#その4#その1からおよみください2週間が経つと重湯はサラッとしたお粥、いわゆる五分粥になっていた。味噌汁も色が着いている。その頃になると僕もやっとベッドの周りだけ歩けるようになったので、ともちゃんのベッド、自分のベッドを互いに行き来するようになっていた。病室の向かい側はプレイルームで、オルガンや積み木、ブロック、子供向けの本などが置かれていて僕は学校で習ったピアニカの曲をよく奏でていた。優しい女医や看護師、もちろんともちゃんも聴きに来てくれて皆で褒めてくれた。他の年下の子達ともうちとけて、何故かリーダー役のようになっていた。新しく入ってきた1年生くらいの女の子が夜中に寂しくて泣くとなだめに行ったり、2つ隣の男の子(足の複雑骨折で退院までかなり長くかかったのはあとから知った)の所へ話に行ったり、なんだか自分がみんなの兄になったみたいで嬉しくなった。その頃。ともちゃんが退院した。#つづく