あの男は基本リビングのTV前がテリトリーなので動かない為、この外気温でエアコンをつけない。つけないまま夕餉の支度をリビング続きのキッチンでする。流石にエアコンつけてくれ、と言うものの目の前には2つのコンロからの熱源、後ろは炊飯器が炊飯中、古い冷蔵庫もいる。換気扇はフル稼働、可愛らしい小窓も開けるが追いつく筈もない。出来上がる頃には汗ダラダラ頭クラクラ。そして座るのは掃き出し窓の真横。ガラス一枚隔てたベランダには室外機。勿論食欲なんてない。旦那には飯碗いっぱいの米はあるが私のこの状況では喉を通らない。汁物を1、2口啜り主菜を2口、小鉢のサラダや冷奴を何とか完食して私の夕餉は終わる。設定温度28度のエアコンが稼働している寝室に逃げ込み身体を冷やす。襖一枚で天と地の差。暫く身体を冷やしていると腹が減ってくる。そりゃそうだ。前述の通り完食したのは小鉢のみ。後は箸休め程度の主菜と汁物。主菜は食べ切ってしまっているので残った汁物を飯にぶっかけて食う事にする。飯碗の半分程に盛った飯に残り汁をかける。これをアテにチビチビ呑む酒もまたオツなもんだ、と寝室の小さい卓に持って行く途中で言われるのだ。あの慈悲のない悪魔のような一言が。「まだ食べるの?w」#小説風愚痴#うるせえオメーより食ってねぇよ