【読後感】時間がかかるのよ、人の心ってね。大人になってもよちよち歩きなの。どうにもならないんだと思う。好きで好きで仕方がないんだと。ここだけを抜粋すると恋愛小説のようだけどこの本は違う、とても清潔で静謐な物語。いっくんが鈴さんに抱いた感情はとても恋に似てる。人として鈴さんを好きだった。まだ若かったいっくんはその違いに戸惑った。鈴さんはかつて、画家を人として好いてしまった。恋とは違うもっと大きなものだったからきっと恋に迷ったんだと思う。この2つはとても似ているし同じものかもしれない。だから清潔で静謐なんだと思う。鈴さんは素敵。ミス・サンシャインが嫌いだった理由。最後まで読むとなんとなく伝わってくる。光が当たれば影ができる。その影こそがその人そのもの。とても素敵な本。おすすめです。#ミスサンシャイン #吉田修一