こんにちは。読書記録です。オットー大帝ー辺境の戦士から「神聖ローマ帝国」樹立者へ三佐川亮宏 著中公新書オットー大帝の同時代に書かれた様々な史料から近年の研究成果まで、豊富な史料を読み込んで書かれた渾身の1冊となっています。暗黒の時代のイメージが先行する10世紀に活躍したオットーがいかにして大帝と呼ばれるようになったか、その生涯をつづっています。最終章においては神聖ローマ帝国の歴史的意義についても考察されており、ドイツはいかにしてドイツになったかが述べられています。身内の反乱から異民族との戦いまで、オットーの生涯は戦争につぐ戦争で、危機的状況に陥っても不屈の闘志で勝利をつかんで大帝と呼ばれるまでになった男の生涯を、時代の息づかいが感じられるように書かれているので、読み応えがあります。聖界諸侯の政治の役割や軍役の重さなど、王国支配にはローマ・カトリック教会が密接に絡んでいた中世ヨーロッパのありかたも解説されていて、中世ヨーロッパについて知る入門書としても適しています。#読書 #読書感想文 #オットー大帝 #中世ヨーロッパ #神聖ローマ帝国