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にっく弐式
髪をね、切ったんですよ
1000円カット行ってる人以外はわかると思うけど、カット終わった後って
「髪セットどうしますか?」って聞かれるじゃん。
毎回お願いしてるんだけど、お願いすると絶対「この後どこか行かれるんですか~?」って聞いてくるよね。どこにも行かないよ。髪を切るのがその日の予定のすべてなんだから。
でも毎回謎の見栄を張り散らかして架空の友達と飲みに行く用事があることにしてるんだよね。
今回は遅い時間だったのもあって友達が先飲んでるんで合流するとかいう""解像度が高め""のホラを吹きつつ髪のセットをしてもらっていた。
セットをしてくれていたのはアシスタントの人だったので俺が陰の者だということを知ってか知らずか「髪型めちゃいい感じにキマってきましたねぇ!(自画自賛)」とかすごいテンション高くて。
俺も「いいすねぇ↑あざっすw」ってすごい無理して化けの皮をかなり厚めでやらしてもらってて。
ちょっと踏み込んできたのかわからんけど「この髪型でクラブ行ったら絶対モテますよ!」とかいうリップサービスに「マジすか?」とか返しちゃったりして。
気分は陽キャ。もう肉体の半分がレペゼン。
しかしそう長くは続かなかった。
「今日の夜とか絶対アツいすよね!クラブ!」って言われて「ですよね!」みたいな
あたかも""土曜の夜のクラブはやっぱ盛り上がりますよね""みたいな雰囲気で返事をしたあと無言の空間が出来上がっちゃったのが気まずくて「クラブってどんな感じなんすか?」とか、聞いちゃった。
化けの皮ベロンベロンに剥がれちゃった。
被害妄想だけどアシスタントの人も心なしか「え?なにこいつ」みたいなテンションになってて「いや~もう行けばわかるっす」って
化けの皮ズルムケ状態でこれ以上は建設的な会話はできないと判断されたのか、彼はもう…
それ以上に多くを語ることはなかった…
クラブ行ったことあるやつ、俺を連れて行ってくれ
解像度を高めるために


にっく弐式
特に目的もなく、気づいたら業務スーパーにいた。
この時点で俺の人生経験上だいたいの敗戦は決まってる。
冷凍食品コーナーの独特の静けさと蛍光灯の白さって、なぜか人の理性を融かすんだよな。
で、アイスコーナーを見てたら、
「たいやきアイス12個入り」みたいなやつが目に入ってさ。
「安ッ」って思って気づいたらカゴに入れてた。
この“何の予定もないのに袋買いする”っていう行為、
たぶん人間の理性が一番弱まる瞬間。
家に帰って、冷凍庫からその“たいやきアイス”を取り出して、
「よし、一日のご褒美」みたいな気持ちでかじったんだけど、
硬ぇ…。
いや、カチカチすぎない?
冬の道路か?って。
全然アイスが口の中で溶ける気配がない。
でも外側の皮はちゃんとたいやき。
「おかしいな…?」と思って中を見たら、あんこオンリー。
バニラがいない。冷たいあんこの独り舞台。
「これ…まさか…?」って思って袋を見直したら、
そこにはしっかりとこう書いてあった。
『冷凍たいやき(要加熱)』
やられた。
俺はアイスを買ったと思い込んで、
15匹の冷凍たいやきを買って帰ってきた。
つまり、あの日俺がかじったのは、
"スイーツ"じゃなくて"凶器"だったんだよ。
いや、俺が買ってきたのはたいやきアイス(願望)
俺は、あえて凍ったままのそいつをもう一匹口に頬張った。
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