#アニメ #雲のように風のように #映画 #スタジオぴえろ #Gravity映画部1990年放送『雲のように風のように』スタジオぴえろ制作のテレビアニメだが、キャラクターデザインが近藤勝也氏であり『魔女の宅急便』など手がけているため、スタジオジブリを思わせる絵柄である。酒見賢一『後宮小説』を原作とする。先帝が崩御した素幹国では権力争いが激化、新皇帝の即位を急ぐ一派によって宮女狩りが行われる中、ヒロインの銀河は安易に応募。旅を経て辿り着いた後宮で双槐樹や同部屋の世沙明、江葉、玉遥樹らと出逢う。皇帝の妃となるため“女大学”で知識や教養を学ぶが皇太后は新皇帝の失脚を狙い、内乱は激化しまさに内憂外患の様相にあった。今でもコアなファンがいる隠れた名作。原作小説のやや過激な設定をマイルドにしかし原作の良さも残した良質な映像化。70分ほどのコンパクトな尺で濃密な人間ドラマが終わってテンポよく描かれている反乱軍の主謀者の1人の声が素晴らしいと思ったらジョン・ウェインの吹替で有名な小林昭二。渋みと軽妙さを兼ね備えた声だまた溌剌としたヒロインの声もピッタリで役に合っており演技も申し分ないと思えば武豊の奥様である佐野量子さん!(驚)アイドルとは思えない実力を感じた。三井不動産の周年事業の一環だったらしく通常のスペシャルアニメとは一線を画す丁寧な作りでオンエア時はCMなしの放送だったらしい。今大人が見ても満足いく出来なのだから、画期的だったことだろう王済美に関して描写が丸ごとカットされたことは作者も残念だったらしく、小説の後書きでボヤいている。ラストは余韻を残す切ない展開で子供向けアニメとは思えない情緒を感じる。ブルーレイなども発売されているようだがぜひ配信サービスの対象にしてほしい。(時々違法にアップロードされたものを 見かけることがある)