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アメジスト

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こんばんは。
読書記録です。

フランス革命についての省察
エドマンド・バーク 著
二木麻里 訳
光文社古典新訳文庫

訳が秀逸で素晴らしい1冊です。
13の章に章立てされており、更に本文内に小見出しが添えてあり、とても読みやすくなっています。
凝った修辞が多い文章の特性をいかしつつ、現代日本語の読者に普通に読めるような文章になっているのは、訳者の力量の素晴らしさを感じます。

p188より抜粋
わたしたちは神を畏れます。畏敬をもって国王を見上げます。愛情をもって議会を見上げ、礼をもって為政者を見上げ、崇敬をもって聖職者を見上げ、尊重をもって貴族を見上げます。なぜでしょうか。それは、こうした観念が心に浮かぶときは、そんなふうに感じられるのが自然だからです。

バークのいう自然は、キリスト教の世界観に根ざしたものです。
なぜそれをたいせつにするかというと、先入観=prejudiceだからであると述べています。
このprejudiceはバーク思想の重要な鍵概念で、予めの判断という意味です。
先人の経験から受け継いだ知識や常識にもとづけば、未知の事象にも予めの判断力が働くという意味です。
時を経て磨かれてきた価値を尊重するというイギリス経験論の系譜にあるということがわかります。

経験の叡智を消滅させ、抽象的な啓蒙理念をもとに社会を再構築させるフランス革命のやりかたは、社会の転覆にとどまらず、道徳の転覆ももたらしてしまった。
これが近代の始まりだとすれば、近代というのは自然に反することをやり始めた時代だといえるのかもしれません。
近代化によって失われてしまったかもしれない、歴史や過去や、いま眼前にないなにものかの遠さのなかに真実をみようとする思想をもつこともたいせつなことなのかもしれないなと思いました。
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