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あましび


あましび
ベンチから立ち上がると
車の往来が減りますから
ああ
結構厚着したと思ったのに
さむさがふれてくる
うるわしい
完璧な暗さに慣れましょうよ
たましいをおもちゃにしてしまう前に
積まれた林檎を描く前に
あの煙の
上がっている意味が
あまり無くなってくる
完璧な暗さに慣れましょうよ
口数が減ったと思ったら
昔見た夢が現実になってゆく
うろうろしている
蛇に噛まれて泡噴いて死ぬまで
にこにこするだけさ
『完璧な暗さに慣れましょうよ』#あま詩び

あましび
はっ とするような綺麗な水色だったり
(聖なるものよ)
ひび割れて起伏したアスファルトの
雨に染まりきらないところに
途方もない細部を感じたり
バスに乗ってくる人々だったり
仮に日常に中心部があるものとして
それを見てみようとすると
なにか、細いとうめいなカケラのようなもの
糸くずのようなもの
それが繋ぎ合わされて空みたいになって
僕の心を覆っているのがわかる
ふーっ と息をかけてみると動くのがわかる
『聖なるものよ』#あま詩び

あましび
#淡篇ばあてご
#ばくぜんとしたかんかく
#短詩び

あましび
茶畑の防霜ファンがうなっている
ぼくは魂のような軽さのレジ袋振り子にして
ひたひたと寒い四月を歩く
有刺鉄線を
スヌーピーが見つめている
残酷な月だと思う。とても
石を拾って
帰れってのか。
届かないところに
投げろってのか。
眠れないことを承知で
さっさと切り上げる この
すこしの 風
『残酷な月』#あま詩び

あましび


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あましび
さんざんまなんで
さんざんおどって
悪夢を見て
恍惚となって
(空に巨大なハリボテの生物、女の部屋はつねにワンルーム、きえてのがれる、のがれてきえる)
屈んで
火をつけて
咥えて噛んで
数口で捨てて
いまここ
だあれもしらない
なあにもいらない
花を摘んでも
たべるだけ
おいしい気がするだけ
ガイドブックの積んである4WD
植樹された地帯につっこんで
でも許可はとってある
でも許可はとってある
複製された地帯のほうが厳しいって
でもじつはなんとも思ってない
そのことに対しては思っている
きらめきやかがやきを光だと思うなよ
助手席の少女に言い聞かせる
トランクの少年に言い聞かせる 偽悪
偽悪?知らんよ、偽善しか
はるか水面のできごとだから
どっちもほんとうはしらない
そのことはしっている
でもほんとうは
だあれもしらない
なあにもいらない
花を摘んでも
たべるだけ
たべられる気がするだけ

あましび
うつつが迷路
だいたいいつもそんなかんじ
出口は最後にしかないもんね
夢や希望や絶望などの
甘い痺れはおともだち
不良の狐、蛇使い
兎の妖精、夢魔の舌
#あま詩び

あましび
ひざしがたぎる 記憶だか
イメージだか
まなざしはそうめんのように
垂れ、のびて
けむりがあがる秋空、夜空に
ここに写真が数枚あるけど
自分とは思えない
梅が揺れて
ひざしがたぎる 記憶だか
イメージだか
いまは月のために用意された秋
仮面を外しちゃ連れてかれちまう秋
けむりのような息、楽しくてなんども
熱い息を吐く
音楽が小さくなってゆく、終わるんだ
#あま詩び

あましび


あましび
ナインストーリーズ入れとこうかな
知らない人の
知らないところが痛んで
知らない街になってく
血液のように元気な道路だけが
辛うじてモールス信号の意味を消す
蹲み、街灯に向かって大きく跳ぶ
蛾のように
地面とおともだちのはずのおのこが。
まぁよい
どハイオク
将来の夢は透明マントを身に纏うこと
俺の考えは俺より若いから手が焼ける
けどかわいいんだ
もう一度来てくんないかな
氷河期
ポケットに瓶、半分くらい入った
『ポケットに瓶』#あま詩び

あましび
女の、男の
大当たりさ、犬は
夜の街 今日の街
恥ずかしさを思い出させる
うつくしい人間たち
たくましい人間たち
ピアスを空けるような冷たい雨
飛びまわる蛾のような恋
仮面の、あるいは素顔の顔
作ったような、作られたような顔
無意識が近づいてくる顔
静かな顔、うるさい顔
綺麗に割れる顔、ひびの入る顔
傷つけられた顔、傷つけた顔
冷たい香りのする顔、甘い匂いのする顔
伝えている顔、考えている顔、死んでいる顔
諦めた顔、隙を窺っている顔、満足した顔
天使のような人間たち
悪魔のような人間たち
炎ように熱いカーディガン
海に行くような淡い恋
『顔』#あま詩び

あましび
それがどれだけ尻をムズ痒くさせるか
わかってるやつらはきっといまみんな友達で
短パンの切れ端を今更拾い集めようとしてる
分かってるのさ全部
だーれも居なくなった
さっきまでけっこう賑やかだったんだぜ
色んな尻があったんだぜ
まぁいいや。そんなこと気にしないから
こんなとこまで来たのだ
『こんなとこ』#あま詩び

あましび


あましび
ローズのレンズを掛けたお仲間
自らをゲストにするための自らのキャスト
まっすぐな
快楽も分かってくれてると嬉しいが
偏屈ならなお
いい
踊ったり
喧嘩してくれたりするなら
いつも疑問なんだろう
なんで夜はこんなに静かなのか
どうして船は行ってしまうのか
見てみろよカーブミラーに映った
歪んだおまえ
この闇の中なら
めちゃくちゃにやれちまうだろ
頭の中で仲間にしたあんな色、こんな形と
本当に迷子になる方法
教えて欲しいなら教えてあげてもいいが
死んでも知らんぜ
命を賭けられるのならば
命を賭けたいものを見つけたほうが
いいんじゃないか?
命なんて簡単に削れちまうんだから
底なしの欲望に食べられちまうんだから
自分で食っちまったほうが
得だと思わないか、おまえ
『おまえへ』#あま詩び

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