WOWOWにて映画鑑賞、『TATAMI』先ずはこの作品の背景、ポイントを引用しておきます。【政府の命令への不服従】イラン政府は、敵対国イスラエルの選手との対戦を避けるため、コーチに電話で試合の棄権を命じます。これは、イスラム法学者である最高指導者の命令に従うべきというイランの政教一致体制に反する行為として描かれています。主人公のレイラとコーチのマルヤムがこの命令に従わないことは、イスラム法に基づく国家体制への挑戦として解釈されます。【女性の権利と自由の主張】映画は、イランの女性柔道選手レイラが自由と尊厳のために戦う姿を描いています。これは、イスラム法下での女性の従順さという概念に反します。レイラが国際大会で競技することを望む姿勢自体が、イランの現体制が解釈するイスラム法と対立しています。【女性の競技参加】厳格なイスラム法の解釈では、女性が公の場でスポーツをすることを制限しています。『TATAMI』では、国際大会での女子柔道の描写自体が問題視される可能性があります。特に、レイラがヒジャブや黒いフードを脱ぎ捨てる場面は、イスラム法に基づく女性の服装規制に反するものとして描かれています。【イスラエルとの対戦】イランがイスラエルを国家として認めていない状況で、イスラエル選手との対戦を望むことは、イスラム法に基づく国家方針に反します。この対立は、スポーツの場における政治的・宗教的制約を浮き彫りにしています。国外での行動の自由イラン人選手が国外で政府の意向に反する行動をとることは、イスラム法に基づく国家の管理から逸脱する行為とみなされます。映画では、レイラとマルヤムが最終的に故国への「否」を言明する場面があり、これは体制からの解放を希求する女性たちの戦いを象徴しています。これらの要素は、イランの現体制が解釈するイスラム法と鋭く対立しており、映画全体を通して政治的圧力と個人の自由の葛藤が描かれています。『TATAMI』は、スポーツを通じて国際政治と宗教的抑圧の問題を浮き彫りにし、女性の権利と自由を主張する強力なメッセージを発信しています。ハラハラドキドキの緊迫したシーンが終始続く本作。家族の身に危険が迫っても、政府に屈せず自らの尊厳を守る選択をした決断に、ただただ凄いと感じさせられました。そして国民をただの駒や物だと考えている最高指導者を許せません。本作は、イランでは当然上映禁止となり、制作に携わった監督はじめスタッフはみんな亡命したとのこと。それでもこう言った方々が存在していることで、映画によって世界中の人々へ問題を伝えられるのです。#映画 #WOWOW #音楽 #TATAMI