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Öやすとマペペナーラ

Öやすとマペペナーラ

今日もグラのある方の投稿から人生を
想像して文章作ります

遠距離恋愛と家庭菜園

女子校、女子大を経て社会人になった私
決して恋愛ができない環境にいた訳じゃない

ある友人はナンパ経由で、
ある友人は友人の紹介で、
ある友人はマッチングアプリで

彼氏を作ってSNSにアップしていた

でもそんな出会い方なんてきっと良くない
彼女たちを蔑視していた自分がいた

私は出会い方や恋愛の仕方なんて知らないくせに
ネットで発信されている信憑性の薄い情報で
あたかも恋愛を多くこなしてきたような
立ち振る舞いをしていた

年も経て周りがほとんど結婚を終えた年齢に
なっても私は独身だった

キャリアウーマンを自負するには無理のある
職業、立場、境遇

ぼんやりと経ちゆく日々を
刹那に流れる電車の車窓を眺めるが如く
いたずらに過ごしてきた

スーパーのお惣菜を食べながら
何気無しに見ていた動画の広告に
土星のアイコンのアプリ

1人きりが悲しくなった訳じゃない
心に大きな隙間があった訳じゃない
誰かと話したい訳じゃない

並べられる限りの言い訳を
ゴミ箱に捨ててアプリをインストール

くだらない話ばっかりしてるな
陰気臭い投稿が多いな
結局どこもフラストレーションのはきだめか…

諦めかけた時に入った音声ルーム
年端もいかない若い男の子の声

私自身声フェチである事に
初めて気付いた

農家の二代目という彼は畑仕事が
終わって晩酌しながら音声ルームを
開いていた

気付けば私は毎日そこにいた
時折マイクで話すけどうまく話せない
その窮屈さが却って私を興奮させた

数ヶ月が経ち様々な感情が去来したが
最終的には彼に会いたいと思うように

休みが合わないと分かった私は
取ったこともない有給を使って
片道7時間かけて彼の元へ

事前に連絡もせずに向かっていた
今思えばそれが一番の悪手だった

彼がルームで酔った勢いに任せて口走った
農園の住所になけなしのお金を使ってタクシーで
向かった

到着した頃には日も傾きはじめていた
都心とは違って、街灯がほとんどない
田舎道の夕暮は美しく、儚げだった

風景に感動しながら歩いていると
農作業を終えて畔に佇む若い夫婦が
慎ましく談笑しているのを見かけた

カゴには農園の名前が印字されてあった

彼の日に焼けた前腕と
土で汚れた軍手
頬を伝う綺麗な汗

全てを悟るには遅すぎた

薄く光る半月は私を嘲笑うようだった

タクシーで駅前まで戻って急遽ホテルに
泊まる事になった

ベッドで横になっていつものように
彼のルームに入ろうとした
でもそのアイコンをタップする指は震えていた
その晩私は初めて異性に対して涙を流した

ずーっと恋愛を遠ざけて生きてきた私
本来何年もかけて経験して反省する
のが恋愛のセオリーなんだろう

私は往復の14時間でやっと
マニュアルの1ページ目を開いたのだ
感情を理性で制しなさいと………

家に帰るとベランダのトマトが綺麗に
実っていた

彼のアドバイスで育てたトマト
彼に近づきたくて育て始めたトマト

どうせなら枯れていてほしかった
そっちの方がスッキリしたのにな

あの田舎道から見た景色
沈みゆく夕陽

真紅のトマトを見ていると
思い出しちゃうから
早く食べてちゃお

口で弾けるトマトの酸っぱさ
トマトという小惑星に翻弄された
私の片手にはスマートフォン

今日もたくさんのルームが
軒を連ねているな

今日はどこにお邪魔しようかな

#ミニ小説
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フォリアグローネス

フォリアグローネス

最近力について考えて癒し,達成ができるなと思った.愛とか色々考えすぎて嫌すぎて死にそうになったけどまあ人間強いんで意地で蘇る私✌️
それをミニ小説に
愛、知、欲の神がおしゃった。
今日は発見の日。
神様のお告げで助かったのを祝う日。
愛と知は癒しがあり欲は力に似ている気がする
今日の食べ物はとっても美味しいかもしれない
#ミニ小説


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