ハルちゃんは、うちの後輩・鈴木くんによく会いに来る。手作りクッキーと手紙まで持ってきたことがある。鈴木くんは、「クッキーもらっちゃいました。いつも仕事で助けてくれてありがとうとのことです。」って…こっちが照れるわ。飲み会のときに上司が鈴木くんにハルちゃんとのことを色々聞いてたけど、「友達として来てるだけですよ」なんて言ってた。その“だけ”にどれだけの想いが詰まってるか、気づいてないのは本人だけ。彼女いない暦=年齢の鈴木くん。そういうとこだぞって心の中で思う。そんな鈴木くんが、ウチが企画するイベントに出ることになって、身近な若手社員に頑張って声をかけてチームを集めた。なんとか人数が揃ったところに昨日、またハルちゃんがきた。「イベント、人数集まった?足りなければ出たいな」その一言に、鈴木くんの顔がぱっと明るくなる。「うわー、出てくれるの?!ありがとう!人数はもう足りてるけど出たいよね?どうしよう…俺、別チームで足りてないとこあって、そっち入るから、ハルさん、うちのチーム入ってもらっていいよ!それか、ハルさんが別チーム入る?」その瞬間、うちのアルバイトの藤井さんが「えー!別チームって、そんな酷いことするんですか?!」と声を上げる。鈴木くんは慌てて、「いやいや、ハルさんも知ってる人たちだから!知らない人ばっかのチームに入れるなんて、そんな鬼畜な真似、できませんよ笑」とか言って、さらに墓穴を掘ってた。そこに、いつも仕事でも飲み会でもトンチンカンなことばっか言ってるカビゴンが、ぽつりと口を開いた。「いやいや、せっかく同期同士で盛り上がろうとしてくれてるんだから、それはないでしょ笑俺抜けようか?」あのカビゴンが、珍しく良いこと言った!本当は「カビゴンナイス!」って声に出したかった。俺の斜め前の席でニヤけてる、俺と2つしか違わない後輩の楢ちゃんにも、「おい、ここは若手に譲れ」って言いたかった。でも、ここはおじさんが口出す場面じゃない。気になって仕方なかったけど、我慢するためにちょっと席を外した。(※ノンフィクションですが、登場人物はすべて仮名です)#おじさんの苦悩