こんにちは読書記録ですエルサレムの歴史と文化3つの宗教の聖地をめぐる浅野和生 著中公新書著者は西洋中世美術史の研究者なので、キリスト教関連の聖地の解説が特に詳しいです聖墳墓教会においては、オスマン帝国による統治の時代、ギリシア正教会、カトリック教会、アルメニア使徒教会などが使う権利を持っていましたが、領域争いを防ぐため、スタトゥス・クオ「現状維持」という布告が出されました聖墳墓教会の南に向いた正面玄関の窓の下には、ハシゴが立てかけられています🪜これは、工事用に出したのを片付け忘れたもので、布告を遵守してそのままにしてあるもので「不動のハシゴ」と呼ばれていますただし、各宗派の合意のもとに建築の修理や補強などはずっとおこなわれているので、このハシゴはスタトゥス・クオを象徴的に表すオブジェのようですこのように戦乱地帯だからこそ、平和を守ろうとする精神を大切にしているようですナザレのイエスについては生前を語る直接的な史料がほとんどなく、何十年も経ってから福音書が書かれ、有名だった洗礼者聖ヨハネを引き合いに出して、あのヨハネが認めたほどの偉大な人だったといううたい文句で書かれた福音書が新約聖書となり、エルサレムでキリスト教にまつわるたくさんの聖地がつくられたキリスト教は地下宗教から始まったという歴史の悠久さを感じますね聖地をひとつひとつ順番にみていく構成をとり、文化的な背景を解説をしているので、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教にとっての聖地であることの意味が分かるようになっています#読書 #読書感想文 #エルサレム #聖地 #一神教