展覧会「オルセー美術館所蔵 印象派―室内をめぐる物語」国立西洋美術館印象派と言えば、うつろう自然の一瞬を切り取り、その印象をキャンバスに表現することで有名。ただ今回は「室内の人物」をテーマした作品を軸に展示している。モチーフとなった人物から滲み出る感情や、家族の肖像画の中に漂う些細な緊張感。人の感情を見つめて、その一瞬を切り取った印象画はとても面白く、美しい。そして、写真では分からないが実際に絵を目の前にしてみると、どの作品にも一か所だけ精緻に描き込まれている部分がある。ルノワールの《ピアノを弾く少女たち》は、全てが柔らかなタッチで描かれているが、鍵盤の上に置いた右手だけが今にも音を発するかのように精緻に描かれている。エドガー・ドガの《家族の肖像》は、左端の長女の視線と右端の父親の耳だけが精緻に描かれている。画家が絵の具で描いたものを、自分の目で見る。そこに何かを挟むことで、少しづつ薄まってしまうものがあるのだろう。自分の目で見て、耳で聞いて、匂いを感じて、可能であれば触れてみる。当たり前だけど、大切なことだと思う。#オルセー美術館所蔵印象派#国立西洋美術館