[大笑い]

実は人間ではなく狐の子で、物の怪を祓う…といえば、真っ先に思い浮かんだのは陰陽師の安倍晴明さん。きっとモチーフは安倍晴明であろう、狭霧(さぎり)という登場人物が主人公です。美しく艶かしく、そしてなにより強い。私は強い女性が好きなので、引き込まれました。表紙の絵に描かれているのがおそらく狭霧…綺麗です[照れる]

最後の章は、切なくてほんとに泣けました。あんなに綺麗なお別れの描き方があるなんて。久しぶりにグッときました。このシーンは何度も見返しちゃったな…良いなぁ。最後まで狭霧を心から愛してたんだな。いっそ、もっと早い段階で、なにもかも投げ出して家族で逃げてしまったら良かったのに。心揺さぶれました。

艶のある美しい文章が好きな方、物の怪の出てくる切ないお話が好きな方にオススメの一冊です。

#読書 #読書メモ #仲町六絵
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