『ブリグズビー・ベア』2017年/アメリカ/97分ジャンル:ドラマ/コメディ監督:デイヴ・マッカリーキャスト:カイル・ムーニー/マーク・ハミル/グレッグ・キニア/クレア・デインズ【あらすじ】外気から遮断されたシェルターで両親と暮らす25歳のジェームス。少年時代から見続ける教育ビデオ『ブリグズビー・ベア』を独自に研究する彼は、少し退屈ながらチャットする友人もいて幸せな毎日を送っていた。ところがある日、彼は警察に連れ去られてしまう……。【見どころ】① 偽りの日常。② ブリグズリーベアの存在。③ ビデオの制作者。④ 周囲の人の温かさ。⑤ ノスタルジーな雰囲気。⑥ 創作の素晴らしさ。【感想】誘拐してきた幼児を息子として育てる…これはたぶん衝動的な犯行ではない。このニセの両親には相当な覚悟と計画があったようだ。他人の息子のために家を改造し、外に出さないようなルールを作り、教育ビデオを作ったのだ。その教育ビデオというのが「ブリグズビーベア」。全てがニセ両親によるオリジナルの作品。着ぐるみや美術だけでもかなり手が込んでるし、台本を書いたりキャストを雇ったり…一体どれだけの労力がかかっているのだろう。実の息子でもここまではやらない。それだけジェームスを大切に育てようとしていたのだ。このニセ両親は冒頭で捕まってしまうが、彼らの熱すぎる想いはジェームスの中で確実に燃え続けてゆく。メインのストーリーは、ジェームスが社会に馴染もうとするお話し。実の両親は優しいし周囲もフレンドリーだから生ぬるい。警察も管理が緩すぎる。もうちょっと苦しんでくれないと嘘っぽいし、ドラマにもならない。いろいろあって、ジェームスは偽の両親が残した「ブリグズビーベア」の続編を作ることを決意する…ニセ両親の遺伝子は哲学となり、ジェームスへと確実に継承されていたのだ。ちゃんと面白かったし、感動もできた。普通に観たらハッピーエンドになるのかもしれない。でも捻くれた僕にはバッドエンドのようにも見えてしまった。とりあえずニセ両親がジェームスを誘拐することになった経緯が気になる。あと、元祖ブリグズビーベアのメイキングが見てみい。あと、他の作品と似たような要素がいくつかあって嬉しくなった。例えば、“外の空気は汚れている”という嘘によって大人になるまで家に閉じ込めているのは「悪い子バビー」みたいだし、ブリグズビーベアのラスボスは「テレビの中に入りたい」のMr.メランコリーみたいだった。#映画 #UNEXT #ヒューマンドラマ #ブリグズビーベア