「スパズール」とは何か。吾輩はヤフオクで落札した、戦後まもない時期の料理本を読んでいる途中、衝撃的な料理名を発見した。『スパズール』である。スパズール。スパゲッティでもなければ、スープでもない。説明文にはこうある。「これは言うならば、イタリヤのすいとんやそばがきの一種です。」……情報量が多すぎる。玉子と小麦粉を練り、ザルの目から押し出して茹で、トマトソースをかける。どこかで見た作り方だと思った。そう、Spätzle(シュペッツレ)である。※Spätzleはドイツ〜アルザス辺りの押し出し式玉子パスタ。肉料理の付け合わせなどによく使われる。綴りのSpätzleを当時の日本人がローマ字的に処理すれば、「スパズル」又は「スパズール」になる。なるほど、そう来たか。元ネタは Spätzle mit Tomatensoße(シュペッツレのトマトソース)で間違いない。パスタが不足していた時代、日本の台所が再発明した“パスタ”である。#スパズール #Spätzle