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物事には
引き際というものがある

せっかく
いい結果を残してきていても
引き際が見苦しいと
その印象だけが残って、
後々の幸運を逃すことになる

そればかりか
それまで残してきた成果も
疑われかねない

とはいえ
身を引くという行為は
勇気のいることだろう

いつ引くのかという
タイミングをはかるのも難しい

そうしているうちに
何やかやと理由をつけて
その場に居座ろうとしてしまう

だが周囲の人は
そんなところまで慮ってくれない

いつまでも意地汚く頑張って
いるように取られ
非常に見苦しく思われる

とくに日本は
引き際の美しさに深く感銘を
受けるお国柄であるように思う

引き際の美しさとは
単にその場を去ることではなく
自らの敗北や限界を潔く
受け入れる姿勢にも通じている

負けたりダメだとわかったなら
潔くそれを認め 敗者らしく
堂々としていればいい

十分に戦ったのなら
自分を卑下することはない

これが英語で言うところの
グッドルーザー

つまり負けても怒ったり
しょげたりせず潔く引く人に
なれという思想である

昔から勝敗は時の運というように
勝つときもあれば負けるときもある

だから負けたからといって
相手を憎むのはナンセンスである

負けたのなら潔く負けを認めて
降参すればいいだけのことなのだ

#渡部昇一
#人生の手引き書
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