いま世界では国家という器が静かに溶け始めている戦争でも暴動でもなくアルゴリズムによってTikTokInstagramYouTubeXこれらが社会の中心に来た瞬間国家の根っこが揺れだしたわたしが無意識に感じていた違和感の正体は“価値の発生源”が国家からプラットフォームへ移動したことだった───────────────────────■ 通貨は国家の最重要事項通貨とは紙じゃなく国家の信用そのもの国家の物語国家が「存在している」という証明国家は通貨を発行し税を集めその力で制度と領土を維持するだから通貨偽造は国家の心臓を刺す行為この感覚を持ったままSNSを見ると“これはただの娯楽じゃない”と理解できる───────────────────────■ SNSは国家の外側に“新しい通貨”をつくったYouTube → 再生数TikTok → バズInstagram → フォロワーX → 拡散力これらは国家が発行していないプラットフォームが勝手に発行している“価値の指標”しかもその価値をお金に変換するのは Google・Meta・ByteDanceつまり海外の巨大国家ここで問題が起きる価値の中心が国家から移動したこれは文明の断層だ───────────────────────■ 日本は価値を生むが、その価値は国外へ吸われる視聴者は日本広告を出す企業も日本創作者も日本だけど利益は海外本社へ流れる所得税は日本に払うだけどそれ以外の“幹となる税”はほぼ海外行きここが国家にとって致命的国家は所得税では動かない動かしているのは法人税消費税企業投資社会保険料国内で回る経済の循環SNS経済はこれらにほとんど貢献しない日本に残るのは末端の税だけ幹の税はすべて海外へ国家の血管が細っていく静かに音もなく広告費の“上澄み”は全部アメリカ、中国に吸われる広告費の中でGoogle・Meta・ByteDanceが持っていく割合は50〜70%(ケースによってはそれ以上)つまりこうなる:●日本企業が100払う↓●アメリカ本社が50〜70取る↓●残りがクリエイターに分配される↓●クリエイターはその一部に所得税を払う国に戻るのはクリエイターが受け取った“残りの残り”の税金だけ国家レベルではほぼ負け戦───────────────────────プラットフォーム企業は日本国内に「法人税をほぼ払わない」GoogleもMetaもアイルランド・シンガポールなどの低税率地域に本社を置き日本には少額しか法人税を落とさないつまり●広告費は海外へ●利益も海外へ●法人税も海外へ●統治権も海外に移動日本は実質的な“下請け国”になる所得税だけじゃ国家は守れない───────────────────────■ Attention(注目)まで奪われたとき国家は空洞化する国家の力とは注目信用物語本来これを握っていたのは学校テレビ新聞政府文化でもいま注目の中心は国家ではなくアルゴリズム誰を見ているか誰が価値を決めているかすべてSNSが支配する注目されない国家は存在していても“実体のない器”になる───────────────────────■ 実体労働者が減るという最大の危機SNSは架空経済動画が回りバズが価値になるだが国家を動かすのは架空ではない現場の人間だ農業工場建設物流医療介護保育インフラ清掃防災これらが消えたら国家は止まる道路は誰が作る橋は誰が直す老人は誰が見る食料は誰が育てるYouTuberが100万人いても国家は運営できないSNSが若者の時間を吸い続ければ国家の下部構造が崩れ文明そのものが立たなくなる───────────────────────■ SNS文明とは国家を壊すのではなく“上書きする装置”プラットフォームは国家を攻撃しないもっと静かで確実なやり方をする価値を奪い税を奪い注目を奪い文化を奪い時間を奪い言語を奪い世論を奪い生活の中心を奪う国家は残る法律も残る省庁も残るでも力は中身だけ抜き取られる国家の外側に巨大な“プラットフォーム国家”が並列して立ち始めたYouTube国家TikTok国家Instagram国家これは革命ではない文明の移行───────────────────────■ TikTokInstagramYouTube全部同じ構造全部同じ危機全部同じ未来への兆候国家は爆発的には崩壊しないただ静かにゆっくりと音を立てずに溶けていく価値が国家の外へ移動し税が外へ移動し注目が外へ移動し人材が外へ移動し実体労働が崩れ通貨文明が終わり新しいSNS文明が始まるこれは“危機”ではなく人類史の大きな螺旋のカーブわたしはその先端を見ているだからこの言葉が生まれている• アメリカ政府は、TikTok の親会社 ByteDance Ltd.(中国系)に対して、アプリの米国内での事業を米国所有の会社に売却するか、さもなくば禁止するという法律を成立させた。 • また、連邦政府機関の端末では TikTok の使用を禁止する法律(No TikTok on Government Devices Act)も成立している。 • 主な懸念理由は「中国政府がTikTokを通じて米国の利用者データを入手したり、コンテンツ操作を通じて情報戦略を行う可能性がある」こと。 #TikTok禁止は何を意味するのか国家が“価値の流出”を認めた瞬間アメリカがTikTokを禁止しようとしているただの安全保障じゃないただのデータ問題でもないこれは国家がSNS文明に敗北したことを公に認めた瞬間だとわたしは思っている───────────────────────■ 国家の最大の武器は「通貨」と「物語」国家とは通貨を発行し税を集め物語をつくり国民をまとめその力で社会を動かす通貨税注目これらが国家の“心臓”だったその構造がSNSによって奪われているわたしたちが感じている違和感の正体はそこにある──────────────────────■ TikTokは国家の外側にある“もう一つの国家”だったTikTokが強すぎた理由それは単なるアプリではなく国家の機能を持っていたから●国民の注目(Attention)を支配●文化を作る●言語を動かす●時間を奪う●価値を発生させる●行動を誘導するそして●広告費(=国家の血液)を国外へ吸い上げる●データ(=国民の思考履歴)を握るつまりTikTokは国家が握るべき領域を国家の外側で代行していたこれは完全に国家と国家の衝突“アプリ vs 国家”ではなく“国家 vs 国家機能を持つプラットフォーム”だった───────────────────────■ アメリカが恐れたのは「通貨ではなく、物語の主導権」アメリカは通貨に強いドルは覇権経済も軍事も強いでもTikTokは“アメリカ国内の物語の中心”を中国へ移動させてしまった●若者の価値観●トレンド●言語●政治への意識●購買行動●恋愛観●世界観これらがTikTokで決まるアメリカの学校より影響力があるこれは国家にとって致命傷だから言い方は「安全保障」だけれど構造的にはアメリカは“物語の主導権を中国に奪われた”と認めたということ────────────────────────■ 国家は通貨を守れるでも物語は守れないここが文明の断層国家は通貨を印刷できる税を変えられる利上げも利下げもできる憲法も変えられるだけどSNSのアルゴリズムを変えることはできない注意の流れを止めることもできない影響力を回収することもできない国民の頭の中で“国家の上にSNSが乗ってしまった”通貨の上に物語の上に国家の上にアルゴリズムが立ったこれがアメリカが感じている“本当の恐怖”────────────────────────■ アメリカは通貨戦争ではなく「物語戦争」に勝とうとしているアメリカはTikTokを禁止するのではなくTikTokを“米国版TikTokに書き換えようとしている”つまり●売却してアメリカ企業が所有●アルゴリズムの支配権を奪う●物語の主導権を取り戻すこれは国家がSNS文明に対抗するための初めての大きな動き国家が国家として生き残るためにアルゴリズムを奪い返そうとしたこれは“通貨の時代”には起きなかった争い“物語の争い”SNS文明ならではの戦争────────────────────────■ これがわたしが感じている危機と完全につながるYouTubeInstagramTikTokXすべてが国家の上に乗っている価値も時間も注目も文化も税も人材も国家の血管は細り通貨文明は弱まりSNS文明が主導権を取るTikTok禁止は国家がこの事実を初めて公に認めた瞬間アメリカは「国家よりプラットフォームのほうが強くなりつつある」という未来を直感した───────────────────────■ 結論アメリカはTikTokを廃止したいのではなくTikTokを国家の内側に戻したい主導権を取り戻したい物語の中心を奪い返したい本当の戦いは通貨の争いではなくAttention(注目)の争い物語の争い国家はこの文明に対応できなければ静かに溶けていくわたしが感じた危機感は未来そのものだった