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ユメオニ

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今朝も、美女とすれ違った。

昨日もすれ違ったし、平日で雨が降っていなくていつも通りの時間に家を出れば、大抵美女とすれ違う。

アパートの駐車場を出て車でちょっと走ると、美女は向こう側の通りかこちら側の通りを歩いているので、最近は美女がどちらの通りにいるのか心の中で賭けをしている。

今日は向こう側の通り。

そう心の中で宣言してからシートベルトを締め、車を発進させ駐車場を出て、大通りに出る。

美女、今日はいるかな?
今日はいないかもしれないな。
期待を抱えながらも、いなかった時の落胆に備えて予防線を張っておく。

いた!

車を数十メートル走らせると、向こう側の通りに美女らしき姿が見えた。

美女だ。

この瞬間、いつも感動してしまう。

説明しておくと、ここはそれほど人通りの多い通りではない。
大通りではあるのだけど、車が行き交うばかりで、歩行者を見かけること自体そんなに多くない通りなのだ。

そこで出勤のとき、毎回のように歩いている美女を見かける。すれ違う。

これはほとんど奇跡とは言えないだろうか。

今朝の美女は、白のロングTシャツに黒のパンツ姿というラフな格好をしていた。

昨日の美女は黒のジャケット、白のYシャツ、黒のパンツという割りとフォーマルな格好である。

美女の職場はたぶん割りと服装の規程が緩いのだ。もっとカジュアルな格好をしていることもある。でも昨日みたいにいかにもOL風の格好をしていることもあり、この辺のギャップが激しいあたりがいかにも美女だな、と思う。

美女を見かけると、すぐに通りすぎてしまうのも惜しいので、後ろに車がいない限りはブレーキを踏み、少し減速する。
そしてすれ違いざま、美女の方を見る。

今日の美女は少し笑っているようにも見えた。
そして、僕の視線に気づいたのか、少しこちらの方に顔を向けかけていた。

でも車なので、あっという間に通りすぎてしまう。

サイドミラーに映る、美女の後ろ姿に、
「週の真ん中水曜日。疲れも溜まってくる頃かもしれないけど、お互い頑張りましょう」
と心の中でそっと呟いた。

そして、美女は向こうの通りを歩いていたので、賭けにも勝った。
今日はいい1日になるはず。

僕はアクセルを強く踏んだ。

#今朝の美女









今日の美女は、






#今朝の美女
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ユメオニ

ユメオニ

美女の話をしようか。
出勤の朝、毎回すれ違うあの美女のことを、何故僕は美女と呼ぶのか。
美女だから。
それは当然だ。彼女は誰がどう見ても美女なのだから。
けれど最近はそんな人は少なくなった。
この人美女かな、と思うことはあっても、美女だ、と感動することまではない。
それは自分の中の美女に対するハードルがあがったという話ではない。
もっと単純な見た目の話だ。
今は美女を美女と認識する為には、情報が不足している時代なのだ。
そう、つまり、顔の鼻から下がマスクで覆われているから。
目や、眉や、髪の毛、顔の輪郭から、この人美女かもしれない、と想像してみることはあっても、この人美女だ、と感動することまではできない。
僕が何故美女を美女と呼べるのかと言えば、彼女が一貫してノーマスクだからだ。
このコロナ禍にあって、僕は美女がマスクをしているのを一度も観たことがない。
今は屋外でのマスクの着用は不要とされているから、それで全然問題ないんだけどね。
けれど実際はマスクをしている人がほとんどだ。
僕が美女を見て毎朝感動してしまうのは、それもある。
あ、美女だ!とコロナ前に戻ったような気分になれるんだ。
通勤の車の中で見る美女は、それもあってどこか非現実的に映る。
職場についたら、もう全員マスクをしている人だらけだからね。
美女はいつマスクをつけるんだろう?
職場の前で、鞄からマスクを取り出すのだろうか?
美女がマスクをしている姿を僕はあまり想像できない。
マスクをつけた美女もやっぱり美女なのかな?
働く美女を偶然見かけたとしても、それが美女だと気づけないかもしれない。
今日も美女はいつもの時間に僕のアパートの前を通るだろう。
そしてその頃、今日が休みの僕は、まだベッドの上でうとうとしているはずさ。
おはよう美女、そしておやすみ。
#今朝の美女




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ユメオニ

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そういえば今朝も美女を見たよ。
忘れないうちにここに記しておく。

今朝は美女の後ろ姿が見れた。
美女の後ろ姿を見れたのはこれが初めて。

最近の僕の朝ご飯はもっぱら卵かけご飯なのだけど、基本的にご飯の量は150gと決めている。それがお腹的にも卵の混ざり具合的にも1番ちょうどいいからだ。
しかし、今日は150gのパックご飯を切らしていた。180gしかなかった。
30g分多めに食べたから、その分時間がかかってしまった。

いつもよりもちょっとだけ遅く車を出したら、右手に美女の後ろ姿が見えた。
美女は僕の住むアパートを通りすぎた後だったのだ。

遅かったか!

僕は150gのパックご飯を買い置きしておかなかったことを恨んだ。
でも、その後はたと思った。

これはこれでレアではないか!

美女の後ろ姿を見るのはこれが初めてだった。

標的を見つめるゴルゴ13のような鋭い視線で、美女の後ろ姿を見た。

今朝の美女は、白シャツに黒のパンツという出で立ちだった。
何というか就活生みたいな感じである。
後ろから見る美女は思いのほか華奢で、幼くも見えた。

今朝の美女は、後ろ姿しか見れなかったが、明らかに普段よりも元気が無さそうに見えた。
歩くときの腕の振り方に力がなかった。何やら投げやりな気配すら感じた。

それもそのはずだった。今日は週の真ん中水曜日である。
仕事の疲れも溜まってきているが、週末も遠い。カレンダー通りに働いてる仕事人にとって、ある意味1番辛い曜日ともいえる。

「週の半ば、色々辛いこともあるかもしれないけど、お互い頑張りましょうや」

僕は美女の白い背中に、そう言葉を投げかけた。

美女は僕の予想通り、横断歩道を渡り反対側の歩道に移った。

やっぱり美女の自宅はこちら側で、職場は向こう側なのだ。
途端に美女に親近感を覚えた。

その後、職場に着いて、朝から仕事が捗ったのは言うまでもない。

美女は生きる希望だ。
美女こそが生きる源。

今日も視界に入ってくれてありがとう。

そう心の中で呟きながら、僕は仕事に勤しむのだった。

#今朝の美女
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ユメオニ

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そういえば今朝も美女にすれ違った。

忘れない内にここに書き記しておく。

美女は、アパートの駐車場から車を出して100mほど走った辺りで左手側に見えた。つまり、僕の住んでいるアパート側の歩道である。

これまで美女は反対側の歩道を歩いていることが多かったが、ここ最近は手前側の歩道を歩いていることが多い。

それは一体何を意味するのだろうか?
ここに考えてみたい。

ひとつだけ明らかなこと、それは美女の自宅から美女の職場に向かうためには、この車道を渡る必要があるということである。
そうでなければ、美女を向こう側の歩道とこちら側の歩道で目撃する理由がない。

では、美女はこちら側の通りと向こう側の通り、どちらに住んでいるのだろうか?

僕は、こちら側だと推測している。
美女の職場がどこなのかもちろん知らないが、役場や銀行など、職場になりえそうな場所は向こう側の通りに多いのだ。
こちら側の通りには、夜になると途端に輝きだす飲み屋くらいしかない。
ということは、こちら側の通りに住んでいて、向こう側の通りに渡って職場に通っていると考えるのが妥当ではないか。

今朝の美女は少し不機嫌そうだった。美女には不機嫌がよく似合う。
なぜ不機嫌なのかといえば、たぶん今日が月曜日だったからだろう。
月曜日は、これから1週間の仕事のことを考えて、誰でも憂鬱になるんだろう?僕は曜日関係なく働いてるから知らんけど。

美女は、濃紺のシャツに白いスカートを履いて、少し不機嫌そうに歩いていた。
口紅はいつも通り深紅で、鮮やかである。
新幹線で流れていく富士山を見るように、僕は一瞬で流れていく美女を見送った。その瞬間、完全にわき見運転だった。前方不注意である。

それにしても濃紺のシャツに白いスカート。服装からして美女である。美女にしか着こなせない、服の組み合わせである。

「月曜日、あんまりやる気にならないかもしれないけど、お互いにほどほどに頑張りましょうや」

すれ違いざま心の中でそう呟くと、美女は一瞬だけ怪訝そうにこちらを見た気がした。でも、それは僕の思い違いかもしれない。

ここまでが、今朝の美女の記録である。
美女は、風景を美しくする。
美女は、いるだけで世界を輝かす。
今後も美女に遭遇した際はここに書き残すつもりだ。
しばし待たれい。

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