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#すみのなつやすみチャレンジ
8月24日 晴れ

昨日仕掛けたカメラの前の砂糖水がなくなっていた。オオカミ娘に、変な写真が撮れていないか聞いてみたが明確な答えは返ってこず。ダメだったのかな…

オオカミ娘のテントのそばに洞窟がある。その中に何か落ちていた。小さなカゴの中に、分厚い宇宙人語で書かれた本と封筒。
『…うちの学校のあの頑張りすぎな教頭先生、裏山に大切なものを隠したらしいよ…』萌姉ちゃんが言っていたあの言葉がふとよぎり、これは誰かの大切なものなのかもしれないと思い、持ち帰ることにした。

早速萌姉ちゃんに見せる。
どうやらこれは英語の辞書らしい。封筒には英語で書かれた手紙が入っていた。萌姉ちゃん、自分の辞書は学校にあり困った困ったと嘆く。わざと?気を取り直し、夕飯までには頑張って訳してくれるそうだ。

そして夕食時。
萌姉ちゃん、人生いろいろ、ガツーンって感じ。手紙を訳し終わったようだ。
『春、大河の流れ 咲き誇る花々の香り 今、マークトウェインの冒険小説で読んだ夢の国アメリカと 私の生まれた国…この、愛すべき祖国日本は戦争をしています。トムソーヤ ハックルベリーフィン 彼らが遊んだ野山に吹いている風を、日差しを わたしはいつか、自分の肌で感じてみたかった 今日まで、密かに、そしてひたむきに彼らの言葉を学んできた私ですが、それもそろそろ限界のようです。英語の辞書もここに隠さなければいけなくなりました。もし、この戦争が終わって、まだ私が生きのびていたならば、今の、清水のようなこの無垢な志しを、そして春の到来を告げる南風のような高揚感を、未来の自分へ伝えたいと思います。昭和十七年 春』
名前はないみたい。この人、生きているといいな。

夕飯後、萌姉ちゃんがクラリネットを吹いていた。(相変わらず1人なのにハーモニーが聴こえる)
どうやらお姉ちゃん、春から一人暮らしをするみたい。でも卒業したら帰ってくるって。たくさん悩んで決心したのかな?一歩前進!すごい!
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#すみのなつやすみチャレンジ
8月12日 晴れ

朝食後、お坊さんが来た。
チーンとりんが響く。(風景の絵に切り替わり、真っ青な空、もくもくの入道雲、水平線が広がる海、一面のひまわり畑が映りました。)
終わって挨拶をした時、新顔のボクくんを発見。英語で年を聞いたりしてなんだか面白いお坊さんだ。おじちゃんたちにこっそり「どこからさらってきたの?」と聞いていた。
思い切って亡くなったお兄ちゃんのこと、おばちゃんに聞いてみた。3年前に亡くなったんだって。ボクくんはその時麻疹にかかって来れなかったらしい。マシーン?はて?

庭で遊んでいるチビ娘・調とは、よく学校の給食の話をする。ソフト麺や牛乳に入れるあれの話。田舎と都会じゃ少し違うみたい。

おじちゃんから新しい凧をもらい、早速丘へ凧上げに。にな凧クリア!次はどんな凧かな?
道中にあるクヌギの木でミヤマクワガタもget!これで虫相撲も少しは有利かな?

おじちゃんにケン坊の毛がはげている事気づかれてしまった。なんでも昔から飼っているからそろそろおじいちゃんなんだって。お年寄りには優しく接してあげなきゃね。だって。うんうん。

夜、仏壇のところに行くと水色の提灯がくるくるカラフルな色を中で回しながら光っていた。とても綺麗だった。お兄ちゃんってどんな人だったんだろう?会って一緒に遊んでみたかったな。

縁側にいる萌姉ちゃん。今日はクラリネットを吹いていない。そういう気分の日もあるみたい。よくわかんないや。
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#すみのなつやすみチャレンジ
8月11日 晴れ

朝ごはんの時おじちゃんから、「明日はお坊さんが来るから、朝の時間は遊びに行かず家にいてね」と言われた。お坊さん?どうして?
おじちゃん家には昔、お兄ちゃんがいて、明日はその子の命日なんだって。玄関にあった野球帽や、花火が好きだったって言ってたのはそのお兄ちゃんのことだったみたい。

あと、今日萌姉ちゃんは麓の郷に手紙を出しに行くらしい。お外にいるおばちゃんが「🎵大事な大事な手紙〜🎵」と口ずさんでいた。誰に出す手紙かな。

水をあげていた朝顔が咲いた!浅紫色にピンクっぽい色にとっても綺麗。おばちゃんが褒めてくれた。写真もあとで撮ってくれるって!やったー✌️

昨日ケン坊からむしり取った毛をおじちゃんに渡して毛針を作ってもらうようお願いした。ちょっと怪しまれたけど作ってくれるみたい。早くお化けイワナ釣りたいなー。

斧で木を倒しに行った後は、秘密基地へ。
虫をまだ多く持ってないから、すぐ負けて終わっちゃうな。もっともっと強い虫を捕まえなくちゃ!

夕飯後、萌姉ちゃんが郷に行ったお土産があると言い出した。このあと縁側に集合だって。そしたらおばちゃんが「ボクくん、浴衣着ようか?」と優しく声をかけてくれた。一体何が始まるのかな?浴衣に着替えて縁側に行くと、みんなで花火をしていた!萌姉ちゃん、花火を買ってきてくれたんだ!
花火をしていると、萌姉ちゃん、目に煙が入ったと悲しそうな顔で空を見上げてた。そしたら「また明日がくるなぁ…」なんて悲しそうに言っていた。何かあったのかな?

ケン坊に話しかけると相変わらずヴヴゥ!と唸られてしまった。まだ根に持ってるみたい。
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#すみのなつやすみチャレンジ
8月9日 晴れ

居間のテレビで、長崎原爆の日平和祈念式典が流れていた。

朝から姉妹の部屋へ突撃。萌姉ちゃんは早速机に向かっていた。でも三つ編みおさげを触りながら、今は休憩中らしい。萌姉ちゃん、どうやら受験生みたい。さえない青春と嘆いていた。

おじちゃんの工房に寄って、完成した凧をもらった!早速丘へ行ってあげよう!
ついでに途中にあるクヌギの木に砂糖水をぬりぬり。
丘について早速凧上げ。風の強さや向きですぐ凧が低くなってしまい難しい…高く高く上げると、おじちゃんの家からでも見えるらしい。まずは今日の凧で高く高くあげること。
なんとか成功!おじちゃん見てくれたかな?

丘から降りてくるとおばちゃんがカメラを持って待っていた。どうやら凧上げしてたボクくんを撮っていたらしい。記念に1枚撮ってくれた✌️

夕暮れ時にクヌギの木を見たら、いたいた!オニクワガタとノコギリクワガタ!明日秘密基地に行って虫相撲やってみよう。
あと、おじちゃんに新しい凧も作ってもらって。

昨日の花火大会のこと、おじちゃんやおばちゃんが言っていた。ここのお兄ちゃんもこの花火が好きだったって。お兄ちゃんって誰のことだろう…。
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#すみのなつやすみチャレンジ
8月30日 晴れ

朝ごはんの時、おばちゃんから「夏休みも明日でおしまいだから、やることがあったら今日中に済ませようね。」とご案内。そうかぁ…ん?調がうつむいて元気なさそう…
食べ終わる頃には調の姿はなくなっていた。どこへ行ったんだろう…
辺りを探しても見つからない。ふと縁側に目をやると、調が髪につけていた赤いリボンが落ちていた。おばちゃんも萌姉ちゃんも心配している。(おじちゃんは相変わらず工房のろくろの前に座って作業してたけど)

色んなところを探した。
途中、秘密基地に寄ったら、だあれもいなかった。あれだけ毎日やった虫相撲のセットも綺麗に片付けられていた。…そういうこともあるさ。そう納得させたけど。ふと山の方から吹き下ろす涼しい風に当たった時、もうここにいる時間は長くないと思い知らされた。…そういうこともあるってさっきみたいに納得しようとしたけど、なぜかこころがモヤモヤする。

そんなことより調を捜さなくちゃ。

一面のひまわり畑に出た。
あ。調だ。
こんなところで何してるの?みんな心配しているよ?と声をかけても、「あんたがいなくなったってちっともさみしくないんだから!いーだ!」と言い返される始末。何かやることがあるらしく、追い払われてしまった。
なんだよ、心配してたのに。

帰宅すると、ちょうど調も帰ってきた。
みんなでいなくなった理由を問い詰めると、珍しく素直に謝り出した。すると、ボクくんの方にいなおり、「これ…」と元気なひまわりの花束をくれた。どうやらこれを摘みに遠くのひまわり畑まで行っていたようだ。ありがとう。

夕食後、おばちゃんがこっそりボクくんに話しかけてきた。「あの子たち、とっても優しい子たちでしょ?あの子たちの母親になれてよかった。おじちゃんにも感謝してる。おばちゃんは幸せいっぱい。この夏休み、ボクくんにもおばちゃんの幸せ分けてあげられたかな?」ボクくんは胸を張ってうんと答えた。ボクくん、本当に幸せな一ヶ月だった。

そのあと、廊下の角っこでいじける調に話しかけると、「あんたなんかさっさと帰っちゃえばいいんだ。夏休みなんか大嫌い」と言っていた。調は幸せな一ヶ月じゃなかったのかな…。

そして萌姉ちゃんが、調を捜してくれたお礼に寝坊してもらえなかった日のラジオ体操のハンコをくれた。ラッキー!

明日で…お別れか…
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#すみのなつやすみチャレンジ
8月14日 晴れ

朝から萌姉ちゃんの部屋を突撃。萌姉ちゃんは何かの返事が届くのを待ち侘びてる様子。住所を間違えて書いちゃったかも…なんて心配してる。

庭のおばちゃんが言ってた、明日は戦争が終わった日だって。おばちゃんは終戦当時、小樽で暮らしてたらしい。(ゲーム内は1975年設定。西城秀樹やキャンディーズが活躍してた頃。)ある日の朝、丘に上ったら港に大きなアメリカの軍艦がたっくさん停まっていて、怖くて家に飛び込んだんだって。だって、アメリカの兵隊さんに捕まったら、頭から塩かけてガリガリ食べられるって教わってたかららしい。けど、上陸してきた兵隊さんが家の前の路地で小さなノラネコを抱えてミャオ、ミャオ…って言ってるのを窓の隙間からこっそり見て、なーんだ、同じ人間なんだって思ったらしい。

今日も虫相撲会場へ。メガネがカブトムシのメスを出して来た!いいなぁ、一体カブトムシはどこで捕まえられるんだ…
今1番成績がいいのはノコギリクワガタ。63勝3敗のまずまずな成績。

夕方になり寄り道して池を訪れると…いたっ!お化けヤマメ!(ずっとイワナって言ってました、すみません)ケン坊にハゲを作って仲まで悪くして作ってもらったこの特大毛針で釣り上げてみせるっっっ…!いよいよ対峙の時。
あっ。意外と簡単に釣れた。サイズは62.5㎝。デカすぎ。

チビ娘・調は夏休みが折り返しに差し掛かった事を嘆いていた。夏休み中にやりたい事がたくさんあるらしい。例えば?と聞くと少し考えて、「冬物の厚手靴下の毛玉を取りたい。」と答えた。なんじゃそりゃ。

萌姉ちゃんも夏休みが半分終わることに落胆していた。海にでも行きたいと。
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#すみのなつやすみチャレンジ
8月29日 晴れ

昨日の熱はすっかり下がり、元気いっぱい!

おばちゃんが、咲いた朝顔の写真をくれた。ボクくんが一生懸命水をあげた朝顔。大事にするね!と伝えると「あんたの好きな花はひまわりなんだからね!」とチビ娘・調。へ?なんで?
そのあとおばちゃんから聞かれた。「男の子ってみんなひまわりが好きなの?」と。好きだけど…なんで?
なんでも、亡くなったお兄ちゃんもひまわりの花が大好きだったんだって。調のやつ、変なやつ。

秘密基地に行くと、みんなお別れの挨拶をしてくれた。
ガッツ「あっちの友達になめられるなよ!」もともとボクくんはあっちの人間だから大丈夫だよ。
ファット「ちゃんとご飯食べて太れ!」ほどほどにね。
メガネ「なんだか長い付き合いみたいだね。新学期になったらお手紙書くね!」うん!ボクもお返事書くね!
最初はおっかなかったけど…本当にボクらずっと友だちだったみたい。

夕食後、電話のベルが鳴る。萌姉ちゃんが出た。どうやらボクくんのお父さんかららしい。
なんと、弟が産まれたらしい!!やった!お兄ちゃんだ!みんなお祝いしてくれた。
萌姉ちゃんもクラリネットでハッピーバースデーの曲を吹いてくれた!
お兄ちゃんかぁ…おじちゃんに、早く帰って赤ちゃんの顔みたいでしょ?と聞かれたけどそうでもない。子供には子供の思いがあるわけよ。

だって。夏休み終わっちゃうんだもん。嬉しいような。悲しいような。

その夜、とても悲しい夢を見た。
一面のひまわり畑。季節がまわり、ひまわりの花が全部刈り取られて木枯らしが鳴いている。まるでニホンオオカミの声みたいな風の音。とっても悲しい夢。
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#すみのなつやすみチャレンジ
8月17日 晴れ

朝食後、みんなの話題に『オオカミ娘』と言う人のことがあがった。なんでも、大学生で狼の研究をしていて、夏の間はこの辺でテントを張り研究しているとか。その間、お風呂をおじちゃん家に借りに来るんだって。
おばちゃん曰く「育ちがいい好青年みたいな美人さん」らしい。ボクくん頭がこんがらがって「…おかま?」と言っちゃった。
どうやら、凧上げの丘方面にテントを張ったらしい。早速行ってみると、突如ヘンテコ機械が現れてパシャリとピカッと光った!機械の反対側には死んだ鶏が木につつりつけられていた…。な、な、なんだこりゃ…
先に進むと、池のほとりに真っ赤なテントが建っていた。けど誰もいないや。
ずんずん奥まで進んでいくと、『てっぺん山登山口』と書かれた看板のとこまできた。そこには、『安全のため午前11時までに登山を開始してください』と書いてあり、道には通せんぼがかってあった。ここはおじちゃん家から遠くて、どんなに早く来ても間に合わなさそう。残念。

帰りに秘密基地へ寄って虫相撲。ガッツが強い虫を出してきた!100勝してる大きなカブトムシ!なかなか力が強くて倒せない。ボクくんが持ってる1番強いノコギリクワガタで勝負!粘り強く戦って、相手のスタミナが尽き勝利!やったーーー!
なんだか特別な一勝を挙げた気分。

家に帰り、ケン坊へ挨拶。今日もだめかな…と思ったけど、仲直り成功!以前のように元気に鳴いてくれた!本当にごめんね。

夕飯後、今でも姉妹が何かしている。チビ娘に聞いたら『パッチンワーク』というものらしい。萌姉ちゃんにも聞いてみたら『まあ、そんなもんだ笑』と言っていた。
なんかつぎはぎみたいだな。
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#すみのなつやすみチャレンジ
8月15日 晴れ

今日はおじちゃん達みんなでお兄ちゃんのお墓参りに行くみたい。ボクくんはお留守番。
お留守番って言っても普段と変わらず過ごしてていいって言うから、遠慮なくお外へ出ていきます。

ついに!斧でちまちまやっていた木の切り倒しに成功!ちょうど壊れた橋のところに倒れて、行けなかった川の向こうの探検が可能にっ!ワクワクするー!

橋を渡って薄暗い林に入ると、青白くぼやけた、しっぽをふった何かがこちらを見ている…ギラっと光ったかと思ったら目の前が真っ白になって、ボクくんは尻もちをついてしまった。その時、目の前にはもう何もいなかったけどワオーン…と山犬の鳴き声が遠くで響いた。あの時の声だ。スイカ泥棒に見つかりそうになった時、助けてくれたあの声。一体なんなんだろう…

大きなクヌギの木を通り過ぎると、一面のひまわり畑の先に真っ青な海が広がっていた。
浜辺まで降りて、小高い丘の上へ登る道の途中、上からコロロっとなにか転がってきた。茶色くて、入道雲みたいな、石みたいな。あとでおじちゃんに聞いてみよ。
新エリアで新しい虫をたくさん捕まえた。そしてカブトムシも捕まえた!明日から虫相撲で使おう!

あっという間に夕方に。遊びすぎておじちゃんが迎えにきた。
夕食後、例の石の事を聞いてみたら…
クジラさんの耳の骨らしい!めったに見られないらしいからラッキーかも!

萌姉ちゃんは相変わらず何かのお返事が気になっている様子。お返事、ちゃんと来るといいね。

そしてケン坊も相変わらず威嚇しています。ごめんて!明日は仲直りできますように。
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8月3日 灼熱

朝ごはんの後、おじさんの畑でとうもろこし収穫のお手伝い。自分の背よりもおっきい丈のとうもろこし畑でたくさん採れた。
そういえば、おじさんのスイカ畑にスイカ泥棒が出たらしい。ボクくん、昨日秘密基地でみたスイカの残がいのことは何故だか言えなかった。

納屋にあった釣竿をもらった!これで川や池で魚も釣れる。そうだ…昨日見つけた蜂の巣、釣竿でちょっとつついてみようかな。グラグラと揺れてあと数回で地面に落ちそうだ!

夕飯の時、おじさんが蛍の話を教えてくれた。でも、沢へ続く夜道は危ないから、絶対に行っちゃいけないんだってー。おじさん家のきまりらしい。ちぇ。

夕飯の後、縁側で萌姉ちゃんがクラリネットを吹いていた。友達に教わってて、文化祭で2人で発表するんだって。まだまだへたっぴだから、夏休み中に練習するみたい。

明日は何をしようかなー✨
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連日にわたる長文投稿、大変失礼しました。

今年の夏もぼくなつとともに過ごせてよかったです。
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8月31日 晴れ

朝食後、車のクラクションが聞こえた。お父さんだ!
名残惜しそうに食卓を後にして表に出た。

久しぶりに会うお父さん。やけにキラキラと覇気がある。なんだか人が変わった様子。
どうやら赤ちゃんが産まれて一大決心をしたらしい。
おじちゃん、おばちゃん、萌姉ちゃんはいつもの様子で賑やかに騒いでいる。調は…うつむいて何も話さない。


ボクくんもじもじ。


…おばちゃん、最後のお願い。



…だっこして…グスン

熱の出た日に言えなかった一言。やっと言えました。

するとおばちゃん「男の子は泣いちゃだめ。これ、おばちゃん家の…決まりなんだから…」と涙声でボクくんを優しく抱きしめてくれた。


そしていよいよお別れ。お父さんの手に引かれ車へ向かうボクくん。不意におばちゃんに呼びかけられて後ろを振り向く。パシャリ。最後の写真。

車に乗り込み出発。走り出した車。咄嗟に走り出した調。
『さよーならー!』小さい体でぴょこぴょこ走る。おさげの髪をぴょんと揺らして。

車には昨日もらったひまわりの花束。

車窓から見上げた小高い木の枝によじ登っていたガッツ、ファット、メガネ。静かに見送ってくれていた。

そして手には調のかわいいリボン。


こうして、ぼくのなつやすみは終わった。
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8月28日 晴れ

久しぶりに秘密基地のガッツたちのところへ。いつ帰るのかと聞かれて、31日に帰ることを伝える。そうか…いつかは帰らなきゃいけないよな…あのさ…。ガッツが何か言いかけた。聞き直したけどそのあとは何も話してくれなかった。何を言いかけたんだろう。

オオカミ娘に最後のお別れをしたくてテントのところへ。
あっ!テントがない…そこにはメモがひとひら。
『さようなら  キミはなかなか  いいやつだったよ』だって。行っちゃったな。オオカミ娘。

夕飯で食卓に集まってから、ボクくんなんだか元気がない。…なんか食べたくない。
ちょっと熱があるみたいだ。おばちゃんと一緒に部屋に戻った。お熱が上がってないか、おでこをつけて計ってくれた。やっぱり熱があがってきたみたい。
ちょっと考えてボクくん、『おばちゃんちの男の子もきっととっても幸せだったと思う。ボク、その子の代わり、できるかな?』なんて言っちゃった。そしたら「お兄ちゃんはお兄ちゃん。ボクくんはボクくん。けどおばちゃん、ボクくんのことも大好きよ。」と部屋を出るおばちゃん。
なんだかボクくん、春の陽だまりでまあるくなった猫みたいな…そんな気持ちになって、おばちゃんに抱きしめられたくなっちゃった。
「…おばちゃん」
「なあに?」
「…………おやすみなさい」
「おやすみ☺️」
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#すみのなつやすみチャレンジ
8月27日 晴れ

今日は凧上げに挑戦。ひこうき凧クリア!
凧上げの寄り道にオオカミ娘のテントへ遊びに行った。どうやら明日、山を降りて大学へ戻るらしい。寂しいか?と聞かれたけど、ボクくん全然ちっとも寂しくなんかないんだもん!アリンコののどちんこより寂しくなんかない!と力説。
………来年も…来る?
………オオカミに、会いに?
ボクくん、ちょっと恥ずかしそうに、悲しそうだった。

夕飯後、おじちゃんとおばちゃんが窯の焼物を出していた。早速次のアイディアを練っていた。おじちゃん、ほんとに陶芸家みたい。

縁側には萌姉ちゃん。今日はクラリネット吹いていない。聞いてもないけど、なんで吹かないか聞きたいんでしょ?と自分から語り出した。
今日は虫の声に耳を傾けたい日らしい。
夜空を見上げて、同じ空が都会でも見れたらいいのにと言っていた。そしたらボクくんと電話して同じものを見ながらお話しできるのにって。

そっか。ボクくん、もうすぐ帰るんだ。
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8月26日 晴れ

朝食後、慌てた様子のオオカミ娘がきた。
変なガキ!って言うもんだからボクくんも負けじと変なお姉さんと呼んであげた。何か写真に撮れたらしい。
あっ!ニホンオオカミ!砂糖水を舐めてる写真だ!お姉ちゃんすごいっ!

庭先ではおじちゃんが徹夜しながら薪を割っていた。窯の温度はまだ7割らしい。久しぶりの現金収入よ!とおばちゃんが鼓舞していた。

秘密基地の高架下へ入った途端、空気がヒンヤリしたかと思ったら、ざぁーっと通り雨が降った。ボクくんがここへ来て初めての雨。

オオカミ娘へお祝いを言いにいったら、なんだかあまり嬉しくなさそう。むやみに人に言えないんだって。なんで砂糖をなめてたかも腑に落ちてない様子。

夕方、ついにおじちゃんの窯作業終了!明日には窯の中を開けるらしい。ご苦労様でした。

夕食後、萌姉ちゃんがクラリネットを吹いていた。20年後は何をしてるかな?そんな話をした。21世紀になるちょっと前で、月に人が住んで、車は空を飛んで、宿題はロボットがやってくれる!でもでも、こたつにみかんは変わらないでほしいね。

20年後の夏休みって、一体どうなってるんだろうね。
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#すみのなつやすみチャレンジ
8月25日 晴れ

朝食時、萌姉ちゃんからお話。
これまでの件、ごめんなさい。高校へ進学することを決めたと報告。おじちゃんもおばちゃんも嬉しそう。全力で応援しよう!
けど、進学に伴い一人暮らしすることが不安らしい。そこですかさずチビ娘。将来アイドルになってブイブイ言わせたい!と言い出した。何をブイブイ言わすの?と聞くと、しばらく考えたのち「ベンツ」とぼそっと答えた。ドワハハハ!みんなで笑って一件落着。

そういえばとおばちゃん。最近いい天気の日が続いてると言う。確かに、ボクくんがここにきてから、ずーーっと晴れだ。今年の夏は入道雲が目に焼き付くような印象的な夏だったと、何年も経ってたから不意に思い出しそうだとおじちゃん。
ボクくんにとっても、みんなにとっても特別な夏休みとなりました。

夕方、おじちゃんが登窯に火をつけた。夜通し薪をくべて温度を高くするらしい。焼きあがっても自然に温度が下がるまで待つから、窯から焼物を出すのはあさってらしい。

夕食後、萌姉ちゃんが縁側でクラリネットを吹いていた。すごく上手。もうなんならバイオリンやハープの音までする。
話しかけると、悲しい夏休みだったと振り返る。夏休みなんてまた来年くる。そうボクくんが言うと、来年は来年の夏休み。今年は今年の夏休みしか来ない。と萌姉ちゃん。そこでハッと気づく。
萌姉ちゃんは『楽しい中学生の夏休み』にこだわって、そこから先に進むのが怖かったみたい。モラトリアムと言っていた。
ボクくんには何のことだかさっぱり。とりあえず、お姉ちゃんが元気になってくれてよかった。これからも、ボクくんと遊んでね!
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#すみのなつやすみチャレンジ
8月23日 晴れ

今日は凧上げとオオカミ娘のところへ行ってみようかな。

途中に大きなヘビがいて、驚いて腰を抜かしてしまった。どこからともなくおじちゃんが走ってきてくれてヘビは逃げていった。悲しほどカラカラに干からびた抜け殻を拾った。

こいのぼり凧クリア!高度が保てず難しかったー。だんだんと難しくなってきた。


オオカミ娘を訪ねると、チビ娘に聞いたとヘビの話をしてきた。逃げちゃったと正直に言ったら笑われた。ボクくんちょっぴり悲しい。しょげていたら、「ちょっとくらい怖がりな方が…魅力的ってもんだ」と言ってボクくんのほっぺにチューしてくれた。小学生にチューしたから、結婚しなきゃいけないんだって。ボクくんとオオカミ娘、結婚するのかな…。

オオカミ娘がヘンテコ機械で撮れたボクくんの写真をくれた。頑張ってるオオカミ娘のために、なんとかあのピカピカお化けの写真を撮らせてあげたい。どうやったらあいつ、カメラのところに来るかな。好物…あ!そうだっ!ボクくんは知っている。ピカピカお化けの好きなもの。
早速カメラの前へ。カブトムシを捕まえるときに使ってる砂糖水。たしかあいつは甘いものが好きなんだ。これを置いて…これでくるかな。写真撮れますように!

夕飯後、オオカミ娘のところに行ってみたことを伝えると、チビ娘が「ずいぶんとなかよしなのね!」とプリプリしている。そんなに羨ましいならあいつも来ればいいのに。

おじちゃんが、そろそろ登窯に火を入れる時期と言っていた。ボクくんがいるうちに火入れてくれるかな?
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