#今日の1枚 #GRAVITY写真部 #写真好きな人と繋がりたい #野鳥 #コサメビタキ 夏の空はまぶしいほどに晴れていて、芝生の上に落ちる影さえも濃かった。空気はすでに熱を帯びていて、風が吹いても涼しさはほとんどない。ここは木々に囲まれた広い芝生と、奥に大きな池をたたえる公園。水面は静かで、波紋ひとつない。いつもなら聞こえてくるはずの水鳥たちの声も、今日はない。池の縁にはただ陽光が跳ね返っているだけだった。人影は少なく、公園全体が静けさに包まれていた。バードウォッチャーは、私を含めて3組。お互い距離をとりつつも、どこかで同じものを探している。そんな中、低く茂った木の枝の先に、小さな動きがあった。スズメが2羽、芝の上を弾むように跳ね、ふいに飛び立つ。続けて、メジロが葉の奥で「チィ」と短く鳴き、緑に紛れる。鳥たちの声が少しずつ耳に馴染んでいく頃、ふと見上げた枝先に、それはいた。――コサメビタキの幼鳥だった。成鳥よりも丸く、やや褐色がかった体。縦斑が浮かび、羽の縁は柔らかく、まだ頼りなさが残っている。丸い目がくりくりと大きくて、どこか不安げなようにも見えた。誰も声を出さなかった。バードウォッチャーはシャッターを押しまくる!ただその姿を、誰もが息を殺して見守っていた。周囲ではスズメがまだ草の中を跳ね、メジロの影が木の奥を横切っていた。それでも、その幼鳥の静かな存在が、すべての音を遠くに押しやっていた。やがて、コサメビタキはひと跳ねして、奥の枝へ。そしてそのまま、葉の陰に紛れて姿が見えなくなった。池の水は変わらず静かで、水鳥たちの声もないままだった。けれど、あの一羽の幼鳥の羽音が、今日という日に確かな意味をくれたように思えた。