「海に還る」20時。スーツ姿でせかせかと歩く人誰かのためにお洒落してる人ダルそうなレジ打ちの人まだまだバカ騒ぎしてる人色欲が満たされない酔っ払いに満更でもなさそうな人。治安の悪いこの街は人間観察に打ってつけ。夜の香りが好きだ。酒気と煙草と香水は年明けの空気に誘われて静かに混じり合っていく。あの時の私は自由で大胆で不思議と自信に溢れていた。いつも色めきだっていて、絆されることを好んでいた。精神と懐の傷を知った時気づいたのは陽のあたる場所でぬくぬくと過ごしたいとずっと前から願っていたこと。色んな変化の中で葛藤を繰り返して過去の自分を好きになる。人間は完璧であってはならない。少しくらい生ぬるくたってきっと誰も責めやしない。私は、光も闇も丁度よく取り込んでいたい。透き通る水のように柔らかい人生を歩みたい。今夜も散歩の帰り道。どうせ私は普遍的でマンネリ化した社会で明日も真面目に生きるのだ。赤ら顔の青年達を横目に現実行きのタクシーに乗り込む。向こう側への橋は未だ建設中である。#言葉遊び #エッセイ日記