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ろびのわーる

ろびのわーる

『プロスペローの本』

1991年/イギリス・フランス/126分
ジャンル:ドラマ/ファンタジー
監督:ピーター・グリーナウェイ
原作:ウィリアム・シェイクスピア
キャスト:ジョン・ギールグッド/イザベル・パスコ/マイケル・クラーク/ミシェル・ブラン/エルランド・ヨセフソン

【あらすじ】
絶海の孤島で一人娘と暮らす元ミラノ大公プロスペロー。友人から託された24冊の魔法の書を読み、偉大なる魔力を身につけた彼が、自分を陥れた者たちへの復讐のシナリオを書く。やがてそれが現実となっていく……。

【見どころ】
① シェイクスピア原作。
② 動く絵画。
③ ルネサンス様式。
④ プロスペローの語り。
⑤ 音楽と効果音。
⑥ 舞台のような美術と演出。
⑦ ポップアップ映像。

【感想】
シェイクスピアの「テンペスト」を鬼才ピーター・グリーナウェイが映画化した作品。
映画って芸術だけど、これは芸術を映画にした感じ。

主人公のプロスペローが本を朗読するスタイル。他の人のセリフもプロスペローが読み上げてゆく。シェイクスピア作品なので詩のような独特の言い回し。

映像は圧巻。まさに動くルネサンス絵画。精霊や悪魔が存在するファンタジーな世界。人間と人外の違いがわからなくて戸惑った。見分けるポイントは肌の露出かも。

また、ポップアップ映像や効果音が独特で、何かを象徴しているようだった。最初は邪魔に感じたけど、これが無かったら眠くなっていたと思う。

シェイクスピアの言い回し、プロスペローの朗読、ポップアップ映像、コンテンポラリーダンス、ナイマンの音楽、ルネサンス美術、豪華な衣装…いろんなアート要素があってどれもが鮮烈。芸術という棍棒で袋叩きにされる。

“我々は夢と同じ材料でできている“
シェイクスピアの残した言葉たちが詩的でロマンティックだった。やはり最後に残るのは言葉だ。

見ごたえは抜群だけど、集中力がめちゃくちゃ必要。僕は3日に分けて鑑賞した。
圧巻の芸術作品。拍手を贈りたくなった。

人物やストーリーがわかりにくく、画面の情報が多いので、鑑賞前に原作「テンペスト」を軽く読んでおくのがオススメ。

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