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伊勢の神宮のように
古くして新しいものが
常に栄えます

その感覚を日本人は
大事にしてきました

"古くして
新しいもののみ栄える"

古くて新しいものとは
何かと言うと
たとえば親孝行がそうです

ほかにも魂で生きるとか
元にかえるとか
昔は当たり前に大事に
していたことが

少しずつ忘れられて
そして今再び新しい感じが
すると思うのです

その姿の最たるものが
伊勢の神宮です

神宮は20年おきに遷宮されます
すべての建物を20年おきに
建て替えするのです

2000年前の昔の建物の
姿のままでありながら今そこに
新しい姿で存在しています

形は2000年前のまま
古いけれど20年に1度遷宮を
しているので新しい

20年おきだから
やった人がまだ生きている間に
次の人に伝えることができる
だからこそ残っていくのです

式年遷宮が1300年も続いたのは
継続することが目的です
技術の伝承は20年が限度だ

一見無駄のように思える
ご遷宮が日本人の叡智と技術の
伝承を守ってきたのだ

コンクリートや鉄ではなく
朽ちる木を使うからこそ
20年ごとに建て替える

そしてそれが"常若"となる

太陽も古くして新しいものです
太古の昔から太陽が昇った時に
人々は嬉しい思いが湧くのです

まるで今日
初めて見たような思いがする

太古の昔からあるのだけれど
今日昇った日の出を見た時は
まるで初めて見たような
感動が湧くのです

ずっとあり続けているけれど
いつも新しく清々しいのです

魂も古くして新しいもののみが
栄えていくものです

それは昔からあり続けながらも
毎朝新しくなる魂です

古くて新しいもの

常若とは常に新しいこと
いつまでも若々しいこと

年の初め 人の心も常若
新たに一年を初めたい

#中山靖雄
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