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ポケカラ仲間募集中
南久里浜女子自転車部
―潮風にペダルを回して―
プロローグ「久里浜港の見える学校」
神奈川県横須賀市・久里浜。
久里浜港を目の前に望む高台に、創立八十年以上の伝統を持つ女子校――南久里浜女子高等学校がある。
春。
桜が舞う校門を、今年もたくさんの新入生がくぐっていく。
その中に、後に「南久里浜女子自転車部」の伝説を作ることになる五人の少女がいた。
山梨県南巨摩郡早川町から引っ越してきた少女。
地元・久里浜をこよなく愛する仲良し姉妹。
久里浜の老舗企業を営む家のお嬢様。
そして、海外から日本へやって来たロシア人少女。
最初は、お互い名前すら知らなかった。
そんな五人を結びつけることになるのが、廃部寸前だった一つの部活動だった。
――女子自転車部。
その物語は、一台の自転車との出会いから始まる。
⸻
第1話「部活が決まらない!」
入学式の日。
一年生の早川ひよりは、校庭の隅から久里浜港を眺めていた。
「海……近いなぁ」
早川町では山に囲まれた生活だった。
それだけに、目の前に広がる海が新鮮だった。
ところが、ひよりには一つ問題があった。
「部活、どうしよう……」
運動部を見てもピンとこない。
文化部を見ても決め手がない。
そんなとき、校内放送が流れる。
『新入生の皆さんへ。部活動見学は本日午後四時から――』
「どうしようかな……」
その頃、校長室では一人の女性が古い写真を眺めていた。
南久里浜女子高校校長――神崎千鶴。
写真に写っていたのは、数十年前の女子自転車部。
そして、その写真の端には若き日の千鶴の姿があった。
実は千鶴は、南久里浜女子自転車部の発足に関わった人物だった。
そして――
「今年、あの子が来るのね」
千鶴が微笑む。
彼女が待っていたのは、山梨から来たひより。
ひよりの母親と千鶴は姉妹。
つまり、千鶴はひよりの叔母だった。
⸻
第2話「元プロ選手の先生」
ひよりが校内を歩いていると、体育館の前で一人の女性教師とぶつかる。
「ご、ごめんなさい!」
「大丈夫よ。それより、自転車好き?」
「え?」
その先生の名前は水城玲奈。
保健体育教師。
しかし彼女には誰にも言っていない過去があった。
かつて女子競輪界で活躍した元プロ選手だったのだ。
「自転車ってね、面白いのよ」
玲奈は笑う。
「自分の力で、昨日まで行けなかった場所まで行けるから」
その言葉が、ひよりの心に残った。
一方、校内では別の二人が大騒ぎしていた。
「お姉ちゃん! 自転車部ってまだあるの?」
「あるらしいけど、部員ゼロだって」
地元久里浜生まれの姉妹、久里浜凪と久里浜渚。
姉の凪は明るく行動派。
妹の渚は冷静で頭脳派。
性格は正反対なのに、なぜかいつも一緒。
「入ろうよ!」
「まだ入るとは言ってない!」
そんな二人の前に、玲奈が現れる。
「だったら、見学してみる?」
⸻
第3話「白船商店街の自転車屋さん」
五人の運命が大きく動き始める。
玲奈に案内されたのは、南久里浜駅近くの白船商店街。
その一角にある、小さな自転車店。
店先には自転車が並び、隣では香ばしい匂いが漂っている。
「いらっしゃーい!」
店主は元気いっぱいの女性、白船美佐子。
実はここは自転車店であると同時に、名物の「しらすたこ焼き」を販売するお店でもあった。
「自転車見に来たの? それともたこ焼き?」
「両方!」
凪が即答する。
「食いしん坊……」
渚が呆れる。
店の奥から顔を出したのは、美佐子の二人の娘。
後に自転車部を支える重要な存在になる姉妹だった。
「この店、お母さんがずっと守ってきたんだよ」
美佐子は五人に古いロードバイクを見せる。
「昔の南久里浜女子自転車部の子たちも、ここに来てたのよ」
その瞬間、ひよりは一台の自転車に目を奪われる。
古いが、大切に整備されたロードバイク。
「乗ってみる?」
「私が……?」
ひよりは恐る恐るペダルに足を乗せる。
そして商店街を抜け、久里浜港へ。
潮風が吹く。
「わぁ……!」
ひよりの顔に笑顔が広がった。
⸻
第4話「五人目の少女」
そんな五人目として現れたのが、ロシアから転校してきたアナスタシア・イリーナ。
通称アナ。
銀色に近い淡い髪。
青い瞳。
日本語はかなり上手だが、性格は少々ツンツンしている。
「自転車部? 私は興味ありません」
そう言いながら、誰よりも自転車を見ている。
「めっちゃ興味あるじゃん!」
凪が笑う。
「ありません!」
「じゃあ、なんで自転車見てるの?」
「……デザインが気になっただけです!」
アナは顔を赤くする。
実は彼女の祖父が自転車好きで、幼い頃から自転車に親しんでいた。
日本に来た理由にも、自転車が関係していた。
⸻
第5話「お嬢様、ロードバイクに乗る」
四人目は、地元の老舗企業の令嬢――久遠寺麗華。
完璧なお嬢様。
姿勢も言葉遣いも上品。
「自転車ですか? 私が?」
ところが、実際にロードバイクへ乗ると――
「きゃあああああっ!」
坂道を猛スピードで下っていく。
「止まり方が分かりませんわーーー!」
「麗華ーーー!」
五人全員で追いかける。
商店街のおばちゃんたちも大爆笑。
「久遠寺のお嬢様が自転車で走ってる!」
その日、麗華は初めて知った。
家柄も財産も関係ない。
ただペダルを踏んだ分だけ前へ進む。
それが、とても気持ちいいことを。
⸻
第6話「五人、正式入部!」
部員五人。
顧問・玲奈。
そして校長・千鶴。
こうして南久里浜女子自転車部は正式に復活する。
しかし――
「問題があります」
渚が言う。
「大会に出るには、もっと練習が必要」
「じゃあ練習!」
凪が元気よく言う。
「どこで?」
「久里浜!」
「近すぎる!」
五人は久里浜から三浦半島を走る練習を始める。
海岸線。
丘。
港。
商店街。
坂道。
最初はバラバラだった五人。
しかし少しずつ、互いのペースを理解していく。
⸻
第7話「姉妹ゲンカと向かい風」
ある日、凪と渚が大ゲンカ。
「お姉ちゃんはいつも適当!」
「渚は細かすぎ!」
二人は別々に走り出してしまう。
ところが突然、強い向かい風。
ひより、麗華、アナが二人を追う。
「一人で走るより、みんなで走った方が楽しいよ!」
ひよりの言葉に、姉妹は立ち止まる。
凪が笑う。
「やっぱ五人で走ろうよ」
渚も小さく笑った。
「……うん」
⸻
第8話「叔母さんの秘密」
千鶴が昔の自転車部のアルバムを五人に見せる。
そこには、かつて全国大会を目指した少女たちの姿があった。
「この部は、一度なくなったの」
千鶴は語る。
それでも、自転車部を復活させたいと思っていた。
そして、ひよりに伝える。
「あなたのお母さんも、本当はこの学校で自転車部に入りたかったのよ」
「お母さんが……?」
ひよりは驚く。
母親は山梨へ戻ってからも、ずっと自転車を大切にしていた。
千鶴は言う。
「だから、あなたがここへ来たことを私は運命だと思っている」
⸻
第9話「三浦半島タイムトライアル」
初めての大きな大会。
五人は緊張する。
アナは強がる。
「べ、別に緊張なんてしてません!」
手が震えている。
「アナ、手震えてるよ」
「これは寒いだけです!」
凪が笑う。
スタート。
五人は必死にペダルを踏む。
順位は低かった。
でも、誰も悔しくなかった。
ゴールした五人は、久里浜の海を見ながら笑った。
「また挑戦しよう」
⸻
第10話「バラバラになるチーム」
大会後、五人に進路や家庭の問題が起きる。
麗華は家業を継ぐことを期待される。
アナには海外へ戻る可能性が出てくる。
ひよりも、山梨へ戻る話を聞かされる。
「このまま五人でいられるのかな……」
初めて、チームに亀裂が入る。
練習にも誰も来なくなる。
静まり返った部室。
玲奈は五人を責めなかった。
「自転車は、進みたい方向を自分で決める乗り物よ」
⸻
第11話「久里浜港、五人の約束」
夏の終わり。
久里浜港に五人が集まる。
「私、久里浜が好き」
凪が言う。
「私は、みんなと走る時間が好き」
渚が続く。
麗華も笑う。
「私も、この部を続けたいですわ」
アナは少し恥ずかしそうに、
「……私も、日本に残りたいです」
最後にひより。
「私、山梨のことも大好き。でも――」
海を見る。
「ここも、私の大切な場所になった」
五人は自転車を並べる。
「もう一度、走ろう!」
⸻
最終話「潮風にペダルを回して」
全国大会への出場をかけた最後のレース。
スタート。
五人は全力で走る。
坂道。
向かい風。
疲労。
それでも誰も止まらない。
最後の直線。
ひよりが振り返る。
「みんな!」
凪が叫ぶ。
「行こう!」
渚。
「五人で!」
麗華。
「ゴールまで!」
アナ。
「絶対に諦めないで!」
そして――
五人は横一列になってゴールを目指した。
結果は、優勝ではなかった。
しかし、五人は自己最高記録を更新した。
ゴール後、玲奈が涙をこらえながら笑う。
「よく走ったわね」
千鶴も拍手する。
「おかえりなさい。南久里浜女子自転車部へ」
夕暮れの久里浜港。
五台の自転車が並ぶ。
ひよりは海を眺めながら言った。
「ねえ、来年もここで走ろうよ」
凪が答える。
「当たり前じゃん!」
渚が続く。
「来年はもっと速くなる」
麗華は微笑む。
「その次の年もですわ」
アナは少し照れながら、
「……ずっと一緒に走ればいいじゃないですか」
五人は笑った。
潮風が吹く。
ペダルを踏む。
昨日より少し遠くへ。
今日よりもっと遠くへ。
南久里浜女子自転車部。
これは、久里浜の海とともに走り始めた五人の少女たちの、笑って、泣いて、また走り出す青春の物語。
――そして、彼女たちの本当の物語は、ここから始まる。


ポケカラ仲間募集中
2026年8月17日時点では、インドネシア東部の地震、コロンビアの大地震、日本の大雨、ハンガリーでのバス事故、ジンバブエの湖上事故など、多くの犠牲者が報じられています。
その他にも多くの人達の大切な人が亡くなってます。
全ての人に敬意を表して…捧げます
『忘れない――あの日、世界から消えた声』
序章 いつもの朝
朝は、昨日までと同じように始まっていた。
「いってきます」
「気をつけてね」
「また帰ってくるよ」
そんな何気ない言葉が、最後の言葉になるなんて、誰も思わなかった。
世界のどこかで地面が揺れ、
空から激しい雨が降り、
道路で事故が起こり、
海や湖が突然牙をむく。
ニュースには数字が並んだ。
何人が亡くなった。
何人が行方不明になった。
何人が避難した。
けれど、その一人ひとりにも――
名前があった。
好きな食べ物があった。
大切な人がいた。
帰りたい家があった。
明日やりたいことがあった。
---
第一章 空いた椅子
ある少女は、夕食のテーブルを見つめていた。
そこには、いつも一つの椅子があった。
父親の席。
事故が起こる前までは、そこに父親が座っていた。
「今日も疲れたな」
そう言いながら笑っていた。
けれど今は、誰も座らない。
母親が料理を並べる。
妹が箸を置く。
そして、三人とも一瞬だけ空いた椅子を見る。
「いただきます」
その声は、いつもより小さかった。
少女はある日、母親に尋ねた。
「お父さんのこと、忘れちゃったらどうしよう」
母親は少し考えてから答えた。
「忘れないよ」
「どうして?」
「だって、忘れようとしても、毎日の中にお父さんがいるもの」
父親が好きだった音楽。
父親が使っていたマグカップ。
父親が撮った家族写真。
父親が植えた小さな木。
亡くなった人は帰ってこない。
それでも、その人が残したものまで消えるわけではなかった。
---
第二章 揺れた大地
遠い国では、大地が大きく揺れた。
家を失った人々が避難所に集まり、
家族を探す人々が名前を呼び続けた。
一人の少年は、瓦礫の向こうにある家を見つめていた。
そこには、祖母との思い出が詰まっていた。
一緒に食べた朝食。
学校へ行く前にもらった言葉。
誕生日に作ってくれた料理。
もう、その声を聞くことはできない。
少年は泣きながら、小さな写真を握った。
写真の中では、祖母が笑っていた。
「ばあちゃん……」
返事はない。
それでも少年は写真に向かって話した。
「僕、ちゃんと生きるから」
それは約束だった。
亡くなった人にできることは、
過去へ戻ることではない。
その人から受け取った時間を、
これからも生きていくことだった。
---
第三章 雨の夜
日本でも、激しい雨が人々の日常を奪った。
道路が水に覆われ、
交通が止まり、
避難する人々が増えていった。
そして、帰らなかった人もいた。
ある女性は、スマートフォンに残された一枚の写真を見ていた。
写真には、雨が降る前の家族が写っている。
「今年も一緒に花火を見ようね」
その約束は叶わなかった。
女性は写真を消せなかった。
悲しいからではない。
そこに、大切な人が生きていた時間が残っているからだった。
窓の外では、雨が静かになっていた。
女性は小さく呟いた。
「今年の夏も、ちゃんと見せるね」
誰もいない部屋で、
彼女は一人で空を見上げた。
---
第四章 知らない誰か
事故や災害で亡くなった人の中には、
私たちが名前を知らない人もいる。
ニュースで一度だけ見た名前。
新聞に載った写真。
数字として伝えられた人数。
けれど、その人にも家族がいた。
友達がいた。
先生がいた。
職場の仲間がいた。
誰かにとっては、
世界でたった一人の大切な人だった。
だから少年は、学校の作文にこう書いた。
「ニュースで『一人が亡くなりました』と聞いたとき、その『一人』には人生があったんだと思いました。
その人には、昨日があって、
今日があって、
本当なら明日もあった。
だから僕は、知らない人でも忘れたくありません」
先生は何も言わず、
静かに作文を閉じた。
そして、
「大切なことを書いたね」
とだけ言った。
---
最終章 明日へ
年月が流れた。
空いた椅子は、そのままだった。
写真も残っていた。
小さな木は大きくなった。
少年は大人になった。
そして、災害から何年も経ったある日、
彼は子どもたちに話していた。
「昔、大きな災害があったんだ」
「怖かった?」
子どもが尋ねる。
彼は少し考えてから答えた。
「怖かったよ。でもね……」
空を見上げる。
「怖かったことだけを覚えているんじゃない」
「亡くなった人たちが、どんな毎日を生きていたのか。誰を大切にしていたのか。どんな夢を持っていたのか――そういうことも忘れたくないんだ」
風が吹いた。
木の葉が揺れる。
まるで遠い誰かが、
「ありがとう」
と言っているようだった。
もちろん、本当に声が聞こえたわけではない。
それでも彼は笑った。
人はいつか亡くなる。
事故や災害によって、
突然、大切な人を失うこともある。
残された人は、
その悲しみを完全に消すことはできない。
けれど――
悲しみを抱えながらでも、
朝を迎えることはできる。
思い出を抱えながらでも、
誰かに優しくすることはできる。
そして、
亡くなった人が生きた証を、
次の世代へ渡すことができる。
だから今日も世界のどこかで、
誰かが空を見上げる。
「あなたのことを忘れない」
そう心の中で呟きながら。
そして朝が来る。
悲しみを抱えたままでも、
新しい一日が始まる。
――それは、亡くなった人たちが残してくれた、
最後の贈り物なのかもしれない。

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『理想の彼女』
第1話「春風の出会い」
春の午後。
桜の花びらが舞う街角で、主人公の青年・蓮は、いつものように一人でカフェへ向かっていた。
恋愛には少し臆病で、「理想の彼女なんて、本当にいるのかな」と考えていた蓮。
そんなとき――
「すみません! そのハンカチ、落としましたよ」
振り返ると、そこには長い黒髪の女性が立っていた。
名前は陽菜(ひな)。
明るくて、優しくて、少し天然。
カフェ巡りと写真、料理が好きな大学生だった。
「ありがとうございます」
「いえいえ。……あっ、もしかして写真好きですか?」
陽菜は蓮が持っていたカメラに気づいて、嬉しそうに笑った。
そこから二人は、好きなカフェの話や、旅行の話、好きな音楽の話まで、いつの間にか夢中になって話していた。
⸻
第2話「一緒にいると落ち着く」
それから二人は、街で偶然会うたびに話をするようになった。
ある雨の日。
蓮がカフェで窓の外を眺めていると、陽菜がやってきた。
「お疲れさまです。今日はちょっと大変そうですね」
陽菜は温かい飲み物をテーブルに置いた。
「無理して笑わなくても大丈夫ですよ」
その言葉に、蓮は少し驚いた。
陽菜は何か特別なことをするわけではない。
ただ、相手の気持ちをちゃんと見てくれる。
それが彼女の一番の魅力だった。
⸻
第3話「理想って何だろう」
ある休日、二人は桜並木を歩いていた。
蓮がふと尋ねる。
「陽菜さんって、どんな人が理想なんですか?」
陽菜は少し考えてから笑った。
「一緒にいて無理しなくていい人かな」
「それだけ?」
「うん。それって、結構大事だと思うよ」
そして陽菜は続けた。
「楽しいときは一緒に笑って、困ったときは一緒に考える。そんな関係がいいな」
蓮はその言葉を聞きながら、少しだけ笑った。
理想の彼女というのは、完璧な人ではない。
一緒にいることで、お互いが自然体でいられる人なのかもしれない。
⸻
最終話「理想の彼女」
季節は巡り、桜の季節がまたやってきた。
同じ桜並木を歩く蓮と陽菜。
陽菜がカメラを見つけて笑う。
「また写真撮ってる!」
「うん。今の瞬間、残しておきたくて」
「じゃあ、私も撮ってあげる!」
二人は笑いながら写真を撮った。
特別な奇跡が起きたわけではない。
ただ、一緒に笑える。
困ったときには支え合える。
そして、何気ない一日を大切にできる。
蓮は思った。
「理想の彼女って、完璧な人じゃない。自分らしくいられる相手なんだ」
春風が吹く。
桜の花びらが二人の間をふわりと舞った。
陽菜が振り返る。
「ねえ、次はどこ行こうか?」
蓮は笑って答えた。
「次は、まだ行ったことのない場所へ」
二人は新しい道へ歩き出した。
――理想の彼女との物語は、ここから始まる。


ソラウタ
JELEEちゃん可愛い🩷
ずっと癒されてる🥰いつも有り難う🤭
#JELEE
#夜のクラゲは泳げない
#アニメ
#オリジナルアニメ
#ヨルクラ





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異世界転生はガラケーと共に
第1話「その携帯、異世界ではチートです」
2026年、神奈川県。
高校生の少年・朝倉レンは、祖父の家の物置で一台の古い携帯電話を見つけた。
それは、今ではほとんど見かけなくなった――ガラケー。
「うわ、懐かしい……これ、まだ動くのか?」
電源ボタンを押す。
――ピッ。
画面が点灯した。
しかし、そこに表示されたのは、普通の待ち受け画面ではなかった。
『異世界転送システムを起動しますか?』
「……は?」
レンが恐る恐る「YES」を押した瞬間。
携帯電話から眩い光が溢れ出した。
そして――。
レンは異世界の草原に立っていた。
「……ここ、どこだ?」
目の前には巨大な城。
空には二つの月。
そして、空を飛ぶドラゴン。
どう考えても日本ではない。
「まさか……異世界転生ってやつ?」
レンがガラケーを見る。
すると画面には、
《異世界通信》
という謎のメニューが追加されていた。
「なんだこれ?」
開いてみる。
すると――。
『現在地:アルカディア王国』
『電波:圏外』
「だよな……異世界だもんな」
ところが次の瞬間。
画面に新しい表示が出た。
『異世界専用アンテナを展開しました』
「電波、入った!?」
さらにメールが一通届く。
差出人は――
女神アルテナ
だった。
『異世界へようこそ、レンさん』
「女神からメール来た!?」
レンがメールを開くと、そこには驚きの内容が書かれていた。
この世界では魔王軍が勢力を拡大している。
そしてレンが持っているガラケーには、異世界の魔力を利用する特殊機能が搭載されているらしい。
その名も――
《ガラケー・システム》
電話。
メール。
カメラ。
電卓。
時計。
メモ。
そして、なぜか存在する――
赤外線通信。
「いや、赤外線通信って何に使うんだよ!」
レンが叫ぶ。
すると草むらから、一匹の小さなスライムが現れた。
「ぷるぷる!」
「……まさか」
レンが赤外線通信を起動する。
ピッ。
スライムの身体が光った。
《モンスター情報を受信しました》
画面に表示された。
『名称:ぷる』
『種族:スライム』
『性格:のんびり』
『特技:ぷるぷる』
「なんだこれ……図鑑になってるじゃん!」
スライムの「ぷる」はレンの肩に飛び乗った。
「ぷる!」
「お前、仲間になるのか?」
「ぷるぷる!」
こうしてレンは、異世界で最初の仲間を手に入れた。
しかし――。
本当の問題は、その夜に起きた。
レンがガラケーのカメラを使って夜空を撮影すると、
画面に見覚えのない文字が浮かび上がった。
《未来予測機能を発見しました》
「未来予測……?」
画面に映し出されたのは――
三日後のアルカディア王国。
炎に包まれる城。
逃げ惑う人々。
そして、その中央に立つ黒い鎧の男。
魔王軍幹部・ゼルガ。
レンは携帯電話を握りしめた。
「……この未来、変えられるのか?」
その瞬間。
ガラケーが鳴った。
――着信音。
異世界で初めて聞く、懐かしい電子音。
画面に表示された名前は――
『???』
レンは電話に出る。
「もしもし?」
返事はなかった。
ただ、かすかな少女の声だけが聞こえた。
『……助けて』
そして電話は切れた。
レンは立ち上がる。
「……行くぞ、ぷる」
「ぷる!」
こうして――
スマホではなく。
最新兵器でもなく。
一台の古いガラケーを武器にした少年の異世界冒険が始まった。
次の目的地は――
アルカディア王国。
そしてレンはまだ知らない。
そのガラケーが、
この世界を救うために神々が作った最後の神器
だということを。

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ポケカラ仲間募集中
『引きこもり義姉と天然義妹と、八方美人な義母』
登場人物
* 主人公・春斗(はると)
高校生。父親が一年間行方不明になり、義母・義姉・義妹と4人で暮らしている。
家族のまとめ役……のつもりだが、毎日振り回されている。
* 義姉・美月(みづき)
20歳。筋金入りの引きこもりオタク。
部屋ではジャージに眼鏡、ぼさぼさの髪でゲームやアニメ三昧。
ところが、髪を整えて服装をきちんとすると、街中で振り返られるほどの美人。
本人は「外に出るとか無理……人間怖い……」と言っている。
* 義妹・ひまり
中学生。明るく天然で、ちょっとおバカ。
春斗のことを「お兄ちゃん!」と慕っていて、兄妹として大好き。
春斗が女友達と話していると、
「お兄ちゃんは今、私と話してるの!」
と割り込んでくる。
* 義母・千尋(ちひろ)
清楚可憐で優しく、誰にでも好印象を与える八方美人。
家族の面倒を見るのが大好きで、春斗にも何かと世話を焼く。
「今日は疲れたでしょう?」と食事を用意したり、肩を揉んでくれたりする、家族のお母さん的存在。
ただし、実は何か秘密を抱えている。
⸻
プロローグ
「父さんが消えて一年」
父親が突然失踪してから、一年。
警察にも届けた。
知人にも連絡した。
けれど、父親は見つからなかった。
そして現在。
春斗が朝食を作っていると――。
「お兄ちゃ~~ん!」
ドタドタドタ!
ひまりが階段を駆け下りてきた。
「おはよう、ひまり。走るなって――」
「お兄ちゃん、今日一緒に学校行こう!」
「いや、途中までなら――」
「決定!」
「人の話を聞け!」
その後ろから、千尋が優雅に現れる。
「まあまあ。朝から元気ね、ひまりちゃん」
「お母さん、お兄ちゃんは私がもらった!」
「もらわれてない!」
そんな騒ぎを聞きつけて――
三階から声がした。
「……うるさい……」
「美月姉ちゃん、起きてたのか」
「起きてる。ゲームしてる」
「朝から?」
「昨日の夜から」
「寝ろよ!」
すると美月が階段の上から顔を出した。
眼鏡。
寝癖。
大きすぎるパーカー。
そして手にはゲーム機。
完全に引きこもりオタ女子である。
ところが――。
「美月さん、今日は町内会のお手伝いがありますよ」
千尋が言った瞬間。
「……外?」
「ええ」
「…………」
「どうしました?」
「私、死んだことにして」
「生きてますよ」
春斗はため息をついた。
「姉ちゃん、いい加減外に出ろよ」
「嫌」
「即答かよ」
⸻
第1話
「引きこもり義姉、覚醒する」
その日の午後。
町内会のイベントに人手が足りず、春斗たちは手伝うことになった。
もちろん美月は――。
「絶対に行かない」
「姉ちゃん」
「絶対に」
「……千尋さん」
「はい?」
「姉ちゃんをお願いします」
千尋は笑顔で美月の部屋へ向かった。
数分後。
「美月さん、少しだけでも外へ出てみませんか?」
「……でも」
「みんな待っていますよ」
「…………」
「それに――」
千尋が何かを耳元で囁く。
「限定グッズが売っているそうですよ」
「行きます」
「チョロすぎる!」
そして――。
美月が着替えて現れた。
眼鏡を外し、髪を整え、普通の服に着替えただけ。
それなのに。
「…………」
春斗が固まった。
ひまりも固まった。
「え?」
「姉ちゃん……?」
「何?」
「……誰?」
「私だけど?」
町内会の人々まで振り返る。
「えっ、あの美人さん誰?」
「美月さんよ」
「えええええ!?」
本人だけが状況を理解していない。
「……早く行こう。限定グッズ売り切れる」
「そこなのかよ!」
⸻
第2話
「お兄ちゃんに近づく女の子は許しません!」
イベント会場で、春斗は同級生の女の子と話していた。
「春斗くん、これ運ぶの手伝ってくれる?」
「いいよ」
その瞬間――。
「お兄ちゃん!」
ひまりが割り込んできた。
「こっち手伝って!」
「今ちょっと――」
「お兄ちゃんは妹のお手伝いをするの!」
「はいはい」
すると今度は美月。
「春斗」
「今度は姉ちゃん?」
「私も手伝って」
「姉ちゃんまで?」
さらに千尋。
「二人とも、春斗くんを困らせちゃ駄目ですよ」
「お母さんもこっち!」
「え?」
気がつけば春斗は、義姉・義妹・義母に囲まれていた。
同級生は苦笑する。
「春斗くん……大家族って大変だね」
「……俺もそう思う」
⸻
そして物語は少しずつ動き始める
そんな賑やかな日々の中。
ある夜、千尋のもとに一通の手紙が届く。
差出人は――。
一年間行方不明になっている春斗の父親。
『家族にはまだ話さないでくれ。
だが、近いうちに必ず帰る』
千尋は手紙を握りしめる。
「……あなた……」
一方その頃。
美月のパソコンにも、謎のメールが届いていた。
件名は――
『お父さんを探しているなら、このデータを開いてください』
「…………」
いつもの引きこもりモードだった美月の表情が変わる。
「……お父さん?」
そしてひまりは何も知らずに春斗の部屋へ。
「お兄ちゃーん! 明日休みだから一緒にゲームしよ!」
「いいけど、姉ちゃんも誘おう」
「えー、お姉ちゃんはずっと部屋にいるじゃん」
「それが姉ちゃんの仕事だからな」
「仕事じゃないよ!」
こうして――。
引きこもり義姉。
天然な義妹。
優しい義母。
そして、父親の失踪。
一見すると普通のドタバタ家族。
しかし、その家には一年間隠されていた秘密があった。
そして美月は、父親を探すために――。
人生で初めて、自分から外の世界へ踏み出すことになる。

ポケカラ仲間募集中
『モブガーディアン』
第4話「俺が言った“七人の影の幹部”、本当に集まってしまった」
モブガーディアンの拠点――《影の聖域》。
俺は完成した組織章を眺めながら、満足していた。
黒い翼。
中央に浮かぶ月。
そして刻まれた言葉。
『名もなき者たちの未来を守る』
「……いい」
俺は腕を組む。
「これぞ、影の組織」
後ろでは、仲間たちが訓練をしている。
救済対象No.001。
No.002。
No.003。
今では三人とも、立派なモブガーディアンの一員だ。
俺はふと思った。
「……でも、組織としては幹部が必要だな」
「幹部?」
三人が振り返る。
俺は完全に思いつきで言った。
「そうだ。七人の影の幹部だ」
「七人……!」
三人の目が輝く。
「各部門を統括する、伝説の七人……」
「そういう感じだ」
俺は適当に頷いた。
そして、いつものように中二病モードへ入る。
「彼女たちは表舞台には決して姿を現さない」
「世界の歴史にも、その名を残さない」
「ただ影の中から、すべてを見守る――」
俺は決めポーズ。
「七影衆だ!」
沈黙。
「…………」
「…………」
俺は少し恥ずかしくなった。
「まあ……冗談だけどな」
すると。
「隊長」
No.001が立ち上がった。
「探しましょう」
「え?」
「七人の候補者を」
「いや、冗談――」
「世界中から、隊長が求める七人を!」
「ちょっと待て!」
もう遅かった。
---
第一の影
「蒼月の探索者」
最初に見つかったのは、各地の情報を集めていた少女。
彼女は地図を眺めながら言った。
「あなたが……モブガーディアンの隊長?」
「そうだ」
「そして七人の影を探している?」
「……まあ」
俺はまた格好つけてしまう。
「君には、月明かりすら届かない場所を歩く覚悟があるか?」
本当は、
「危険な仕事だけど大丈夫?」
という意味だった。
少女は静かに頷いた。
「理解しました」
「え?」
「私が第一の影になります」
「…………」
まただ。
完全に俺の発言を本気で受け取っている。
俺は心の中で思った。
――みんな、本当に俺に合わせてくれてるんだな。
---
第二の影
「紅蓮の守護者」
二人目は、村人たちを守っていた少女だった。
俺は彼女を見て言った。
「力とは、誰かを傷つけるためにあるのではない」
「……!」
「守るために使うものだ」
すると彼女は目を輝かせる。
「私を第二の影にしてください!」
こうして彼女は、戦闘部門の候補になる。
---
第三の影
「白銀の治癒者」
三人目は、旅人たちを助けていた少女。
「あなたは戦えるのか?」
「戦いは苦手です」
「ならば――それでいい」
俺は言った。
「戦えない者を守る力も、立派な強さだ」
少女は微笑んだ。
「では、私は救護の影になります」
「……そうだ」
俺は頷く。
心の中では、
いい子だなぁ。
くらいに思っていた。
しかし仲間たちは違った。
「隊長は、戦闘能力だけで人を判断していない……」
「だからこそ、あの方は偉大なのです」
俺は知らない。
また評価が上がっていた。
---
第四の影
「黒猫の情報屋」
四人目は情報収集の達人。
俺は彼女に言った。
「真実は、光の下にあるとは限らない」
「……」
「時には闇の中にこそ、真実が眠っている」
「なるほど」
彼女は即答した。
「情報部門を任せてください」
「頼んだ」
こうして第四の影が決まった。
---
第五の影
「金糸の外交官」
五人目は、異なる町や国の人々を繋いでいた少女。
俺は、
「敵を倒すだけでは、世界は救えない」
と言った。
「人と人を繋ぐ者が必要だ」
彼女は微笑む。
「それが第五の影ですね」
「……そうだ」
本当は、
「仲良くするのも大切だよ」
くらいの気持ちだった。
しかし彼女は本気だった。
---
第六の影
「翠風の教育者」
六人目は、子供たちに魔法や読み書きを教えている少女。
俺は彼女に言った。
「救われた者が、いつまでも誰かに守られるだけではいけない」
「……!」
「自ら立ち上がり、次の誰かを守れる人間になってこそ、本当の救済だ」
彼女は深く頷いた。
「ならば私は、未来を育てます」
こうして教育部門が誕生した。
俺は思った。
なんか……本当に立派な組織になってきたな。
---
第七の影
「最後の一人」
そして最後。
七人目だけが見つからなかった。
俺は少し困った。
「七人と言ったのは俺だしな……」
仲間たちが探し続ける。
しかし候補者は現れない。
その時――。
影の聖域に、一人の少女が訪れた。
彼女は救済対象ではなかった。
「あなたは?」
俺が尋ねると、少女は答えた。
「私は……あなたたちに救われた人たちを、ずっと見ていました」
「……」
「最初は一人だったのに」
「今ではたくさんの人が笑っています」
少女は組織章を見る。
「だから私も、この組織を守りたい」
俺は少し考えた。
そして笑った。
「なら、君が七人目だ」
少女は驚く。
「私でいいんですか?」
「ああ」
俺は組織章を指差す。
「モブガーディアンに必要なのは、特別な血筋でも、伝説の武器でもない」
「誰かを守りたいと思う心だ」
少女は涙ぐみながら笑った。
「……はい!」
こうして――。
七影衆が完成した。
---
「俺の妄想が、現実になった」
七人が俺の前に並ぶ。
第一影・蒼月。
第二影・紅蓮。
第三影・白銀。
第四影・黒猫。
第五影・金糸。
第六影・翠風。
第七影・星影。
俺はその姿を見つめた。
「……すごいな」
七人が一斉に頭を下げる。
「我ら七影、これよりモブガーディアンのために尽くします」
俺は思った。
俺が適当に考えた設定に、みんながここまで付き合ってくれている。
だから俺も、格好よく返さなければ。
「ならば聞け!」
七人が顔を上げる。
「我々の敵は、ネメシスだけではない!」
「……!」
「世界には、まだ救われていない者たちがいる!」
「はい!」
「我々はそのすべてを探し出す!」
七影が一斉に答える。
「了解!」
俺は拳を握る。
「これより――」
「モブガーディアン救済計画・第二段階を開始する!」
---
しかし、その直後。
情報部門の黒猫が、一枚の資料を持って走ってきた。
「隊長!」
「どうした?」
「ネメシスの本拠地が判明しました」
「……何?」
資料を受け取る。
そこには、巨大な地図。
複数の世界を繋ぐ巨大な施設。
そして、その中心にある黒い城。
「奴らは……」
黒猫が答える。
「救済対象となる人々の運命を監視し、事件が起きるよう裏から介入していたようです」
俺は静かに笑う。
「……なるほど」
七影が緊張する。
俺はいつもの中二病モードに入った。
「とうとう、闇の根が姿を現したか」
「隊長……!」
「ならば――」
俺は黒い組織章を手に取る。
「こちらも、影を動かす時だ」
七影が立ち上がる。
「作戦名を!」
俺は少し考えた。
「……『七影夜襲作戦』」
「了解しました!」
俺は満足げに頷いた。
しかし心の中では――。
(なんかカッコいい名前をつけたけど、具体的に何するんだろう……)
七影たちはすでに作戦会議を開始していた。
「敵施設への潜入班を編成します!」
「救済対象の保護班も必要です!」
「世界間移動のルートを確保!」
「各支部に連絡!」
「…………」
俺は思った。
やっぱり、みんな俺に合わせてくれてるんだな。
だが――。
七影たちは全員、本気だった。
そしてネメシスもまた、
モブガーディアンの存在を脅威として認識し始めていた。
次の戦いは、これまでとは違う。
救済するだけではない。
誰かの未来を奪おうとする組織そのものと戦う。
こうして――。
七人の影を得たモブガーディアンは、
ついに世界の闇へ向けて動き始める。
次回
第5話
「俺が『敵の本拠地に潜入する』と言ったら、七影が世界規模の潜入作戦を立て始めた」
そして俺はまだ知らない。
ネメシスの幹部たちが、
「黒影のカズヤ」
という俺の中二病ネームを、恐ろしい伝説の人物だと思い込んでいることを――。

ポケカラ仲間募集中
『モブガーディアン』
第3話
「俺が適当に言った秘密基地、なぜか国家機密級になっていた」
俺は、モブである。
……正確には、
モブの実力者を目指している男である。
そして俺には、現在――仲間が二人いる。
救済対象No.001。
そして救済対象No.002。
二人とも、俺のことを「隊長」と呼んでいる。
問題は――。
俺が中二病っぽく発した言葉を、二人とも本気で信じていることだ。
---
「秘密基地が欲しい」
ある日の朝。
俺たちは街の宿屋で朝食を食べていた。
俺はパンをかじりながら、ふと思った。
「……やはり、秘密基地が必要だな」
「秘密基地……?」
仲間たちの目が輝いた。
俺は少し調子に乗る。
「そうだ」
「我々は影の組織だ」
「いつまでも普通の宿屋を拠点にしているわけにはいかない」
ここまでは普通だった。
だが俺は、さらに中二病を発動させた。
「地下深くに眠る古代遺跡を改造し、誰にも存在を知られない漆黒の要塞を築く」
「…………!」
二人が絶句する。
俺は心の中で思った。
ちょっと言い過ぎたかな。
ところが――。
「了解しました」
「え?」
「秘密基地建設計画を開始します」
「いや、待って」
「場所は?」
「え?」
「地下遺跡の候補地を探します」
「いやいやいや!」
俺は慌てた。
「今のは、その……」
しかし仲間たちは真剣だった。
「隊長は、我々に『秘密基地を作れ』と命令されたんですよね?」
「……まあ」
「ならば、必ず完成させます!」
俺は感動した。
みんな、俺の中二病に付き合ってくれている。
---
「そして三日後」
俺は街の外へ連れていかれた。
「ここです!」
そこには――。
巨大な地下空間があった。
「…………」
俺は無言になる。
地下には巨大な広間。
壁には魔法陣。
武器庫。
訓練場。
食堂。
医務室。
資料室。
そして中央には巨大な黒い結晶。
「これ……どうした?」
「近くの古代遺跡を発見しました」
「……」
「隊長がおっしゃった『漆黒の要塞』という言葉から、ここが最適だと判断しました」
俺は頭を抱える。
俺、冗談で言ったんだけど。
しかし仲間たちは誇らしげだ。
「どうでしょう?」
「……最高だ」
「ありがとうございます!」
俺は思った。
やっぱり――。
みんな俺に合わせてくれている。
---
「秘密基地の名前」
基地の名前を決めることになった。
「隊長、名前を」
「俺が?」
「はい」
俺は少し考えた。
そして――。
「……『影の聖域』」
またしても適当だった。
ところが。
「『影の聖域』……」
仲間たちは感動していた。
「素晴らしい名前です!」
「ここを、すべてのモブを守る聖域にしましょう!」
「…………」
俺は思った。
なんて優しい奴らなんだ。
---
「第三の仲間」
その日の夜。
《世界観測システム》が反応した。
«【救済対象No.003を確認】
【危険度:B】
【現在地:魔法都市アストリア】
【運命:三日後、ネメシスによる事件に巻き込まれる】»
「次の子か……」
俺は地図を見る。
「行こう」
仲間たちも頷く。
しかし――。
「隊長」
「なんだ?」
「今回の作戦名は?」
俺は少し考えた。
「……『月影作戦』」
「了解!」
「月影作戦、発動!」
「救済対象No.003を保護!」
「ネメシスの活動も同時に調査します!」
俺は思った。
また俺の一言が作戦名になった。
---
「魔法都市アストリア」
街へ到着すると、俺たちはすぐに少女を発見した。
彼女は魔法学院の裏門で、一人で本を読んでいた。
周囲には誰もいない。
俺は彼女を見て呟いた。
「……孤独な月か」
仲間が真剣な顔になる。
「隊長……」
「なんだ?」
「彼女は、誰にも相談できない秘密を抱えているのでは?」
「…………」
俺は適当に言っただけだった。
しかし――。
仲間はすでに調査を開始していた。
「学院の記録を調べます!」
「彼女の周辺人物も確認します!」
「ネメシスとの関係がないか調査します!」
「…………」
俺は思った。
すごいな、こいつら。
---
「少女との会話」
俺は少女に近づいた。
「君」
「……私?」
「そうだ」
俺は少し格好つける。
「月は、一人で夜空に浮かんでいるように見える」
少女が首を傾げる。
「でも――」
俺は笑った。
「本当は、星たちに囲まれている」
少女は黙って俺を見る。
「……どういう意味ですか?」
「仲間がいるってことだ」
俺は普通に答えた。
少女の表情が少し変わる。
「私にも……仲間ができますか?」
「ああ」
俺は手を差し出した。
「望むなら」
少女はその手を見る。
そして――。
「お願いします」
三人目の仲間が誕生した。
---
「ところが事件発生」
その直後。
街の鐘が鳴り響いた。
「緊急警報!」
「ネメシスの襲撃です!」
俺は驚いた。
「本当に来たのか……」
仲間たちが俺を見る。
「隊長」
「なんだ?」
「やはり、すべて予測していたのですね」
「……ああ」
俺は必死に格好をつける。
「敵が動くことくらい、最初から分かっていた」
実際には――。
何も分かっていない。
だが仲間たちは完全に信じていた。
「さすが隊長!」
「ならば、我々はどう動けば?」
俺は考える。
「……影に潜み、敵の目的を探れ」
「了解!」
三人が散開する。
「俺は正面から行く」
「危険では?」
「心配するな」
俺はマントを翻した。
「俺には――」
少し間を置く。
「影の加護がある」
本当は、
「たぶん何とかなる」
という意味だった。
---
「戦いの後」
事件は無事に解決した。
しかも、捕らえた敵から驚くべき情報が判明した。
ネメシスは、この街だけではなく――
複数の世界に拠点を持っていた。
さらに彼らは、救済対象となっているモブ女性たちを調査している。
「……なるほど」
俺は腕を組む。
「ついに奴らも、我々の存在を意識し始めたか」
仲間たちは息を呑む。
「つまり……」
「そうだ」
俺は何も考えずに言った。
「これはまだ序章に過ぎない」
仲間たちの目が変わる。
「では……」
「次は?」
俺は地図を見ながら――。
「世界の裏側へ行く」
「了解しました!」
「全世界の救済対象を調査します!」
「ネメシスの本拠地も探します!」
「影の聖域を各世界へ拡張しましょう!」
「…………」
俺は静かに微笑む。
みんな、また話を大きくしてくれている。
俺は本当に幸せだった。
「ありがとう」
「隊長?」
「いや……なんでもない」
俺は空を見上げる。
前世では、一人だった。
でも今は違う。
俺には仲間がいる。
俺のくだらない中二病に付き合ってくれる仲間が。
だから――。
「これからも頼む」
「はい!」
その夜。
モブガーディアンの正式な組織章が完成した。
中央には黒い翼。
その奥には月。
そして下には――。
《名もなき者たちの未来を守る》
という言葉。
俺はそれを見て笑った。
「……なんだか、本当に組織らしくなってきたな」
しかし俺は知らなかった。
その組織章を見たネメシス側が――。
「黒翼……!」
「まさか……伝説の《影の守護者》が復活したのか……?」
「全幹部に通達しろ!」
「最優先警戒対象――」
「モブガーディアンを調査せよ!」
と、大混乱していることを。
さらに俺の知らないところで、
「隊長が『世界の裏側へ行く』と言った」
「ならば次の目的地は――」
仲間たちは世界地図を広げた。
そして赤い印を三十七か所につける。
「全世界救済作戦を開始しましょう」
こうして俺の何気ない一言は――
世界規模の作戦へと変貌していく。
俺はそんなことも知らず、
「次はどんな中二病発言をしようかな」
と、真剣に考えていた。
---
次回
第4話
「俺が『七人の影の幹部』と言ったら、仲間たちが本当に七人の幹部を探し始めた」
俺の頭の中だけに存在するはずだった「七人の影の幹部」。
しかし翌日――。
本当に七人の候補者が集まってしまう。
そして俺は彼女たちを見て思う。
「……みんな、俺の妄想に合わせてくれてるんだな」
――実は、七人とも本気だった。

ポケカラ仲間募集中
『転生したら10人全員が中二病だった件 ~我ら、闇より生まれし乙女たち~』
プロローグ 十人の少女と、黒歴史の終焉
「――この世界は、私の封印を恐れている」
放課後の教室で、少女・黒瀬ユナは窓の外を見つめながらそうつぶやいた。
「ユナちゃん、また始まったよ」
隣の席では、眼帯をつけた少女が腕を組んでいる。
「フッ……貴様らには理解できまい。この右目に宿る《終焉の魔眼》の恐ろしさを」
「それ昨日、保健室の先生に『ただのものもらいじゃない?』って言われてたよね?」
「黙れ! 真実を知る者は、いつだって孤独なのだ!」
そんな彼女たちは、学校でも有名な十人組だった。
自称・闇の王。
自称・堕天使。
自称・未来から来た改造人間。
自称・魔法少女。
自称・魔王の娘。
自称・前世で千回世界を救った勇者。
――そして全員、普通の女子高生だった。
その日までは。
⸻
第一章 転生したら、本当に能力が使えた
突然、世界が真っ白になった。
「……え?」
次の瞬間、十人の少女たちは不思議な空間に立っていた。
目の前には、白い服を着た女神らしき人物がいる。
「皆さん、突然ですが異世界へ転生してもらいます」
十人は静かになった。
女神は続ける。
「それぞれに特別な能力も――」
「「「「「「「「「「キターーーーーー!!!」」」」」」」」」」
女神は耳を押さえた。
「ちょっと待ってください! 普通、もっと驚くところでは!?」
「フッ……ついに運命の歯車が動き始めたか」
ユナがマントもないのにマントを翻した。
「私の《漆黒の魂》が、この日を予言していた!」
「いや、昨日まで『数学のテストが終焉を迎えた』とか言ってたじゃん」
「細かいことは気にするな!」
女神はため息をついた。
「……と、とにかく! 皆さんには能力があります!」
すると十人の身体が光り始めた。
炎を操る者。
雷を呼ぶ者。
動物と話せる者。
未来を少しだけ見る者。
空を飛べる者。
そして――。
「我が能力は……《究極の漆黒魔法》!」
ユナが叫ぶ。
しかし、何も起きない。
「…………」
「ユナ?」
「…………あれ?」
女神が申し訳なさそうに説明した。
「あ、それは……能力名じゃなくて、ただの『掃除がちょっと得意』ですね」
「異世界に来てまで地味能力!?」
こうして、最強なのか最弱なのか分からない十人の転生生活が始まった。
⸻
第二章 十人の中二病乙女、異世界へ!
十人の少女たちは、それぞれ勝手に二つ名を名乗った。
🖤 黒瀬ユナ
《漆黒の支配者・ダークネスエンプレス》
実際の能力:掃除が得意。
🔥 紅城アカネ
《紅蓮の破壊神》
本当に炎を操れる。
ただし料理にも使うので、いつも火加減を失敗する。
⚡ 雷堂ミナミ
《天空を裂く雷帝》
雷を操れるが、静電気にも敏感。
❄️ 白雪レイ
《氷結の堕天使》
氷の魔法を使える。
暑いのが苦手なので夏は最強。
👁️ 神代メイ
《千里眼の預言者》
未来が見える……が、見えるのはだいたい三秒後。
「次にあなたが言う言葉は――『お腹すいた』!」
「お腹すいた」
「見た!? 見たでしょ!?」
「それは予言じゃなくて食欲だよ」
残りの五人も、とにかく個性が強かった。
魔王の娘を名乗るのに虫が怖い少女。
堕天使なのに高所恐怖症の少女。
不死身を自称するのに転んだだけで大騒ぎする少女。
そして十人が集まれば――。
「我ら、闇の十字軍!」
「いや、十人だから十字軍っていうわけじゃないよ」
「細かいことは気にするな!」
⸻
第三章 最初の敵は、まさかの……
異世界に来て三日目。
少女たちは森で巨大な魔物と遭遇した。
「グルルルルルルル……!」
巨大なオオカミが姿を現す。
「きゃあああああ!」
「待って! 《紅蓮の破壊神》の力を見せる時よ!」
アカネが炎を放つ。
「いけぇぇぇぇ!」
ボンッ!
……火は、魔物ではなく自分の髪の毛の近くで燃え上がった。
「熱っ!? 熱い熱い熱い!」
「《氷結の堕天使》、助けて!」
レイが氷を放つ。
しかし勢いが強すぎて、全員の足元が凍った。
「滑るぅぅぅぅ!」
十人の少女たちは見事に転んだ。
巨大な魔物は、その様子をしばらく眺めていた。
「…………」
そして。
「クゥーン」
なぜか尻尾を振った。
動物と話せる少女・森野モモが言った。
「あ、この子……迷子なんだって」
「「「「「「「「「「え?」」」」」」」」」」
こうして、異世界で初めての仲間ができた。
伝説の魔獣でもなければ、魔王でもない。
ただの、ちょっと大きな迷子のオオカミだった。
「名前はどうする?」
十人は考えた。
「《終焉を喰らう冥界の獣》!」
「長い!」
「じゃあ……ポチで」
「落差ぁぁぁぁぁぁ!」
⸻
最終章 中二病は、世界を救えるのか?
それから数か月。
十人の少女たちは、異世界で少しずつ有名になっていった。
「十人の黒衣の少女たちがいるらしい」
「魔王軍を倒したらしいぞ!」
「伝説の勇者たちでは?」
実際には――。
道に迷った魔王軍を案内しただけだった。
「結果的に魔王城まで着いたんだから、勇者っぽくない?」
「むしろ親切な観光案内人では?」
しかし、十人は気にしない。
夕焼けの丘の上。
ユナは仲間たちを見つめた。
「ねえ、みんな」
「どうしたの?」
「私たち……前の世界では、ちょっと変わってるって言われてたよね」
十人は少しだけ静かになった。
「でもさ」
ユナは笑った。
「ここでは、本当に魔法が使える」
アカネが笑う。
「うん!」
「本当に空を飛べるし!」
「未来も三秒見える!」
「それは短いけどね!」
みんなが笑った。
そしてユナは、大きく腕を広げた。
「さあ、行くよ! 我ら《闇より生まれし十人の乙女》!」
「「「「「「「「「「おおおおおおおお!!」」」」」」」」」」
その日。
異世界に、新たな伝説が生まれた。
――ただし、本人たち以外は誰も正式名称を覚えられなかった。
後に人々は、彼女たちをこう呼ぶ。
『なんかすごくうるさい十人組』と。
これは、十人の中二病女子たちが転生し、
笑って、失敗して、たまに世界を救う――
史上もっとも騒がしい異世界転生物語である!
――つづく!

ポケカラ仲間募集中
『モブガーディアン』
――名もなき彼女たちを救う、陰の実力者――
プロローグ
「俺は主人公じゃない。だからこそ、世界の影になる」
俺の人生は、何もかも上手くいかなかった。
努力しても空回り。
頑張っても報われない。
誰かを助けようとして、自分のほうが傷つく。
そして最後に残ったのは、
「……俺の人生って、何だったんだろうな」
そんな寂しい独り言だった。
やがて俺は、この世界から去った。
――そして。
次に目を覚ました時。
俺は真っ白な空間に立っていた。
目の前には、不思議な光をまとった存在がいる。
「あなたには、もう一度人生を選ぶ権利があります」
「……転生ってやつか?」
「はい。そして、あなたが望むなら――前世で見ていた物語の世界へ行くこともできます」
俺は驚いた。
前世で何度も見ていたアニメ。
そこには勇者もいた。
英雄もいた。
華やかなヒロインもいた。
だが――。
俺には、ずっと気になっていた存在がいた。
主人公の隣には立たない。
重要人物として扱われない。
ほんの一瞬だけ登場する。
物語の片隅に存在する。
そして、いつの間にか物語から姿を消してしまう。
名もなきモブたち。
俺は呟いた。
「……あいつらも、生きたかったんじゃないのか?」
光の存在は静かに答えた。
「あなたは、彼女たちを救いたいのですか?」
「……ああ」
俺は拳を握った。
「主人公じゃなくていい」
「英雄じゃなくてもいい」
「世界中から称賛されなくてもいい」
そして――。
俺は笑った。
「だったら俺は……」
「物語の表に出ない」
「誰にも知られない」
「だけど、確かに誰かを救っている――」
黒いマントを翻すような気分で宣言した。
「陰の実力者になってやる!」
---
第一章
「転生した俺、さっそく中二病を発症する」
転生した俺は、異世界の森に立っていた。
黒いコート。
謎の指輪。
腰には一本の剣。
そして目の前には――
《世界観測システム》
> 【複数世界への渡航が可能です】
【救済対象を検索します】
「来た……!」
俺は思わず笑った。
「ついに俺の物語が始まる!」
しかし、ここで重要な問題が発生した。
俺には――
中二病の才能があった。
「フッ……」
誰もいない森で腕を組む。
「この世界には、俺の知らない闇が蠢いている……」
鳥が飛んでいく。
「……聞こえる」
風が吹く。
「運命の歯車が回り始めたようだな」
鹿が逃げる。
「恐れる必要はない」
俺は森の奥を見つめる。
「この俺――」
一拍置く。
「黒影のカズヤがいる限りな!」
……誰もいない。
「…………」
少し恥ずかしい。
「まあ、最初は練習だ」
その時。
目の前に文字が浮かんだ。
> 【救済対象No.001を発見】
少女の姿が映し出される。
彼女は、とある物語世界に存在する普通の少女だった。
特別な力もない。
有名な家柄でもない。
主人公の仲間でもない。
しかし――。
彼女の未来には、大きな危機が待っていた。
「……見つけた」
俺は真剣な表情になる。
「第一号だ」
そして俺は宣言する。
「待っていろ、名もなき少女」
「お前の運命は――」
「この俺が闇の中から奪い返す!」
---
第二章
「モブガーディアン結成」
少女を救った俺は、彼女に尋ねた。
「これから、どうしたい?」
少女は戸惑った。
「私……何も特別なものなんてありません」
「関係ない」
「え?」
俺は腕を組む。
「この世には二種類の人間がいる」
少女が真剣に聞く。
「一つは、表舞台で輝く者」
「そしてもう一つは――」
俺はニヤリと笑う。
「影から、その世界を支える者だ」
本当は、
「主人公じゃなくても自分の人生を楽しんでほしい」
という意味だった。
だが少女は――。
「……なるほど」
何かを悟ったような顔をした。
「私も、誰かを支える側になれるんですね」
「そういうことだ」
すると少女が立ち上がる。
「私も強くなりたいです!」
「ならば……」
俺は思いつきで言った。
「組織を作るか」
「組織?」
「ああ」
少し考える。
そして宣言。
「名は――」
黒い風が吹いた。
「モブガーディアン」
少女の目が輝く。
「モブを守る者たち……」
「そうだ」
「私、入ります!」
こうして俺たちの組織が始まった。
ただし――。
俺は知らなかった。
彼女が俺の言葉を、
一言一句、本気で信じていたことを。
---
第三章
「俺の適当な設定が、勝手に伝説になる」
数日後。
仲間になった少女に、俺は何気なく言った。
「我々には、まだ七つの力が眠っている」
これは完全な思いつきだった。
しかし――。
「七つ……」
少女は真剣に考え始めた。
「探索」
「戦闘」
「救護」
「情報」
「外交」
「教育」
「そして……隊長自身」
「……え?」
俺が考えるより先に、少女は答えを出していた。
「七つの守護領域ですね!」
「……ああ」
俺は勢いで頷いた。
「その通りだ」
すると少女は感激した。
「やっぱり隊長は全部ご存じなんですね!」
俺は心の中で思った。
……みんな、俺の中二病に合わせてくれてるんだな。
なんて優しい仲間なんだ。
---
第四章
「二人目の仲間」
新たな世界へ向かった俺たちは、二人目の救済対象を発見した。
俺は少女を見つけると、格好良く言った。
「――闇が迫っている」
仲間が息を呑む。
「つまり、敵が近くにいるんですね!」
「……そうだ」
本当は、
「危ないから気をつけよう」
という意味だった。
しかし仲間はすぐに周囲を調査。
「敵の痕跡を発見!」
「え?」
「隊長の読み通りです!」
「…………」
どうやら本当に敵がいた。
俺は少し驚いた。
だが、ここで引くわけにはいかない。
「フッ……やはりな」
そして二人目の少女を救う。
少女は俺たちの活動を知り、
「私も、誰かを救える人になりたいです」
と仲間になった。
こうして――
モブガーディアンは二人になった。
---
第五章
「俺の中二病が組織を巨大化させる」
仲間が増えるにつれて、俺はどんどん調子に乗った。
「我々は世界の影だ」
「はい!」
「光あるところに影がある」
「はい!」
「影あるところに我々がいる」
「はい!」
「そして――」
俺は腕を広げる。
「いずれ全ての世界を救済する!」
「了解しました!」
「救済対象の全世界調査を開始します!」
「各世界に支部を作りましょう!」
「訓練施設も必要です!」
「医療施設も!」
「研究所も!」
「情報網も!」
「…………」
俺は呆然とした。
俺が言ったのは、
「全ての世界を救済する」
だけ。
なのに、話がどんどん巨大になっている。
俺は仲間たちを見る。
「……みんな」
「はい?」
「俺に合わせてくれてるんだな」
「…………?」
仲間たちは顔を見合わせる。
そして――。
「もちろんです!」
俺は胸を張った。
「そうか!」
俺は嬉しかった。
前世では、誰にも理解されなかった。
でも今は違う。
俺には仲間がいる。
俺のくだらない中二病にも付き合ってくれる。
だから俺も、この仲間たちを絶対に裏切らない。
---
第六章
「実は全員、本気だった」
その夜。
俺が寝ている間。
モブガーディアンの仲間たちは会議を開いていた。
「隊長は、すべてを理解されています」
「ええ」
「我々に直接命令するのではなく、あえて謎めいた言葉で示してくださっている」
「つまり……私たち自身に答えを見つけさせているんですね」
全員が深く頷く。
一方――。
俺はベッドの中で、
「明日はもっと中二病っぽいこと言おうかな……」
と考えていた。
完全なすれ違いだった。
---
最終場面
翌朝。
俺は仲間たちの前に立つ。
「聞け!」
全員が整列する。
「今より我々は――」
俺は右手を掲げた。
「世界の闇、そのすべてを討つ!」
「了解!」
「全世界救済作戦を開始します!」
「各支部へ連絡!」
「救済対象を最優先!」
「ネメシスの調査を開始!」
「…………」
俺は静かに仲間を見る。
そして――。
「……みんな」
「はい!」
「本当に俺に付き合ってくれてるんだな」
仲間たちは微笑む。
「もちろんです、隊長」
俺は嬉しくなった。
「ならば行こう」
黒いマントを翻す。
「名もなき者たちの未来を取り戻すために!」
仲間たちが続く。
「はい!」
その瞬間。
空中に巨大な表示が現れた。
> 救済対象No.003~No.027を確認
複数世界で同時に危機が発生しています
敵組織『ネメシス』の活動を確認
推奨:モブガーディアン総力戦
俺は画面を見上げた。
「……なるほど」
仲間たちが緊張する。
俺はニヤリと笑った。
「ついに――」
「奴らが俺たちの存在に気づいたか。」
本当は、
「敵が出てきたから、みんなで頑張ろう」
くらいの意味だった。
だが仲間たちは違った。
「隊長……!」
「はい」
「これが、あなたがずっと待っていた『影の戦争』なんですね」
「……ああ」
俺は格好良く頷いた。
こうして――。
俺が中二病で適当に言った言葉を、
仲間たちが本気で解釈し、
さらに壮大な計画へと膨らませていく。
そして俺は、
「みんなが俺に合わせてくれている」
と思いながら、
知らず知らずのうちに――
世界を救う巨大組織の頂点へと押し上げられていく。
これは、
主人公になれなかった男と、
物語の片隅にいた名もなき少女たちが、
勘違いと中二病で世界の運命を変えていく物語。
――『モブガーディアン』
「モブだからこそ、救える命がある。」

ポケカラ仲間募集中
『モブガーディアン ― 名もなき彼女たちを救う、モブの実力者』
プロローグ 「俺は、主人公になりたいんじゃない」
生前の俺は、何をやっても上手くいかなかった。
仕事も、人間関係も、夢も――。
努力しても空回りし、誰かを助けようとしても自分のほうが傷つく。
そんな人生を終えた俺が、最後に思い出していたのは、子供の頃から見てきたアニメの世界だった。
「……もし、あの世界に行けるなら」
物語の主人公たちは、いつだって誰かに救われる。
ヒロインも、仲間も、重要人物も。
けれど――。
俺には、ずっと気になっていた存在がいた。
名前すら覚えられないモブキャラクター。
主人公の後ろを歩いていた少女。
事件に巻き込まれてしまった少女。
ほんの数話しか登場しなかった少女。
そして、物語の途中でいなくなってしまった少女。
「……あの子たちだって、生きたかったんじゃないのか?」
その瞬間――世界が白い光に包まれた。
---
第1話 「モブガーディアン、結成!」
目を覚ますと、俺は見知らぬ草原に立っていた。
目の前には半透明のステータス画面。
> 転生特典:『物語渡航権』
能力:『運命観測』
特殊能力:『救済対象検索』
「なんだこれ……?」
すると画面に一人の少女が映し出された。
見覚えのあるアニメ世界。
だが、彼女は主人公でもヒロインでもない。
物語の片隅に登場するだけの少女だった。
そして表示された文字。
> 救済対象 No.001
運命:数日後、大事件に巻き込まれる
俺は拳を握った。
「決めた」
主人公になる必要なんてない。
世界中から称賛される必要もない。
ただ――。
誰にも救われなかった少女を、俺が救えばいい。
「組織の名前は……」
少し考えた俺は、笑った。
「モブガーディアンだ」
---
第2話 「最初の仲間は、名もなき少女」
最初に向かった世界で、俺は一人の少女と出会った。
彼女は街の片隅で働く普通の少女。
特別な魔力もない。
剣の才能もない。
家柄もない。
まさに――モブ。
だが俺には分かっていた。
彼女は数日後、大きな事件に巻き込まれる。
俺は事件を防ぎ、少女を救う。
「どうして……私を助けてくれたんですか?」
「理由なんて必要ないだろ」
「でも私は……物語の主人公でもないのに」
俺は笑う。
「主人公じゃなくても、幸せになる権利はある」
その言葉を聞いた少女は、初めて自分の未来について考え始める。
そして彼女は俺に告げた。
「私も……誰かを助けられる人になりたい」
「なら、一緒に来るか?」
「はい!」
こうして――
モブガーディアン最初のメンバーが誕生した。
---
第3話 「救われたモブは、次のモブを救う」
最初の少女には、戦闘だけを教えなかった。
料理。
薬草。
魔法。
情報収集。
交渉。
地図作り。
そして――困っている人を見つける方法。
「強くなるって、敵を倒すことだけじゃない」
俺は彼女にそう教えた。
やがて彼女自身が、別の世界で一人の少女を見つける。
「隊長! あの子……助けられませんか?」
「もちろんだ」
こうして二人目のモブ女性が仲間になる。
さらに三人目。
四人目。
五人目。
救われた少女たちは、ただ守られるだけではなかった。
自分たちも誰かを守る側へ成長していく。
---
モブガーディアンの基本理念
俺たちの組織には、三つのルールがある。
第一条
救える命は救う。
第二条
救われた者は、自分の人生を自分で選ぶ。
第三条
次に誰かが困っていたら、その人にも手を差し伸べる。
そしてもう一つ。
「絶対に、主人公たちの邪魔をするな」
これは意外と重要だった。
俺たちの目的は、物語を壊すことではない。
主人公たちが知らない場所で起きている悲劇を止めること。
つまり――
物語の表舞台ではなく、裏側を守る。
---
第4話 「最初の敵――黒幕組織」
しかし、世界を渡るたびに妙な共通点が見つかる。
別々のアニメ世界。
別々の時代。
別々の文明。
それなのに、事件の裏側に同じ紋章が存在していた。
黒い翼を持つ蛇。
組織名は――
『ネメシス』。
彼らは複数の世界を密かに侵食し、未来を改変していた。
そして彼らの目的は、
「物語の世界から、不要な存在を消すこと」
だった。
主人公でもない。
重要人物でもない。
物語に必要とされていない。
そんな人々を、彼らは「不要な存在」と呼んでいた。
俺は怒った。
「……ふざけるな」
背後には、俺が救ってきた仲間たち。
最初は何もできなかった少女たちが、今では立派なガーディアンになっている。
「モブだから何だ」
剣を構える。
「名前が知られていないから何だ」
仲間たちも武器を構える。
「俺たちが知っている」
そして全員で叫ぶ。
「モブガーディアン、出動!」
---
第5話 「救済部隊、結成」
モブガーディアンは次第に大きくなっていく。
救護班 ― 傷ついた人々を助ける
探索班 ― 救済対象を探す
戦闘班 ― 悪の組織と戦う
情報班 ― 各世界の未来を調査
教育班 ― 新しく救われた仲間を育成
外交班 ― 各世界の人々と協力する
そして俺自身は――
「隊長って何をしてるんですか?」
「俺?」
少し考える。
「……雑用?」
「隊長なのに!?」
仲間たちから一斉にツッコミが飛んでくる。
かつて何も上手くいかなかった俺は、
いつの間にか――
世界を陰から守るモブの実力者
になっていた。
---
最終章 「モブにだって、未来はある」
やがてモブガーディアンは、数え切れないほどの世界を救っていく。
救われた少女たちは、それぞれ自分の夢を見つけていく。
冒険者になる者。
魔法使いになる者。
教師になる者。
医師を目指す者。
料理人になる者。
故郷に戻る者。
そして――モブガーディアンに残る者。
俺は彼女たちを見ながら思う。
前世では、自分の人生をどうにもできなかった。
でも、この世界では違う。
誰かを救ったことで、その人が別の誰かを救う。
一人の小さな行動が、次の誰かへ繋がっていく。
「俺は主人公じゃない」
そう言って笑う。
「だけど――」
背後には、何十人もの仲間たち。
そのさらに向こうには、俺たちが救ってきた人々。
「モブにはモブの戦い方がある。」
そして今日も、新たな世界への扉が開く。
画面に表示された次の救済対象。
> 救済対象 No.100
所在:未知のアニメ世界
危険度:S
救済推奨人数:1名
俺は立ち上がる。
「よし……行こうか」
仲間たちが笑う。
「モブガーディアン、出動!」
――これは、主人公になれなかった男と、物語の片隅にいた少女たちが、世界の裏側で未来を変えていく物語。

ポケカラ仲間募集中
『探偵とストーカーは紙一重』
第1話「名探偵、尾行してないのに尾行扱いされる」
俺の名前は神代レン。
普通の高校生――のつもりだった。
ただ一つだけ、普通じゃない特技がある。
人の行動から、次に何をするかを推理すること。
「レン、今日の放課後、一緒に帰らない?」
クラスメイトの桜庭ミナが声をかけてきた。
「ごめん。今日は無理だと思う」
「え?」
「ミナ、今日は図書室に寄ってから帰るだろ?」
「……なんで分かったの?」
「昨日借りた本の返却期限が今日だから」
「じゃあ一緒に図書室に――」
「そのあと昇降口には行かず、裏門から出る」
「……」
「そして駅前のパン屋に寄る。新作のクリームパンが今日発売だから」
「…………」
ミナの顔が引きつった。
「レン……」
「ん?」
「私のこと、ストーカーしてない?」
「してない!」
即答した。
しかし――。
その日の放課後。
図書室。
「……いた」
俺は本棚の陰からミナを見つけた。
「やっぱりここに来たか」
「レン?」
「……!」
振り返ると、ミナが立っていた。
「なんでいるの?」
「偶然だ」
「じゃあ、なんで私が読む本まで分かってるの?」
「昨日、君が図書委員に話していたから」
「私の会話まで覚えてるの!?」
「探偵として当然だろ」
「探偵!?」
教室中に響き渡る声。
そして翌朝。
黒板には大きくこう書かれていた。
『神代レン、桜庭ミナをストーキング疑惑』
「誰だよこれ書いたの!」
クラスは大爆笑。
そんな俺の前に、一人の少女が現れた。
銀縁メガネ。
長い黒髪。
そして、妙に落ち着いた雰囲気。
名前は白雪アカリ。
彼女は俺をじっと見つめると、静かに言った。
「あなた……本当に探偵なの?」
「違う。趣味で推理してるだけだ」
「じゃあ、私の秘密も当てられる?」
「もちろん」
「……!」
アカリの表情が変わった。
俺は彼女の机の上を見る。
昨日とは違う消しゴム。
少し濡れた傘。
そして制服の袖に付いた小さな花粉。
「昨日、誰かと公園に行った」
「……」
「その人物は学校関係者」
「……!」
「そして、そこで何かを失くした」
アカリは目を見開いた。
「どうして……?」
「袖の花粉と、傘の水滴。さらに昨日の天気から考えれば――」
俺は言った。
「落とし物は、公園のベンチ周辺だ」
「……正解」
教室が静まり返る。
するとミナが俺を見る。
「レン……」
「なんだ?」
「やっぱり――」
「?」
「探偵とストーカーって紙一重なんじゃない?」
「違う!」
こうして俺は、自分でも望んでいなかった形で――
学校公認の「なんでも推理する人」になった。
そしてアカリが抱えていた「失くし物事件」は、後に学校全体を巻き込む大事件へと発展していく。
しかも俺はまだ知らなかった。
アカリが俺に近づいた本当の理由を。
彼女は最後に、誰にも聞こえない声で呟いた。
「……この人なら、私の事件も解決できるかもしれない」
――探偵とストーカーは紙一重。
その境界線を越えないようにしながら、俺たちの奇妙な事件解決の日々が始まった。

ポケカラ仲間募集中
『異世界転生した俺の彼女が、ポンコツすぎる!?』
目を覚ますと、俺は見知らぬ森の中にいた。
「……ここ、どこだ?」
どうやら俺は異世界へ転生したらしい。
前世では普通の学生だった俺。 剣も魔法も特別な才能はない。
――ただ一つだけ、前世から変わらないものがあった。
「ねえ! やっと見つけた!」
森の向こうから走ってきた少女が、木の根っこにつまずく。
「きゃっ!」
「危ない!」
俺が支えると、彼女は満面の笑顔。
「ありがとう! あなた、私の彼氏になって!」
「……はい?」
彼女の名前はリリア。
由緒ある魔法使いの家系のお嬢様らしい。
……なのだが。
魔法を使えば、
「ファイア!」
ボンッ!
なぜか自分の前髪だけ焦げる。
料理をすれば、
「今日は私が作るね!」
鍋から煙が上がる。
地図を持たせれば、
「こっちだよ!」
「そっちは来た道だぞ」
「……えへへ」
さらに冒険者ギルドでは――
「私、回復魔法が得意なの!」
「じゃあ俺が怪我したら頼む」
「任せて!」
「ヒール!」
……俺の靴がピカピカになった。
「なんで靴!?」
「えっ、回復したよ?」
「そこじゃない!」
ところが、そんなポンコツ彼女には誰にも知られていない秘密があった。
実は彼女の魔力は、この世界でもトップクラス。
ただし――本人が使い方を理解していない。
ある日、魔物に囲まれた俺たち。
「リリア、逃げるぞ!」
「嫌!」
彼女は俺の前に立った。
「私の彼氏は、私が守る!」
「リリア……」
「えーっと……確かこの魔法だったよね?」
彼女が杖を掲げる。
次の瞬間――
ドォォォォン!!
森の向こうまで届く巨大な魔法陣が広がった。
魔物たちは一瞬で逃げ出し、森は静寂に包まれる。
「……できた?」
「できたどころじゃない! 今の何!?」
「知らない!」
「知らないの!?」
こうして始まった。
平凡な俺と、超絶ポンコツだけど規格外の魔法少女リリア。
二人の異世界冒険と、ちょっと騒がしい恋物語が――。
今、幕を開ける。

ポケカラ仲間募集中
『魔法少女になりたい君と、仮面ヒーローになりたい俺』
第1話 夢見る魔法少女と、五十歳目前の仮面ヒーロー
「私……魔法少女になりたい!」
夕暮れの屋上で、高校二年生の少女・星野ひかりは空を見上げていた。
幼いころからテレビで見ていた魔法少女に憧れ、いつか自分も誰かを守れる存在になりたい――。
そんな夢を抱き続けていた。
一方、そのころ街の小さな町工場では、一人の中年男性が奇妙なヘルメットを眺めていた。
名前は神崎剛志、49歳。
普段は真面目な会社員だが、子供のころから特撮ヒーローが大好きだった。
「人生一度くらい……本物の仮面ヒーローになってみたいもんだな」
もちろん、そんなものはただの夢。
……のはずだった。
その夜、街に正体不明の怪物が現れる。
逃げ遅れたひかりを助けようと、剛志が前に出た。
「おじさん、危ない!」
「おじさんじゃない。今日から俺は――」
剛志は自作の仮面を装着する。
しかし、変身装置は当然のように作動しない。
「……あれ?」
「ええっ!?」
二人が固まった瞬間、ひかりの胸元からまばゆい光が放たれた。
「魔法少女になりたい?」
謎の声が響く。
「だったら、誰かを守る勇気を見せて」
ひかりの手に小さな魔法の杖が現れる。
「本当に……魔法少女になれるの?」
「俺も……仮面ヒーローになれるのか?」
二人は顔を見合わせた。
そして同時に叫ぶ。
「やってみよう!」
こうして――
魔法少女になりたい女子高生と、仮面ヒーローになりたいアラフィフ会社員。
奇妙な二人のヒーロー活動が始まった。
最初は何もできなかった剛志。
しかし、彼には49年間生きてきた経験があった。
「ひかり、敵を倒すことだけがヒーローじゃない」
「え?」
「怖がっている人の前に立つ。それだけでも、十分ヒーローなんだ」
その言葉に、ひかりは笑った。
「じゃあ私たち、最高のコンビになれるかも!」
「……そうだな」
二人の関係は恋人ではなく、最初は不思議なヒーロー仲間。
ひかりにとって剛志は、夢を応援してくれる頼れる大人。
剛志にとってひかりは、夢を諦めかけていた自分にもう一度勇気をくれた大切な仲間だった。
そして二人は、街で起こる不思議な事件を解決していく。
やがて明らかになるのは――
「魔法少女」と「仮面ヒーロー」が、実は同じ敵を追っていたという驚きの事実。
二人の前に、さらに多くのヒーローたちが現れる。
果たして、ひかりは本当の魔法少女になれるのか。
そして剛志は、49歳から始まる夢を本物の仮面ヒーローへと変えられるのか。
これは、年齢も立場もまったく違う二人が、恋よりもまず友情と信頼を育てながら、街を守るヒーローになっていく不思議な物語である。

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