#ぼくとパパ、約束の週末公開初日に観に行った。自閉症の男の子がスタジアムでのサッカー観戦を通じて、成長していく物語。公式ホームページに載っているあらすじの内容で、この成長が何かということを書きたい。自閉症の男の子、ジェイソンにとって、自分のルールは絶対であり、それと違うことが起きるとパニックを起こしてしまう。この映画に悪い人は出てこない。あえて言うなら、意地悪な同級生が出てくるだけだ。しかし、その人達ですら、ジェイソンにとっては自分のルールを守らない人達に写ってしまう。彼にとって、世界とは自分と家族だけだった。しかし、サッカー観戦を通じて彼は自分自身の世界を広げていく。他の人は気にしないことでもジェイソンにとっては受け入れるのが難しいことがたくさんある。それが丁寧かつ、重くならないように描かれている。周りの人がほんの少し優しくなれば、彼にとって生きやすい世界になるかもしれない。でも、彼らも悪意はない。だからこそ、もどかしい。劇的な展開はないが、確実にジェイソンは自分と世界の境界線を広げていっているのを感じられるはずだ。せめてジェイソンのような人がいることやその生きにくさを知って欲しい。知るだけで変わることもあるから。