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ろびのわーる

ろびのわーる

『かたつむりのメモワール』

2024年/オーストラリア/94分
ジャンル:ストップモーションアニメ/ヒューマンドラマ
監督:アダム・エリオット

【あらすじ】
父親を亡くし、双子のグレースとギルバートは別々の里親に引き取られる。ふたりは再会を誓って、手紙で互いを励まし合っていた。周囲になじめず寂しさを募らせるグレースは、カタツムリ集めを心の拠り所にするが……。

【見どころ】
① 記憶を辿る物語。
② 世界観の作り込み。
③ 細やかな動き。
④ 個性豊かなキャラクター。
⑤ いくつかの出会い。
⑥ 孤独と再生。

【感想】
グレースが記憶しているたくさんのエピソードを丁寧に映像化して綴った作品。孤独と再生がテーマなので全体的に暗い。
それでもクレイアニメの可愛らしさやシニカルなユーモアもあって重くなりすぎない。

病弱で自信が持てないグレースが幼少期の自分に重なって他人事じゃなかった。
孤独な人生にもいくつかの出会いがあり、それによって彼女が変化してゆくのを温かい気持ちで見守っていた。

かたつむりに準えた表現が秀逸だった。
かたつむりとはどんな生物か。殻に閉じこもる、ちょっと気持ちわるい、雨が好き、ゆっくり進む、前にしか進めない…などなど。似た要素を持つグレースが親近感を抱くのは当然なのかもしれない。

キャラクターがみんな癖があって個性的。性格がそのまま顔になっていてとてもわかりやすかった。また、表情の細やかな動きが再現されていて心情の微妙な変化も感じられた。

ノスタルジックでメランコリックな色調が切なさを掻き立ててくる。背景の作り込みも細やかでお洒落。しかも場面の数もかなりある。製作者のこだわりと愛情を感じる作品だった。

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