貧しい家に生まれたデューラーとハンスふたりは小さな時から画家になる夢がありましたしかし絵の勉強ができるほど余裕がありませんでしたある時ハンスがデューラーに提案しますこのままでは2人とも画家になれない僕が働いてお金を稼ぐから君は絵の勉強してほしい勉強が終わったら今度は君が働いて 僕の勉強を助けてほしいデューラー君の方が僕より絵がうまいきっと早く勉強が済むよハンスの言葉に感謝しデューラーはベネチアへ絵の勉強に行きました1日でも早く勉強を終えてハンスと代わりたいと寝る間も惜しみ勉強しましたハンスは鉄工所に勤め深夜まで重いハンマー打ちお金を送り続けました数年後 ベネチアで高い評判を受けたデューラーは今度はハンスの番だと故郷に戻ることにしましたふたりは再会を喜びましたがデューラーはハンスの手を握りしめたまま呆然としますなんとハンスの両手は力仕事でごつごつになり絵筆が持てない手に変わっていたのでした彼の夢を奪い 僕の夢が叶った…その罪悪感に襲われる日々デューラーは もう一度ハンスを訪ねますするとハンスが静かに祈りを捧げている姿が目に入りました歪んでしまった手を合わせ一心に祈っていたのです…"神様 デューラーは自分を 責めています どうか彼が これ以上苦しまないよう そして 私が果たせなかった夢も 彼が叶えてくれますよう あなたのお守りと祝福を…"なんと 妬み恨むどころかデューラーのことを一生懸命祈ってくれていたのです"お願いだハンス 君の手を描かせてくれ 君のこの手で僕は生かされた 君のこの手の祈りで 僕は生かされているんだ "こうして1508年友情と感謝の心がこもった"祈りの手"が生まれました#アルブレヒト・デューラー