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朱月
妹はあまり表に出るような性格ではなく、かと言って教室の隅で本を読むような子でもなく、どこにでもおる普通の中学生やった。ただ、胃腸が弱くてすぐにお腹を下す事もあって、普段の生活が苦痛に感じることも多かった。しかも小学生の時にはいじめに逢い、まだ説明も下手くそやったから親にしっかり伝えられず、「あんたが傷つけることしたんちゃうの?」と言われる始末。その件で親への信用を完全に失い、うちにだけ懐いてる状態やった。
最初に疑念を抱いたのは、妹が活動を始めて3ヶ月ぐらい経った頃。妹は配信アプリで活動をしていた。その頃から妹の話し方に徐々に違和感を感じ始めた。うちも妹も根っからの大阪人、当たり前のように関西弁を話してる。そんな妹が、突然標準語を使い始めた。最初は活動してる間だけやったのが、段々と普段の生活の中でもその話し方をするようになってきた。まぁ仲良い人が関東圏の人とかなんかな?と、違和感は抱きつつもそこまで気にも止めてなかった。
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#兄弟
#姉妹
#VTuberの家族
朱月
うちが高校3年生、妹が高校1年生の頃、転機が訪れた。妹が不登校になった。原因は色々あるけど、学校に行かず、部屋にずっといた。ここからは本当に早かった。妹は一気にVTuberへの道をまっしぐらに進んで行った。フォロワーが増え、天狗にでもなってたんやと思う。携帯を持ったばかりの頃のルールは全シカト。昼から夕方にかけて起床し、朝日と共に眠りにつく。起きてる時間はほとんどをVTuberとして過ごす日々が続いた。夜中でも構わず配信。
徐々に蝕まれていたうちの精神が、更に蝕まれていき、段々と自分でも自分がおかしいなって感じるようになってきた。
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朱月
始まりは約7年前、まだVTuberって単語がそこまで浸透してなかった頃。最初は妹のただの興味本位やった。
自分で作ったアバターを、自分の表情や仕草に合わせて動かし、そのまま話して友達を作れる。あまり馴染みのなかったコンテンツで、妹はすぐにハマっていった。
うちは当時中学3年生、妹は2歳下の中学1年生。同じ子供部屋で、背中合わせに机が置いてあった。親との約束で携帯は基本リビングのみ、使えるのも21時まで。楽しそうにしてる妹を見て、最初はそこまで何も感じてなかった。
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朱月
皆さんはVTuberの家族が、どのような生活を強いられているか想像したことはありますか。
きっと想像したことなんて今まで1度も無いでしょう。
4月から始まる新生活に向けて、自分の中にあるモヤを少しずつ吐き出していきたい。
これから、『VTuberの家族』についてを気まぐれで書きます。
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朱月
妹に対して初めて違和感を感じてから約2年、記憶に新しい新型コロナウイルスのパンデミック。当時高校2年生だったうちも、中学3年生だった妹も、自粛で家からほぼ出てなかった。みんなそうだったように、うちら姉妹もゲームやSNSで1日潰す日が続いた。
その頃には妹の話し方以外に、笑い方も気になるようになってた。姉妹揃ってゲラで笑い方まで一緒やったのに、妹の笑い方が耳障りに感じるようになってた。同じ部屋で過ごしてて会話もないのに終わらないおしゃべり。イヤホンをしてるから他所から見ればただの独り言。それが毎日のように続いた。そしてその頃から、うちの精神は徐々に蝕まれはじめた。
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