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そう𖤣𖥧𖥣。

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『かえして、おく』(仮)原案

始まりの場所

記憶がない。
シノが目を覚ましたのは、広大な空間の中にある小さな部屋だった。

彼女は、最初に何を思ったのかは覚えていない。ただ、体の中にある小さな違和感だけを感じていた。

「おはよう、シノ。」

施設内で初めて声をかけてきたのは、明るく笑う青年だった。

シノはまだ何もわからないまま、笑顔に応じた。

「今日は、みんなの世話を頼まれたんだ。」

その青年は、シノに施設内のいくつかの部屋を案内し、そこにいる仲間たちと一緒に仕事を始めさせた。

最初の仕事は小さな命の世話だった。

シノは育成係として、育てるべき命を一つ一つ見守り、育てていくことが求められた。

その小さな命たちは、シノの手のひらの上で日々成長していく。

「よし、今日も一日頑張ろう。」

その言葉をつぶやきながら、シノは小さな命たちに愛情を注ぐ。しかし、心の中にふと浮かぶ疑問があった。

「私の役目って、これでいいのだろうか?」



新しい役目

ある日、シノに新たな命令が下る。それは「外の世界に出る」ことだった。

「シノ、次はエネルギーを集める仕事を頼む。」

その言葉が耳に入った瞬間、シノは心の中でドキリとした。

「外には、命の源となるエネルギーが存在している。」

外に出ると、目の前に広がるのは果てしなく続く大地だった。

「ここが、外の世界か…」

最初は軽やかに感じたその仕事も、時間が経つにつれて次第に体に負担がかかってきた。

「まだ、終わりじゃない。」



弱っていく体

日々の仕事が続く中、シノの体は次第に疲れ果てていった。

「シノ、無理していないか?」
ある日、後ろから声がかけられた。その声は、シノと同じように外で働く仲間の一人だった。

「大丈夫、私はこれが役目だから。」



力尽きる時

その日は来た。

シノはそのまま、目を閉じた。



物語の始まり

シノが力尽きたその場所から、次の物語が始まる。

彼女の命を繋ぐ新たな存在が目を覚ますその時、シノが果たした役目が、次へと引き継がれていく。



『かえして、おく』

シノの一生が終わり、次の物語が始まる。
シノが“返した”ものは、次の命へと受け継がれる。

#そうの思考整理 #文章練習 #短編小説
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『かえして、おく』(仮)原案倉庫
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『かえして、おく』② - シノの団欒

シノが目を覚ましたとき
最初に感じたのは温かさだった。

その温かさは、部屋全体に広がっているようで、どこか安心できる場所にいることを実感させた。

シノの体はまだ硬く動かなかったが、その中で静かな安堵感が広がっていく。

周囲を見渡すと、広くて白い部屋が広がっており、壁や床は清潔で、どこか整然としていた。

シノの周りには何もかもが整っており、誰かがきちんと手入れをしてくれているという気配を感じ取った。

「シノ、目が覚めたんだね。」

その声が聞こえてきた。
シノがゆっくりと目を開けると、目の前にいたのは一人の仲間。

その顔は、シノがまだよく理解できていないが、温かな笑顔を浮かべている。

「気分はどう?」

仲間が静かに尋ねると、シノは少し頷く。
「ちょっと…体が重いけど、安心している。」

シノは少しだけ微笑んで、ベッドの上でゆっくりと体を起こし始める。

その瞬間、シノは何も知らない自分がここにいる意味を考えた。でも、何も怖くはなかった。

むしろ、どこか温かい家にいるような気がした。

シノは気づく。自分はここで、誰かに愛情をもらいながら育てられてきたことを。

その愛情は目には見えないが、体が覚えているような、そんな感覚だった。



仲間たちとの日常

シノが部屋を歩き始めると、そこには他の仲間たちが集まっていた。

皆、マスクをしているけれど、その表情からは温かい空気が伝わってくる。
それぞれがシノに微笑みかけ、日常の仕事を黙々とこなしている様子が見えた。

シノはその姿に、特に不安や疑問を感じることなく、ただその中に溶け込むように過ごしていく。

「おはよう、シノ。」

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