※この作品は“後編”です!ぜひ前編からお読みください。《合作作品》@モ! ×あお「アンドロイドとAIと呼ばれた少女(後編)」---──んー……あ、夢か。胸の奥に、小さな期待が膨らむ。「今日はいい一日になりそうだな」いつになく元気な足音を立てて、階段を降りてくる。ドン、ドン、ドン──木の段が軽くきしみ、家が小さく揺れた。キッチンで待っていたアンドロイドが、片眉を上げて笑う。「英雄の御帰還だね。まるでダイニングは凱旋門さ。現代のナポレオンに敬礼。いいことでもあったのかい?」きららは、少し照れながらも胸を張って言った。「いい夢を見たの!」アンドロイドはコーヒーをゆっくりかき混ぜ、目を細めた。──うまくいったらいいな、とでも言うような目だった。久しぶりに軽やかな足取りで家を出るきらら。その笑顔は、昨日までの曇り空を忘れさせるように明るかった。---待ちに待った給食の時間。夢で見た光景が、今始まる。きららは少しワクワクした。「ねぇ、リョウくん。きららちゃん、今日もリョウくんの給食少なくしたんじゃない?」また同じ声が教室を包み込む。冷たい声が繰り返される。「えー、かわいそー」ここまでも夢で見た、きららは少し緊張を感じた。女子たちが輪になって囁く。「昨日先生が言ってたでしょ、“おもいやりの心”って。リョウくんも辛かったよね?」リョウくんを見ると、静かに俯いている。きららは必死に声を震わせて言った。「ねえ!リョウくん困ってるじゃん!決めつけるのやめなよ!」きららは泣きそうになった。でもリョウくんがきっと勇気を出してくれるはず!しかし、現実は冷たかった。リョウくんは何も言わず、ただ俯いたまま。その沈黙が、教室の空気を一層重くする。女子たちの冷たい視線が、きららを締め付けた。「きららちゃんわかんないの?りょうくん困ってるじゃん。りょうくん、私たちが守ってあげるから、あんな人の気持ち分かんない人はほっとこう」その輪は冷たく閉じられ、リョウくんはそのまま押し流されていった。---体育の授業が終わり、教室に戻ったきららの前には──切り刻まれたランドセルと、落書きされた机があった。きららは立ち尽くす。想いがなければ、みんなと“おんなじ”になれるのに。心に、頭に浮かぶ想いなんて、いらない。でも、考えることをやめたら──私は一体なんだろう。涙も流さず、ただ立ち尽くすきらら。---そのころ、家ではアンドロイドが湯気の立つお茶を用意していた。湯呑みを置くたび、静かな音が部屋に落ちる。朝のきららの笑顔と足音が、まだ耳の奥に残っている。──今日はきっと、いい日になる。そう信じたい気持ちが、胸の奥でじんわり温まる。玄関の方をちらりと見やり、期待の色を瞳に宿す。「今日のプリンセスはご機嫌だった。きっと学校でもいい日になってるさ、ベイビー。どんなおみやげ話を聞かせてくれるかな…おっと、期待しすぎてハートのセンサーが焦げるとこだった」口元にかすかな笑みを浮かべながら、静かに待っていた。しかし、その扉はまだ開かない。秒針の乾いた音だけが、ゆっくりと部屋を満たしていった。#アンポンテスト#現実#ことばりうむの星#響き合う声たちイベント#自由合作アンサンブル𓂃𓈒𓏸𓂃𓈒𓏸𓂃𓈒𓏸𓂃𓈒𓏸𓂃𓈒𓏸𓂃𓈒𓏸𓂃𓈒𓏸𓂃𓈒𓏸𓂃𓈒𓏸𓂃𓈒𓏸𓂃𓈒𓏸🎼編集後記🎼(モ!)きららが可哀想[大泣き]いや、これは編集後記ではなく感想なのですがきららが可哀想[大泣き][大泣き]この感想で胸がいっぱいです僕はこれで案外ハッピーエンドしか書いたことなかったのですが今回はバッドエンドに初挑戦させてもらいましたきららが可哀想[大泣き][大泣き][大泣き](あお)『ナルシスティック人工人間野郎』というはちゃめちゃなお題から生まれた「アンドロイドとAIと呼ばれた少女」、いかがでしたでしょうか?モ!さんはそのワードからインスピレーションを受け、アンドロイドと少女の物語の冒頭を書いてくれました。続きもすぐに紡ぎ出され、私たちはラストについてたくさん話し合いました。物語の結末はもちろん、表現方法や構成についても、モ!さんから数多くのアイデアが提案されました。「こんなのもあるよ?」「こんなのはどうだろう?」と、新たな可能性を示してくれるその姿に、改めてモ!さんの鬼才ぶりを感じずにはいられません。そして何より、私のモ!さんへの愛は冷めることを知りません。モ!×あお、次回作もお楽しみに♪