1ヶ月ほど前、書店の棚で文庫版の装丁に目を奪われ、いわゆる「ジャケ買い」をした。スティーヴン・ミルハウザーの『エドウィン・マルハウス』。かつて単行本で読み耽った一冊だが、今の自分には、この不穏で美しい佇まいがどうしても必要だったのかも。最近、どうも疲れ気味だった。そんな時、人は癒やしを求めがちだけれど、私はなぜか「狂気」を欲していたんだと思う。11歳の少年が遊びの延長で世界を解体し、自らの生涯を完璧な「芸術作品」へと仕立て上げていく執念。そして、それを偏執的に記録する親友の眼差し。大人の常識や効率が一切通用しない、子供だけの濃密で残酷な宇宙。癒やしでは到底届かない心の深い場所に、この異常なまでの熱量が突き刺さる。まさに、疲れを「狂気」で上書きするような、大人の読書体験。#エドウィンマルハウス#スティーヴンミルハウザー#ジャケ買い#狂気という癒やし