【読後感】これは紛れもなく、恋のお話。好きで好きでたまらない、そんな燃えるような恋のお話。生まれてから死んでしまうまでの間に好きになってしまう人と出会う。とても短い一生の間に、何度か人を好きになる。好きで好きで、好きで好きで。泡になって消えてしまうよと言われてもそれでも良いとさえ思ってしまうような恋が人生には何度か訪れる。それは幸せなのかな。本当は辛いだけなんじゃないかな。どんなに好きでも叶わない。どんなに好きでも私を好きにはなってくれない。いっそ、泡になって消えてしまいたい事も、ある。それなのに、恋はやってくる。避けても気付かぬふりをしても、やってくる。抗えない感情はとても厄介だ。そんな恋は残る。恋が燃え尽きて灰になって、吹き飛んだ後も。泡になって消える事ができないのは溺れるように苦しい。その苦しみを知った後に残った恋の残骸はとても美化され美しいけど、いつまでも鋭い。#にんぎょひめ#アンデルセン#いわさきちひろ#絵本