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アメジスト
読書をしました。
世界は善に満ちている
トマス・アクィナス哲学講義
山本芳久 著
新潮選書
対話形式で読みやすい本です。
世の中や世界に対して前向きな気持ちにさせてくれます。
「善」というものは、魅力的なものであり、欲求されうるものである。
絵画にしろ音楽にしろ花にしろ「心を共感で揺すぶるもの」が善である。
世界はそのような善で満ちている。
いま自分に見えているのが、この世界のすべてではない。
この世界のうちには、まだ自分にはみえていない様々な善が存在している。
世界というのはまさに「探索されるのを待っている可能性の宝庫」であるとみるのが、この本が語る肯定の哲学の真髄ということだと思います。
全知全能の神が創った世界だから、世界も人間も本質的には善であるという楽天主義が根底にあるように思います。
まさに自分も他者も世界も肯定する哲学だと感じました。
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アメジスト
読書しました。
聖トマス・アクィナス
G・K・チェスタトン 著
生地竹郎 訳
ちくま学芸文庫
基礎知識なしでは難解な内容ですが、巻末の山本芳久氏による解説が理解する上で、とても助けになります。
チェスタトンの著作は初めて読むのですが、独特の諧謔の効いた文章は、初見の人間には、読みにくい持って回った感じを受けてしまいます。
ただ、トマス哲学の本質とはなにかについては解説で明快にまとめられています。
人間はこの世界と手応えのある仕方で生き生きと触れ合うことができる存在である。
人間は、自らとは何の関係もない荒涼とした世界の中に意味もなく投げ出されているのではなく、自らと響き合うことのできるこの世界との触れ合いのなかで、自らの人生を確かな手応えを伴いながら形成していくことができる。
これがトマス哲学の真髄だそうです。
キリスト教神学をアリストテレス的なものにすることによってこそ、よりキリスト教的なものにすることが出来たというのが、トマス哲学に対するチェスタトンの基本姿勢ですが、それがどういうことかについても、解説にまとめられています。
人間は「理性」によってこの世界と触れ合い、理解を深めながら、自らの意志に基づいて行為しつつ、様々な他者との、そして創造者である神との関係を構築しながら、生きていく。
アリストテレスは、そのような自然的な次元について理性による徹底的な探求を行なった哲学者である。
アリストテレスに依拠するとは、単に異教世界の発送に依拠するということではなく、人間にとって普遍的な理性に依拠することである。
トマス哲学とは人間を肯定する哲学と言えるものだそうです。
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トマス・アクィナス著
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