にじり口の前で、そっと手水鉢に手を伸ばす。水の冷たさが、心のざわめきを洗い流してゆく。身をかがめ、頭を下げ、畳の上を静かに膝で進む。一歩ごとに、空気が澄んでいくようで、茶室は私を迎え入れてくれる。掛けられた軸は「和敬清寂」。利休の言葉が、今日という節目の空気をさらに引き締める。入門、小習、茶箱──許状をいただくこの日、いつもの稽古とは違う、張り詰めた静けさの中で、私はただ、まっすぐな心で座していた。緊張の奥にあるのは、静かな喜び。これからも、この道のひとしずくひとしずくを深く味わい、学び続けていきたい。#和敬清寂#お稽古日和#茶道のある暮らし#わたし日記#ことばりうむの星