#グラで短編小説書いてみたい #アナ小説第8話 第8話 「俺はグレイヴ・ティオン」 名前がグレイヴ。やっぱりここ日本じゃないのか。 当たり前だよね。不思議なこといっぱいだし、髪の毛銀色だし。 私の名前か… うーん…思い出せないかな。 ピロンといつもの音。「分かんない。自分の名前もわかんないや」 へへっと笑いながら、なんだか泣きそうで下を向いた。やっぱり自分がここの世界の人じゃないと言われてるみたいで目の中の世界がぼやける。「そうか…」 グレイヴもどうしたらいいものかと悩んでるような顔をしている。 その時、なぜか突然閃いた!「あっ、レイミナ!レイミナなんてどう?」「別に君がそれで良ければ、いいんじゃないか?」 さっきまでドン底みたいな気持ちだったことも忘れて、異世界を0から新たに始める気持ちに変わった私は元気いっぱいだ。「グレイヴさん!私、レイミナ!!」「お、おう。よろしくレイミナ嬢」 グレイヴは戸惑いながらも、我慢できずにふっと息を漏らした。 その視線はどこか柔らかく、笑うでもなくただ、小さな子供を見守るようだった。「……元気なのは、いいことだ」 その言葉にレイミナはムッとした表情になった。「ちょ、子ども扱いしないでください!私はちゃんとした大人なんですから!」 思わず抗議する言葉にグレイヴの口元は更にわずかに緩んだ。「そうか…なら、今すぐ馬に乗ってほしいんだが、一人で出来るな?」「馬!?だ、大丈夫です!できます!」 言い切ってから、レイミナは小さく拳を握った。 その姿に、グレイヴはもう一度、誰にも聞こえないほど小さく笑った。 馬はグレイヴさんの髪と同じ黒い毛色で体は艶々と輝いていた。「わぁかっこいい!!まつ毛長いねー」 私は初めて間近に見る馬に興奮気味で近いてしまったけれど、それでも嫌がる素振りはしないので、君お利口さんだねーと心ゆくまで撫で回した。「ノクスというんだ。あまりベタベタ触られるのは嫌いだと思ってたんだが、君にはそうではないらしいな。」「さっ、そこに足をかけて登ってみてくれ」 グレイヴの口元はかすかな笑みをうかべた。 優しいのに少し意地悪。その顔はまるで、私がもたつくのを楽しみにしているみたいだった。 ノクスの近くに立つと、案外馬って大きいんだと言うことに気づく。 私、実は乗ったことはないんだけど、できるよね? ブンっと目の前に選択肢が出てきた。 それは私の今の揺れ動く気持ちを代弁していた。 ①できると言った手前、一人で頑張る ②少し怖いけど、頑張りたいから手を貸してくれますか?と助けを求める ③最初からやっぱり無理でした。と言って乗せてもらう